『水子供養』についてよく寄せられる質問、人には聞きづらいことをピックアップ。東京都大田区にある本寿院のご住職に教えていただきました。
『水子供養』は秘密厳守で行えますか?
お寺によっては、個別での法要や、匿名での供養を受け付けてくれるところもあります。
また、誰にも知られないように夜、一組だけの供養を行ってくれるところもあります。
『水子供養の』あと、赤ちゃんはどこへ行くのですか?
仏教でいうと、供養することで仏のお弟子さんとなり、極楽浄土からご先祖さまと一緒にママやパパを見守ってくれる存在になります。
亡くなった赤ちゃんもお盆には帰ってきますか?
お盆には帰ってきてくれるので、お迎えをしてあげ、赤ちゃんと過ごせる時間を満喫してください。
また、精霊棚(祭壇)をつくり、赤ちゃんのことを偲んで盆踊りを踊るのもいいでしょう。
そしてご先祖さまを見送るために行われる「京都五山の送り火(*)」と同じように、ご自宅でもお盆最後の夕方に赤ちゃんを見送るセレモニーをしてあげましょう。迎え火をした場所と同じところで火を焚き(送り火)、見送ってあげてください。
*「京都五山の送り火」とは:お盆で帰ってきている精霊を見送る、京都を代表する伝統行事です。炎で作られた「大」、「妙・法」、「船の形」、「鳥居の形」などが京都の山に浮かび上がり、それを見ながら合掌して精霊を見送る行事です。それをコンパクトにしたものが、ご自宅で行う「送り火」です。
あの世で親がいなくて、子どもは寂しくないですか
命あるもの、いずれ亡くなります。それは私たちも同じです。供養してあげることで、仏の弟子となり、ご先祖さまと一緒に過ごすことができるので、寂しくはないので安心を。
また、水子さんも小さな手を合わせ、仏様のところからママやパパが元気に楽しく過ごせるよう祈ってくれているでしょう。
供養後、親としては日々何ができるでしょうか
赤ちゃんのことを思い出してお祈りしてあげてください。仏壇がなくても大丈夫です。仏壇がある場合は、お花やご飯をお供えしてください。
また、私たちには誕生日がありますが、水子さんにはありません。なので、命日は覚えてあげましょう。
毎日のお祈りが難しい場合は、せめて命日には、わが子のために祈ってあげてください。
命日がわからないというかたは、『水子供養』した日を命日とされるといいでしょう。
自分たちの都合で中絶しましたが、赤ちゃんは許してくれますか?
中絶したことをママがずっと悩んでいる姿を赤ちゃんは見たくないでしょう。きちんと供養をして赤ちゃんに懺悔をして祈ることが大切です。
四十九日などの法事は必要ですか?
四十九日は仏教でいうとご先祖さまの仲間入りをする日です。絶対ではないですが、赤ちゃんと向き合う時間にもなるので、可能な限り行うといいでしょう。
『水子供養』は赤ちゃんの父親、母親両方でしたほうがいいのでしょうか?
『水子供養』を行い、赤ちゃんに心を傾ける時間を持つことが大切ですので、必ず両親がいなければいけないわけではありません。
「昔の彼との間の水子さんなので内緒で水子供養したい…」というケースもあるので、そういった場合も、ママ1人だけでも構いません。
数年前の『水子供養』を、今してもいいですか?
「○年○月までに供養しないといけない」という決まりはありません。「供養したい」と思ったときにしてあげることが大切です。水子となった我が子が気づかせてくださっているのかもしれません。
御札はしまっておくべきでしょうか、それともおまつりするのがいいですか
仏壇などおまつりする場所があるなら、まつってあげてください。
無い場合は、部屋にある棚などの上に、ろうそくやお線香、お花と一緒にお札をまつりましょう。
御札やお守りはいつまでおまつりすればよいでしょうか
通常、お札やお守りは、1年で新しいものに変更します。しかし、『水子供養』の魂が宿ると考えられている位牌やお札は、生きている子どもと同じように、ご自身やパートナーの命がある限りずっとおまつりしてあげてください。
『水子供養』したあと、どれぐらいで妊娠してもいいですか?
子どもは授かりものです。
どのくらい期間をあけないといけないということはないので、自然に任せましょう。
次の子ができたとき、亡くなった赤ちゃんが悲しむことはありますか?
次の子どもが授かったことで、水子さんが悲しむことはありません。ママが喜ぶ姿を見ることができて、水子さんもうれしいはずです。
また、『水子供養』に子どもを連れて行っていいか戸惑うかたもいますが、やきもちをやくことはありません。水子さんにとって兄弟に当たるので、陰ながら見守り支えてくれるでしょう。
『水子供養』はしないほうがいいと聞きました。本当ですか?
そんなことはありません。「水子=見ず子」ともいわれ、親が供養しないと、誰からも思い出してもらえなくなってしまうことがあります。
無縁仏とならないよう『水子供養』をし、気持ちと感謝を伝えてあげましょう。
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