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2022.06.22

1歳・2歳

「育てにくい子」との向き合い方とは?知っておくとほんの少し心がラクになる処方箋【専門家監修】

『Baby-mo』編集部が読者を対象に行ったアンケートによると、現在子育て真っ最中のママのうち約3割がわが子を「育てにくい」と感じているようです。実際、アンケートに寄せられた声には、ママ達が育児に疲れている現状がにじみ出ています。

「おくびょうで、ちょっとしたことにすぐ泣くのでイライラする」(7ヶ月ママ)

「抱っこしないと寝ない、ベビーカーでも大泣き、夜は1~2時間おきに目を覚ます、と私もクタクタ。よく寝る子のママに嫉妬してしまう」(5ヶ月ママ)

「眠くなるとわがままを言い始め、無視していると1時間くらい大泣き。毎日キレています」(1才11ヶ月ママ)

では、そんな「育てにくい子」とどう向き合えばいいのでしょうか?そもそも「育てにくい子」ってどんな子?小児精神保健医の渡辺久子先生と、臨床心理士・公認心理士の橋本洋子先生にうかがいました。

「イヤ!」と言えるのは、脳がしっかり育っている証

「あと追いや人見知りはないほうがいい」「お友だちに素直におもちゃを貸せる子になってほしい」。そして、ひとりでも泣かず、誰に対してもニコニコし、素直に言うことを聞く……ママたちの理想は、そんな「育てやすい子」だということがアンケートから浮かび上がってきました。

が、渡辺先生はそうした考えを一喝します。

「1才半でよその子に自分からおもちゃを譲る子なんて、“フヌケ”です。おもちゃというのは、その日を楽しくするために、子どもが自分なりのセンスで選んだ大切なパートナーとでもいうべきものです。

それをやすやすと人に譲ってしまうのは、思春期に恋人を友だちに貸すようなもの。自分の選んだものや自分のテリトリーを守るのは人間として必要な力です。1才半でちゃんと“イヤ!”と言えるのは、脳がしっかりできている証拠。“育てにくさ”なんてとらえ方をしないで」

また、渡辺先生によると、人見知りの強い子は、感情のキメがこまかい子が多いそうです。偉人といわれる人にも、子ども時代に人見知りが激しかったケースが多いのだとか。そう考えると、ママ達が「育てにくさ」と考えている点の多くも、実は順調に育っている証なのかもしれません。

かんしゃくを起こすのは何かができる直前が多い

子どものかんしゃくもその一つ。

「実は、カーッとなりやすく、キレやすい時期は、急激に成長している時期なのです。人生でかんしゃくを起こしやすい時期のひとつが0~3才のころ、次に10~15才ごろの思春期。これは脳が急激に大きくなる時期と一致しています。人生でいちばん脳が大きくなる勢いが強いのは、胎児期です。羊水の中でおなかをけっている赤ちゃんも、キレているのかもしれませんね(笑)」(渡辺先生)

幼児と思春期の子どもは情緒的に敏感で、また、いろいろなことができる過渡期にいる点が似ています。特にかんしゃくを起こしやすくなるのが、「何かができるようになる直前」とのことで、乳幼児では「あんよができる前」「言葉がたくさん出る直前」などにあたるそうです。

「思春期でも、ひとりで暮らしたい、お化粧したいといった欲が出てきて、それを“まだ早い”と抑えられてカッとなる子がいますよね。こういった“できそうでできないこと”にイラ立つ乳幼児や思春期の子に対し、両親がうまくかかわっていくことで、子どもはグングン伸びていきます。おとなしい乳幼児期や思春期はありえないんです」(渡辺先生)

3才までに、こういった「できそうでできない→かんしゃく→できた→ご機嫌→できそうでできない」……といった時期を繰り返すそうです。わが子がかんしゃくを起こしていたら「もうすぐできることが増えるのかも」と楽しみにするくらいの余裕が大切です。

赤ちゃん時代からママとのやりとりで感情の芽が育っている

一方、生まれてから3カ月ごろまでの赤ちゃんは、かんしゃくは起こさないけれど、感情がわかりにくく、「育てにくい」と感じるママもいるよう。

「でも、3カ月以降に突然、感情が芽生えるわけではないんです。生まれた直後から、赤ちゃんはママとやりとりできることがわかっています。おっぱいをもらって、寝て、抱っこされて……と育つうちに、まわりの世界のこともだんだんわかっていきます。3カ月ごろまでの時期を“育てにくい”と思わず、ママとのやりとりのなかでゆっくり世界を味わっている時期だと思えるといいですね。

子育てには、どのくらい親子でやりとりしていくかが重要。育児は一方的でないからむずかしく、面倒で、でも、だからこそ楽しくてすばらしいものなんです。子どもを育てながら、常にこの双方向性を意識していたいですね」(橋本先生)

「この子はこの子」と思うところからすべては始まる

実際、注意深くかかわってあげなければいけない“育てにくい手のかかる子”もいるのは確か。とはいえ、「“育てにくさ”は“育てやすさ”に直すべきものではない」と橋本先生は言います。

「この子はこの子と思ってそのまま受け入れることから、すべては始まります。たとえば、しがみついてくる子を拒否して引き離そうとするより、“抱っこしてほしいのね”と思って抱いてあげるほうが、ママもラクになりますよね。受け入れず直そうとすると、その子の個性が“育てにくさ”に感じられます。

子育ては親が“いい子”に育てるものではなく、わが子を“こんな子なんだ”と驚きながら発見していくものです。“育てにくい”“育てやすい”とカテゴライズするのではなく、“子どもが育つこと”“子どもを育てること”の壮大さを、もっと感じられると、子育てがもっと楽しくなると思います」

誰のための何のための”育てやすさ”なのか考えて

親は子どもを操作して“いい子”をつくる存在ではなく、幼い命のやわらかな心を守り、はぐくむもの。その原理を「母性原理」といいます。おなかがすいて、甘えたい、遊びたい、といった乳幼児のペースが中心となった、赤ちゃんの側に立った原理。その反対にあるのが、計画どおりに物事を実行、処理する「ビジネス原理」で、大人の側の原理です。

渡辺先生は、「ビジネス原理」の側にいるママの多いことを指摘します。

「ママが言葉を持たない赤ちゃんの側に立ち、“その命が伸びやかで幸せなのか?”と考えることが必要。ところが、マニュアルや人の評価のほうを重視してしまい、結果的にビジネス原理に従ってしまいがちです。

人間の赤ちゃんの育ちは、命のなかで最も複雑なもの。手がかかって当たり前です。そこに効率やスピードを求めてしまうと、子どもの個性が“育てにくい”ものに思えてしまいます。誰のため、何のための“育てやすさ”なのか、振り返って考えてみてください」

記事を読む⇒⇒⇒「育てやすい子」の危うさ おとなしい、グズらなかった子が問題行動を起こす陰にはいったい何が?【専門医監修】

『Baby-mo(ベビモ)』の内容をウェブ掲載のため再編集しています。※情報は掲載時のものです

Baby-mo〈ベビモ〉編集部

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