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2020.02.16

病気・ケガ・救急

新生児落屑はいつからいつまで続く?原因と対処法は?【小児科医監修】

この記事は、新生児落屑(しんせいじらくせつ)についてまとめたものです。聞き慣れない言葉だけれどどんな状態なの? 症状が出たらどうすればいいの? 気になることを小児科ドクターに伺いました。

新生児落屑とは?原因は何?

新生児落屑は「しんせいじらくせつ」と読みます。屑というのは「くず」のこと。新生児から屑が落ちるとは、いったいどういうことなのでしょうか?

赤ちゃんはママのおなかの中にいる間、胎脂と呼ばれる脂分で皮膚を保護しています。生まれたての赤ちゃんが、なんだかベタベタしているのはこのため。誕生すると沐浴で体が洗われますが、そうやって胎脂がとれたあとの皮膚はとても乾燥しやすくなっています。外気にふれて乾燥した肌が「屑」のようになってポロポロと剥がれ落ちるのが、新生児落屑です。

外気に触れる機会の多い手や足などに、特によく見られます。乾燥した皮膚がウロコのようになったり、オブラート状の膜になったりして剥がれ落ちます。

新生児落屑は病気ではなく、赤ちゃんの肌の一時的な状態と言えるでしょう。新生児の約90%に見られるとされていますが、落屑が見られなくても特に問題はありません。

新生児落屑はいつからいつまで続く?

胎脂が取れ、外気に触れた皮膚が剥がれ始めるのは生後2~3日から。赤ちゃんによりますが、1~2週間ほど続くことが多いでしょう。

新生児落屑という名前の通り、新生児期の終わりである生後1ヶ月ごろまでにはきれいな状態になってきます。

新生児落屑の予防法

新生児落屑は病気や肌トラブルではなく、生まれたての赤ちゃんの肌の一時的な状態です。予防法はありませんし、予防する必要もありません。

新生児落屑の対処法

新生児落屑が起きている間、赤ちゃんのスキンケアはどうすればいいのでしょうか。心がけたい点をまとめました。

無理に剥がさない

ポロポロと剥がれ落ちる皮膚が気になって、「きれいにしよう!」と無理に剥がしたりこすり落としたりしたくなりますが、これはNG。生まれたての柔らかい肌に、不要な刺激を与えてしまいます。かえって肌トラブルを招きかねないので、自然に剥がれ落ちるのを待ちましょう。

沐浴で、なで洗い

沐浴の際にも、落屑がある部分をゴシゴシこすったりしないこと。ゴシゴシ洗いは落屑がない部分も避けたいですが、皮膚が剥がれているところは特にやさしく。ガーゼは意外に肌当たりが強いので、やわらかいタオルや手でそっとなで洗いするのがおすすめです。

落屑が起きている部位の保湿はしない

保湿は、バリア機能が未熟な赤ちゃんには大切なスキンケアです。新生児期からのしっかりした保湿ケアがアトピー性皮膚炎の発症を抑えるという報告もあり、毎日のスキンケアに取り入れたいもの。

ただし、新生児落屑が起きている部位は、保湿をするとかえって剥がれにくくなってしまいます。

落屑のない部分はベビーローションなどで保湿しますが、落屑しているところには何も塗らないようにしましょう。落屑がスムーズに進むためには、「自然に任せておく」のが一番です。落屑が落ち着いたら、他の部位と同様に保湿ケアをしましょう。

落屑が長引いたり赤くなったりしたら受診を

新生児落屑は病気ではないので、受診の必要はありませんし薬も不要です。

ただし、2週間以上皮がむけ続ける、むけた部分が赤くなっている、ジュクジュクしているなどは、別の肌トラブルが起きている可能性があります。気になる状態の時は受診しましょう。皮膚科と小児科、どちらを受診してもかまいません。

新生児落屑と間違えやすい病気

新生児落屑は生後1ヶ月までの間に起こりますが、生後2~3ヶ月ごろまでの低月齢の赤ちゃんによく見られる肌トラブルに脂漏性湿疹(しろうせいしっしん)があります。

新生児落屑がカサカサした状態なのにくらべて、脂漏性湿疹はベタついているので症状はあまり似ていないのですが、月齢が近いために間違える人もいるようです。

皮脂腺の多い部位にトラブルが

実は、生後すぐから2ヶ月ぐらいまでの赤ちゃんは、皮脂の分泌がとても盛んです。新生児落屑のあるところは部分的にカサつき乾燥しますが、その他の部分は脂っぽいのです。これは胎内でママからもらったホルモンの影響。初めて外気に触れる赤ちゃんの肌を、皮脂で保護しようとしているのです。

頭皮やひたい、鼻回り、ほおなど、特に皮脂腺の多い部位に赤い湿疹ができたり、黄色っぽいウロコやフケのようなものがつき、かさぶたになったりします。これが脂漏性湿疹です。

脂漏性湿疹。黄色くベタついたうろこのようなものが広がっています。

清潔にして保湿ケア

かさぶた状のものは石けんで洗い、石けん成分が肌に残らないように丁寧に洗い流してから保湿します。

軽いものなら清潔と保湿のスキンケアで落ち着いてきますが、症状がひどい、赤くなっている、かさぶたが厚くて取れない、などの時は受診しましょう。

新生児落屑と違い、脂漏性湿疹は肌トラブルです。薬が処方されたら指示通りに使い、自己判断でやめたりしないこと。薬を塗る量ややめ時は、医師や薬剤師にきちんと確認しましょう。

生後2~3ヶ月を過ぎると落ち着いてくる

肌を外気から守ろうと皮脂を盛んに分泌する生後2~3ヶ月を過ぎると、脂漏性湿疹は落ち着いてきます。その後、赤ちゃんの肌は全身がとても乾燥しやすくなります。引き続き、清潔と保湿を心がけて、毎日のスキンケアを習慣にしましょう。

文/中根佳律子 脂漏性湿疹写真の出典/『はじめてママ&パパの0~6才病気とホームケア』(主婦の友社)

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【監修】 鳥海 佳代子 とりうみこどもクリニック副院長

島根大学医学部卒業。島根県や千葉県の小児科に勤務後、2010年に夫とともにとりうみこどもクリニックをオープンさせる。カラフルな診療着とおおらかでやさしい人柄が、患者さん親子に人気のママドクター。

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