毎日くり返し訪れる授乳・離乳食タイム。「飲んでくれない」「食べてくれない」と悩むママも少なくありません。
そこで、ありがちな悩みの解決法や、そもそも悩みが悩みではなくなるマインドチェンジのコツを、カリスマ保育士・てぃ先生に聞きました。2才まで続くお悩み解決の道、スタートです!
Q.保育園でミルクを飲まない。家でも哺乳びんにしたほうがいい?
家では完全母乳のせいか、保育園でミルクを飲んでくれなくて…。(5ヶ月・いぶきのママ)
A.保育園に任せてOK!全く飲まないなら受診を
連絡帳に「飲みませんでした」と書いてあると、心配になりますよね。でも、入園したばかりなど、環境が変わったときにミルクを飲まなくなることはよくあります。
保育園では、いろいろな種類の乳首を試したり、保育士が違えば飲むかもしれないと交代したり、試行錯誤しているものです。のどがかわいたり、おなかがすいたりすれば、赤ちゃんも飲んでいるはず。
ただでさえ忙しいママ&パパですから、無理してまで練習する必要はないですよ。なお、一日中、全く飲まないことが続くようなら、保育園に相談して、小児科の受診を検討してみてください。
Q.ベビーフードが大好き。手作りを食べてくれないのでへこみます
せっかく離乳食を作っても食べてくれないことが。周囲の目も気になって…(7ヶ月・本郷ママ)
A.「食べてくれてラッキー」と受け止めてみましょう
ベビーフード、いいじゃないですか! 栄養バランスがよく考えられていて、おいしくて、衛生的にも安心できるものに頼れるなんて、ラッキーですよ。育児がたいへんな時期だから、頼れるものには頼ったほうがいいんです。
赤ちゃんは、誰が離乳食を作ったかなんて、気にしていません。周りにあれこれ言う人がいても「私、手抜きしてダメだ」と落ち込まずに、「うちの子はベビーフードが好きでラッキー」というくらいの気持ちで、笑顔でいましょう。ママ&パパが笑顔でいることがいちばん、赤ちゃんはうれしいんですから。
Q.食事のたびに遊び食べをするので困っています。
口に入れたものをブーブー飛ばして遊びます。やめさせるにはどうしたら?(9ヶ月・智花ママ)
A.「ダメ」ではなく、「モグモグしようね」と伝えて
汚れるからイヤですよね。でも、このブーブー飛ばし、赤ちゃんにとってはとてもおもしろい体験なのです。もしママ&パパに抵抗がなければ、そっと試してみてください。唇が震える感覚や、固形物が勢いよく外に飛び出す感覚は、不思議な体験なのでは?
おもしろいことを「自分でできた!」という達成感から、遊びになっているのかもしれませんね。あきたらやめるので、このままでもいいと思います。
やめさせたいときは、「ダメ」と禁止したり、食事を打ち切ったりするのではなく、「モグモグしようね」と正しい食べ方を教えるほうが効果的です。
Q.やわらかいものばかり好み、離乳食のステップが進みません。
その時期に合った離乳食を食べてくれません。もうすぐ1歳なのに大丈夫?(10ヶ月・はるちゃんママ)
A.育児書は目安なので「うちの子なりのペース」を受け入れて
育児書などに載っている離乳食の目安を、意識することは大切です。でも、それにとらわれすぎると、育児がつらくなってしまいます。目安はあくまで目安。それが絶対だとは思わないようにしましょう。
目安どおりに進んだときも、そうではないときも「うちの子なりのペース」で進んでいることを喜ぶほうが、気がラクではないでしょうか。
なお、母子健康手帳の「乳幼児身体発育曲線」も参考にして、もしも体重や身長が曲線から大きくはずれていたり、横ばいになったりしているときは、小児科に相談してみてくださいね。
Q.「ばっかり食べ」のわが子。どうしたらいい?
大好きなバナナやパンばかりを食べています。栄養バランスが心配!(8ヶ月・丘さんママ)
A.パンやバナナをベースにアレンジしてみては?
