泣きやまないわが子を前に、「何をやっても泣き続けるのはなぜ?」「一体どうしたらいいかわからない」…と、途方に暮れた経験、ありますよね?
そんなパパ&ママのために、カリスマ保育士・てぃ先生の「泣きやませる」6つのスゴ技をご紹介しましょう。赤ちゃんの反応が変わってきますよ。
【スゴ技1】共感してあげる
どんな泣きやませ方法も、それをする前に、気持ちに共感する言葉をかけることが大切です。
赤ちゃん時代から就学前くらいまでは、伝えたいこと、やりたいことがあって、それをうまく言葉にできなくて泣くことが多いので、まずは共感してあげましょう。「気持ちをわかってもらえた」とお子さんに安心感が生まれるので、泣きやみやすくなります。
公園から帰りたくないと泣いたら、「帰ろうよ」ではなく「もっと遊びたかったんだね。でも、もう夕方になるから帰ろう」。
いつものお散歩では5分くらい車を見られるのに、今日は時間がなくて帰らなくてはならないというときに泣いたら「今日はダメなの」ではなく、「いつもは車見てるもんね。でも、今日はごめんね」と、共感の言葉をかけるだけで違ってきます。
共感してもらえると安心するのは大人も同じですよね。「赤ちゃんだから言ってもわからない」ではなく、ひとりの人として接するようにすると、泣きやむ確率が上がります。
【スゴ技2】頭の上にモノをのせて「こんにちは~」
頭の上にのせても痛くないぬいぐるみやタオルを「こんにちは~」と言いながら落として、「落ちちゃった!」「なんか落ちてきたよ」と話してみてください。1才から5~6才までのお子さんは高確率で笑ってくれます。
「日常にちょっとした変化が起こる」のって、赤ちゃんにとってはおもしろいんです。くしゅんとくしゃみをしたり、物が当たって「コーン」とコミカルな音がしただけでも笑ってくれるのもそれが理由。
さらに子どもは仮説と検証が大好きだから、「また落ちてくるんじゃないかな」と思って、本当に落ちてくる。これを何回もくり返すともっと笑ってくれます。赤ちゃんがいないいないばぁが好きなのも同じ理由です。
未就学のうちにたくさん笑うと、知能が上がったりメンタルが強くなったり免疫力が上がるという報告もあります。泣きやまないときはぜひやってみて。
ママ達がトライしました!
●絶賛イヤイヤ期の娘。少しでも気に入らないことがあると床に寝転がり泣き叫ぶので、手を焼いていました。そんな娘ですが、頭の上にのせるといったん泣きやみ、頭に注目する様子が!さらに物を落とすと笑うではありませんか。かんしゃくが始まると何十分も泣き続けていましたが、気持ちを切り替えることができるように。親側もてぃ先生のスゴ技を「試してみよう」と気持ちが切り替えられ、イライラが少ない気がします。ゆうこママ・こっちゃん(2才)●息子は最近「いや!!」を連発。泣いて足をバタバタします。そこで、私の頭の上に帽子をのせて落としたところ、「ん?なに?」という表情になり、徐々に泣きやみました。3、4回ほどくり返すと、笑顔も見せるように。 最終的には、息子が自分で帽子を頭にのせて落とし、笑いながらまねをし始めました。落とすときに「ぽとん」などの効果音をつけると、より効果的。みっきーママ・こうちゃん(1才10カ月)
【スゴ技3】“高い高い”や“声かけ”で気持ちを切り替え
一度泣きだすと、それを引きずってなかなか泣きやまず、ママが困り果ててしまう……。そんなときは気持ちの切り替えを手伝ってあげましょう。
まずは泣いた気持ちに共感しつつ(共感はどんなときも大事です!)、高い高いをしてみて。赤ちゃんが高い高いが好きなのは、視点が変わるのが楽しいから。
視点が変わるという意味では、大好きなおもちゃや、真っ赤な絵本やぬいぐるみ、あるいは抱っこして鏡の前に連れて行くなど、目新しいものが視界に入ってくるのも同じような効果があります。
ママ達がトライしました!
