脳に必要な栄養が整うと言葉が増える、落ち着く
たとえば幼稚園に通うAくんのケースです。
彼は3才のときにADHD(注意欠陥多動性障害)の診断を受けました。
友だちや弟とのかかわりが苦手で、一人遊びばかり。衝動的な行動が多いので、家族で外食することもできませんでした。
血液検査で鉄とビタミンBの不足がわかり、鉄剤とビタミンBを処方しました。
1ヶ月後にはとても落ち着いてきて、弟と遊ぶようになり、幼稚園であったことも話してくれるようになったそうです。
そして何より驚いたのは、回転ずし店で最後まで座っていられたことだそうです。「目の前にお寿司が流れてくるのを見て、さわらずにいられるなんて夢のよう」と、お母さんは大喜びでした。
このように、鉄を補充しただけで発達障害の症状が改善されるケースは多くあります。
そのほとんどは貧血とは診断されていない子ばかりです。貧血の検査だけでなく、フェリチン値などを測って鉄欠乏の有無を調べる必要があると私は思います。
もちろん、発達障害が栄養だけで改善するといっているわけではありません。
しかし、不足している栄養をつきとめ、補充することで問題が解決したり、改善するケースが少なくないことも事実なのです。
離乳食は遅らせず、適切な時期に鉄を含む食品を与えてあげて
WHO(世界保健機関)では、生後4~6ヶ月の間に母乳の「補完食」を始めるように推奨しています。
動物性食品、豆類、緑黄色野菜、果物、油脂などをとることで、たんぱく質、ビタミン、鉄などのミネラルを十分に補充できるからです。
日本の場合、アレルギーを必要以上に恐れるからでしょうか。ここ10年ほどで離乳食の開始が遅くなる傾向があります。でも、本来与えられるべき栄養が不足し、発達を妨げることのほうが心配です。
また、早期に食べることで食物アレルギーになりにくいことも研究で明らかになりました。
離乳食では、積極的に肉やレバー、赤身の魚などを与えてください。赤ちゃんのすこやかな発達に、鉄は欠かせないのです。
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