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2021.09.23

産後の悩み

体罰が子供の脳に与えるダメージとは。加害者の半数は実母という現実

虐待による痛ましい事件が起き続けている昨今、2020年4月に「児童虐待防止法」が改正され、体罰禁止が明記されることになりました。虐待はちょっとしたきっかけで誰にでも起こりえること。NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事の高祖常子さんに、その実態と正しい対応を教えてもらいました。

児童虐待への対策強化のため「児童虐待防止法」が改正

児童虐待防止法とは、子供への虐待を防止する目的で制定された法律。2020年4月に施行されました。

これは近年、痛ましい子供の虐待死が相次ぎ、対策強化を求める声が高まったことを受けたもの。親権者(親だけでなく、里親、児童福祉施設長も含む)が「しつけ」の名目で子供に体罰を与えることは禁止と明文化されています。

近年、大きなニュースになった児童虐待事件の例

■2017年10月(埼玉県桶川市)
1歳男児の事件

1歳1カ月の三男に十分な食事を与えず衰弱死させたとして、保護責任者遺棄致死の疑いで両親を逮捕した事件。発見当時、三男の体重は3.8キロで、同年齢の標準体重の3割程度。身長も平均を下回っていた。

虐待のあとはなかったが、「子供が泣いたらミルクを与えていたが、泣かなければ与えていなかった」ことが判明した。

■2018年1月(東京都目黒区)
船戸結愛ちゃん(5歳)の事件


父親が5歳の長女に暴行を加えてけがをさせ、死亡させた事件。警視庁は父親を傷害の疑いで逮捕。日常的に暴行を加えるほか、真冬のベランダにはだしで放置したり、食事を与えないなどの虐待を行っていた。

結愛ちゃんが書いたとされるノートの内容は、事件が大きく報道されるきっかけとなった。

■2018年3月(東京都足立区)
生後2カ月女児の事件


生後2カ月の長女に暴行を加えてけがをさせたとして、父親を傷害の疑いで逮捕。「泣き声がうるさくて眠れず、感情が抑えきれずにやった」などと容疑を認めた。女児は3日後に病院に搬送され、死亡した。

■2018年4月(千葉件野田市)
栗原心愛ちゃん(小4)の事件


自宅で10歳の長女に冷水シャワーを浴びせるなどの暴行を加えたとして、傷害の疑いで父親を逮捕。長女は自宅で死亡が確認された。

また、長女は小学校で行われたアンケートに父親から暴力を受けていると記入。児童相談所が一時保護するが、父親がこのアンケートを入手。虐待のリスクが高くなったにもかかわらず、長女を自宅に戻していた。その後、母親も逮捕され、多くの虐待が判明した。

■2019年6月(北海道)
池田詩梨ちゃん(2歳)の事件


2歳の女児に暴行を加え、頭や顔にけがを負わせた疑いで、母親とその交際相手が傷害容疑で逮捕された事件。長女は搬送先の病院で死亡が確認された。

死因は衰弱死で、体重は同年齢の子供の平均を大きく下回る10キロ未満。司法解剖では強い暴行を受けたあとも見つかった。児童相談所はこれまでに3度の虐待通告を受けていたが、母親と面会することなく事件が起こってしまった。

■2020年6月(東京都大田区)
梯 稀華ちゃん(3歳)の事件


自宅マンションに8日間置き去りにされた当時3歳の稀華ちゃんが、飢餓と脱水で死亡した事件。母親は交際男性のいる鹿児島へ出かけていた。部屋の間仕切りは外側からソファでふさがれ、ベランダ側の窓は施錠されていた。

母親も小学生の時、実母と養父から身体的虐待や育児放棄を受けており、「自らも虐待を受けて育ったことで、育児放棄に抵抗が少なかったのでは」という見方がされた。
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取材・文/村田弥生

【監修】 高祖 常子 NPO法人子どもすこやかサポートネット副代表理事

子育てアドバイザー。資格は保育士、幼稚園教諭2種ほか。各種NPOの理事などを務め、子育て支援を中心とした編集・執筆ほか、全国で講演を行っている。著書に『感情的にならない子育て』(かんき出版)ほか。3児の母。オフィシャルサイト

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