●高い高いは絶大ですね! 上に上げたあと、左右に体を振って上げるなど、バリエーションを増やしています。おなかにママのおでこをつけて、やさしくグリグリすると喜びます。モモママ・ミニモちゃん(5カ月)●抱っこが大好きな娘ですが、鏡の前だともっとうれしそう。抱っこしたまま鏡に近づいたり離れたり。グズグズし出したら、鏡の前に急ぎ向かいます。和香子ママ・芽郁ちゃん(5カ月)
【スゴ技4】「ママがいい!」の泣きには「ママがいいよね~」
10カ月くらいになると「ママがいい~」「ママじゃないとヤダ~」と泣くことが出てきます。パパや他の大人は困ってしまって「パパでもいいでしょ」「ママじゃなくても大丈夫でしょ!」と言ってしまいがち。でもここは一度「そうだよね、ママがいいよね」と声をかけてみましょう。
赤ちゃんはママのおなかの中で育って、ママが産んでくれて、母乳をくれるのもママ。パパがイヤなのではなく、本能的に「ママがいい」んです。おなかがすいたり、眠かったり、不安やさみしさを感じると「ママがいい」となるのは当たり前のこと。
だからこのときも、「そうだよね、ママがいいよね」と共感してあげることで安心できるのです。他の大人は、ふだんからママと仲よく話す姿を見せておくと、「自分が大好きなママと仲がいい人」と思ってもらえて、泣くことが少なくなるはずです。
ママ達がトライしました!
●ママじゃないとダメなわが子の様子に夫が心折れそうになっていましたが、てぃ先生の言葉を伝えたところ、夫が息子に「そうだよね、ママがいいよね」と話しかけるように。てい先生流の声かけは、子どもにはもちろん、大人にも効果的! めぐみママ・アイくん(10カ月)●両親とのお出かけで特急列車に乗ったとき。おじいちゃんのひざに行くのをいやがり「ママがいい!」。「そうだよね、ママがいいよね」「そうだよね」とくり返し声をかけることで、だんだん気分が落ち着いていきました。のんちゃんママ・あおくん(1才)
【スゴ技5】子どもの気持ちを代弁してあげる
感じたことや伝えたいことをわかってほしいのに、伝え方がわからない。言葉にできない。それが悲しいから泣いて表現するのが赤ちゃんです。だからとにかく、お子さんの代わりに気持ちを代弁してあげましょう。
おむつを替えたら「さっぱりしたね」。授乳をしたら「おいしかったね」など、月齢が小さいころは無意識に気持ちを代弁しているママも多いかもしれません。それに加えて、少し大きくなって、イヤイヤで泣いたり、転んだりしたときにも気持ちを代弁してみてください。
「しょうがないでしょ」「転んでも泣かないよ、強い強い」などと親目線で話しかけるより、「いやだったね」「転んで痛かったね」と気持ちを代わりに表現してあげてください。これをくり返すことによって、お子さんは泣かずに気持ちを言語化することを学んでいきます。
【スゴ技6】様子を見ながら泣かせても大丈夫
お子さんが泣きだしたりなかなか泣きやまなかったりすると、大人としてはあの手この手で気持ちを切り替えて泣きやませてあげようとしたくなりますよね。
でも、放っておくことが大事なときもあります。泣く時間もお子さんにとっては、自分で気持ちを切り替える練習になっているんです。「〇〇くん悲しそうだね」「ママができることあるかな?」と声をかけて、時間や環境が許せば、気のすむまで泣かせてあげましょう。
家の中であれば1分くらいは様子を見てみて。それでも泣きやまなければまた違った声かけをしてみましょう。こうして少しずつ、自分で気持ちを切り替えられるようになれば「泣きやまない」お悩みが解決していきます。
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撮影/曽根将樹(PEACE MONKEY) ヘア&メイク/加藤志穂(PEACE MONKEY) 構成/佐藤真紀