これは、「うちの子は全然食べない」と悩むママ&パパからすれば、なんともうらやましい悩み。成長して小学生になってパンやバナナしか食べない子はほとんどいないので、気にする必要はありません。
栄養バランスが心配なら、パンに何か塗ったりはさんだりしてみましょう。バナナをつぶして、何かをまぜるのもいいですね。「うちの子は、こんなにおいしそうにパンとバナナを食べるんだ」と、いまのまま見守るのもアリです。
ただし、食への興味を広げるために、ほかの食材も食卓に出し続け、ママ&パパがおいしそうに食べるところは見せてあげてくださいね。
Q.食事の時間が不規則になりがちです。
昼寝や遊びの時間が延びて、毎日の食事の時間が定まりません。(11ヶ月・ここみママ)
A.睡眠時間を確保できるように食事時間を定めましょう
生活リズムが乱れて心配なのは、食事の時間がずれ込み、寝る時間が遅くなってしまうことです。睡眠時間を確保するために、まずは食事の時間を決めましょう。
ポイントは「最悪の想定」で予定すること。最悪の想定というのは、「何かあって遅くなってしまった場合」ということ。たとえば夕食は18時が理想だけど、赤ちゃんがぐずると無理かもしれないというなら、はじめから19時に設定しましょう。
がんばって18時にしようとすると、子どもをせかし、大人もあわただしくなります。19時にしておけば、余裕をもって準備ができます。親子にとって無理のない時間に決めておくことで、気持ちがラクになり、習慣化もしやすいですよ。
Q.夜間授乳がやめられません!
泣くとついついおっぱいをあげてしまう日々。このまま続くのではないかと心配です。(1歳1ヶ月・けいたんママ)
A.何を優先させるか考えましょう
ママがおっぱいをあげるのがつらくてやめたいことを優先させるなら、夜間の授乳はやめると決めるのがよいでしょう。ただし、1カ月くらいは、寝不足になっても夜泣きにつきあう覚悟が必要です。そうすればお子さんが徐々に慣れていきます。
お子さんが飲みたがることを優先するなら、母乳ではなく、パパがミルクをあげるという方法もあります。誰か一人がガマンするのではなく、ママ&パパ側の負担と赤ちゃん側の必要度のバランスで考えていきましょう。
Q.スプーンを持とうとしないのが心配です。
手づかみ食べもせず、パパやママがあーんしてくれるのを待っている状態。どうやって食べさせたらいい?(1歳2ヶ月・ひなたママ)
A.まずは食に関心をもつ環境づくりをしてみては
口を開ければママ&パパが食べ物を入れてくれる。そのほうがラクというのもあるかも。このままでも、いずれ自分で食べるようになるので、心配は無用です。
もしもいま、お子さんの横に座って食べさせているなら、次回からはお子さんの正面に座ってみましょう。横からスプーンが出てくると中身がわかりにくいですが、正面から出されればよく見えるので、食に興味をもつきっかけになります。
親が子どもといっしょに食べることも大切です。外食や会食だと子どもの食が進むという経験があるかと思いますが、それは周囲に感化されて食欲が高まるからです。食事に興味をもたせる環境づくりを大切にしてみてください。
Q.食べ物で遊んでしまって口に入れません!
いつも食事の途中から遊び出してしまいます。食事時間の区切りのつけ方は?(1歳6ヶ月・キョンママ)
A.20~30分で切り上げてOK!小出しにする作戦も◎
おなかがいっぱいになったと感じるのは、胃に食べ物が入ってから20~30分後と言われています。遊んでいるなら、20~30分で食事を切り上げてもよいでしょう。
その後は「もっと食べたい」と泣かれても、絶対に出さないことが大切です。親が負けてもう一度出すと、「ふざけてもまた出してもらえる」と思うようになってしまいます。
遊び食べを防ぐには、一度に全量出すのではなく、まずは半量を出す作戦もあります。親が食べさせてもいいですし、おなかがすいていれば自分で食べるかもしれません。なくなったらおかわりがほしいか聞いて、残りを出します。こうすると食事への集中力を保ちやすいので、遊び食べが減る可能性があります。
Q.2歳のわが子。「まだ授乳してるの?」と言われてイラッ!
外出先で授乳したら、友人に指摘されてしまいました。やっぱりおかしいですか?(さーやママ)
A.「うちはうち」と自信をもってOKです
母乳をいつまで飲むかは、それぞれの親子が決めること。それまでは飲みたいだけ飲ませてあげればいいのです。
しかし、育児のことになると、過去の価値観にとらわれている人もいます。不運にもそんな人に出会ってしまったら、「他人のことが気になる人だな。多様性の時代にめずらしい」くらいに思っておきましょう。
そろそろおっぱいの卒業を考えているなら、誕生日など成長の節目をきっかけにすると、子どもにも理解しやすいですね。カレンダーにマルをつけるなどして、「お姉(兄)さんになる、この日にバイバイしようか」と、相談してみてください。
てぃ先生のお話をもっと読みたい方はこちら!
『Baby-mo(ベビモ)2022夏秋号』(6月15日発売)には、てぃ先生が初登場!赤ちゃんの「寝ない」「泣きやまない」etcに効くスゴ技などを巻頭総46ページでたっぷりお届けします。『Baby-mo』のためだけの特別保育、スタートです♪
撮影/曽根将樹(PEACE MONKEY) ヘア&メイク/加藤志穂(PEACE MONKEY) 構成/佐藤真紀