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2022.05.19

成長・発育

子どもをしかってもいい場面はどんなとき?しかられ過ぎた子どもはどう育つ?【発達脳科学者監修】

「しつけをする」ことは「しかる」ことだと思っている人もいるかもしれませんが、しかることはしつけの一つの手段にすぎません。では、しかっていいのはどのような場面なのでしょうか?発達脳科学者の成田奈緒子先生に話を聞きました。

1歳だから伝わらない、2歳、3歳になるとわかってくる

「しつけのためには、しからなくてはいけない」と思い込んでいる人は案外多いと感じます。でも、しかることがしつけではありません。

例えば、「危ないから触ってはいけません」と言葉で伝えても、くり返し触ろうとする子がいたとしますね。言葉で言っても聞かないので、どなったり、たたいたりすべきか、悩む方もいるかもしれません。

でもその子が1歳なら、一番いい方法は、危ないものを「手の届かないところに置く」ことです。

「それではことの善悪が伝わらないのでは」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。1歳だから伝わらないのであって、2歳、3歳になればわかるのです。

2歳以降は「しかる場面はココ!」を決めてしまおう

もし、2歳や3歳になってもするのであれば、そこには「ダメでもやりたい」別の理由があります。触ることでママの気を引きたいのかもしれません。

しかるよりも、親子の時間を見直し、子どもの心を読み解く努力をしたほうが解決につながるでしょう。

しかってでもしつけたいことはあると思います。でも、「こんなときにしかる」という指針のようなものは必要です。その一つが、「命にかかわる危険なことをしたとき」です。

そのときの場面でしかり方を変える

もし、わが子がパーッと道路に飛び出したとしたら、全身で止めてどなりつけてもいいと思います。「危ない!死んじゃうんだよ!」と。

ショッピングモールの通路で走り出した。こんなときはどうすればいいのでしょうか?

しかるよりダッシュで追いかけて、「何が見たかったの?そうなんだ。でも手をつないで歩いて見にいこうね」と話しましょう。ここで「危ない!」と叫んでしまうと、道路に飛び出してしまう危険との区別がつかなくなってしまうのです。

しかってしつけることが必要な3つの場面

どんなときにしかるべきなのか迷うものですが、このような場面では「しかってしつける」ことも必要かもしれません。

①危険なことをしたとき

道路に飛び出したり、刃物を持つなど、自分の命や体を危険にさらすような行為は、しかる必要もあると思います。まずはその行動をなんとしてでも止め、少し落ち着かせてから、なぜこれが危険なのかを説明しましょう。

「道路に飛び出すと車が来て、ぶつかっちゃうんだよ」「車はハナちゃんが思うよりずっとスピードが速いの」「ハナちゃんがケガしたらママは悲しい」と、真剣に伝えましょう。

それでも1回言っただけでわかる子は少ないものです。同じことをしないように、親も注意する必要があります。

②人を傷つけたとき

子ども同士の関わりが増えてくると、たたいたり、かみついたり、砂をかけたりなどのトラブルが起きます。だれかを傷つけるような行為は、やる前にストップさせたいものです。そして「ダメだよ。かみついたら〇〇ちゃんは痛いんだよ」と毅然として言いましょう。

ただ、やるからには何か理由があるはずです。一方的にしかるのではなく、「どうしてそんなことをしたの?」と聞いてあげ、その気持ちを受け止めてあげてください。

③ルール違反をしたとき

少し大きくなったら、わが家のルールを明確にしましょう。「ゲームは1日30分まで」「乱暴な口のきき方をしない」など、2~3個のルールを決めて、守れないときには「なぜ守れなかったのか」をしっかり話し合いましょう。

ただし、ルールの数が多すぎたり、親が一方的に命令している場合、しかられると子どもは反抗的になります。なぜそれを守る必要があるのか、理解してもらうことから始める必要があるでしょう。

ママアンケート:0~1歳 こんなとき「ダメ!」と言いますか?

危険なことをする…ダメ!95%
危ないと感じたときには「ダメ」と言うという人がほとんどです。「0歳のうちは親が注意するほうが大事」という声も。

散らかす...ダメ!13%
本人は遊んでいるだけなので「散らかしている」という自覚がないから、しかっても意味がないと思う、という意見も。

食べ物で遊ぶ...ダメ!55%
0歳ではしからなくても、1歳になるとしかる人が多いようです。親の反応がおもしろくてやっていることも。

偏食・食べない...ダメ!8%
「しかられたらますます嫌いになりそう」「食欲はしかっても変わらない」と、無理じいしないほうがいいと考える人多数。

公共の場で騒ぐ...ダメ!57%
意見が分かれるところですが、「しかる」ほうがやや多数。「しかっていますと、アピールするためしかっているかも」という人も。

乱暴する・たたく...ダメ!87%
「人に危害を加える行動は、厳しく言ってやめさせます」という人多数。「しかるより止めます」という人も。

子どもをたたいてはいけない?たたくとどうなる?

子どもをどなりつけてしかっていると、子どもはその口調に慣れていきます。もっともっと大きな声を出さないと従わなくなり、今度はたたく、次はけると、虐待ゾーンに入ってしまう可能性もあります。しかるという行為は、即効性があるだけに注意が必要なのです。

子どもをたたいてはいけないの?という質問については、たたかれると、子どもは言うことを聞くかもしれません。でも、その痛みや恐怖は子どもの心を傷つけ、親への根本的な信頼感を失わせます。親の顔色をうかがい、親の望むように行動しようとして、自分で考えて判断することを放棄するかもしれません。

しつけとは、子どもの自立のためにするものですから、真逆の行為になってしまうのです。

親も人間ですから、カーッとなることもありますが、たたいて発散するのは前向きな行動ではありません。
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記事を読む⇒⇒⇒「ケンカも大切な経験」。発達脳科学の専門家が語る、思いやりのある子に育てるために親がすべきこと

まとめ・文/石野祐子(Forest inc.) 『はじめてママ&パパのしつけと育脳』の内容をウェブ掲載のため再編集しています。※情報は掲載時のものです

【監修】 成田 奈緖子 子育て科学アクシス代表/小児科専門医

文教大学教育学部特別支援教育専修教授。小児科専門医。子育て科学アクシス代表。医師、教授、母親としての視点から、子どもの「育ち」を支援。経験と研究に基づいた「子どもが一生幸せに生きられるための脳作りの方法」をテーマに、広く講演、執筆活動も行う。

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