整理収納アドバイザーの山田明日美です。中1の女の子と小3の男の子、2児の母です。
もし「お子さんに発達障がいがあります」と言われたら、あなたはどう感じるでしょうか。私は子どもが発達障がいであると診断されてから今まで、さまざまな葛藤がありました。
5回にわたって、リアルな親の心境や当時の状況をつづります。3回目の今回お伝えするのは、療育施設の卒園を控え、「息子の預け先をどうするか問題」です。
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嘘でしょ!息子が「発達障がい」?私が悪いの?これからどうしたらいい!?
息子の就園をどうするか?
息子が通っていた療育施設は、年少児前までしか通えない施設。春以降は幼稚園か保育園へ入園することになります。
ただし、施設長の先生に言われていたのは「息子さんは普通の幼稚園や保育園では対応が難しい。加配枠での入園を勧めます」ということ。
加配枠とは、他の子と同じように園生活を送るのが難しい子どもをフォローするため、通常の職員数に加えて保育士さんや幼稚園教諭を余分に配置すること。子どもが集団生活に馴染めるように日常生活のサポートをしたり、他の子どもとの関わりを援助したりします。
施設長は、「息子さんは、いつもニコニコして“困った感”が伝わりにくいから、クラス担任1人の園だと、他のお子さんに埋もれてスルーされてしまう可能性があるので」ともおっしゃっていました。
確かに息子は、療育施設に通うようになって同年代の子と遊ぶ機会が増えたことで、モノの貸し借りができるようになったり、つたないながらも言葉も増えてきてはいました。
が、一方で、何か困ったことがあっても伝えることができずにいたり、手先の感覚が鈍いのか、感覚過敏なのか不明でしたが、いまだ細かい作業ができない、やろうとしない場面も多々あります。
この状況だと、フォローしてくれる先生がいないと、他の子と同じように園生活を送ることが難しいのは明らか。また、そうした先生のサポートがあるのとないのでは、3年間の成長に大きく差が出てしまいます。
実際、前年度まで施設に通っていた先輩ママさんから話を聞く機会があったのですが、療育フォローが必要な子を兄弟児枠で勉強系の幼稚園に入れたら、周りについていけず、先生からのフォローもなく、「園に合わないので退園してください」と言われた親御さんがいるとのこと。
また、最初から療育フォローが必要な子は入園お断りの園もあるそうで、園のウェブサイトだけではわからないことがたくさんあるようです。
いずれにしても、息子の場合は加配枠のある保育園であることが必須。私が住んでいる市の保育園の数ヶ所に加配枠があり、1学年に4名まで入れるということで、直接園に足を運んで見学もしました。
ただし、出産後は専業主婦をしてきたので、このままでは保育園に預けることはできません。「こうなったら働くしかないか…」と、私はぼんやり考え始めたのでした。
復職ではなく起業の道へ
とはいえ、どんな仕事をするかが悩みどころです。以前、私は看護師として働いていた経験があるので、臨床に復職することも考えました。
が、保育園の送迎のほか、新たな療育施設や言語療法に通わせたりする必要もあるので、それは無理。
息子の療育に合わせた働き方はないものか…と考えた時に浮かんだのが「個人事業主になる」ことでした。
実は息子が1歳半の頃、家の中にたくさんのいらないものがあふれ、使いたいものがどこにあるのかわからないという生活に嫌気がさし、私は「片付け」について学ぶようになりました。
整理収納アドバイザーの資格取得講座を受講しながら、家では夜な夜な一人で片付ける日々。家の中が少しずつきれいになることは、快適になっただけではなく、「自分にもできる」という自信にもつながりました。
とはいえ勉強を始めた当初は、あくまで自分の家を「片付ける」ことが目的で、それを職業にするつもりなど毛頭なかったのです。
しかし、息子を保育園に通わせるためには、仕事をしなければならない。そこで、浮かんだのが「片付け」でした。
すでに整理収納アドバイザーの資格は取得していましたが、保育園への入学願書を出す頃に、さらに学びを深めるため別協会の片付け資格も取得。「片付け講師」として起業することにしたのです。
何の実績もないただの一主婦が、子どもの療育のために講師業で起業するなんて、今思うと無謀ですよね。夫も当初は「はぁ?起業って???」といった様子で、反対するより心配していました。
が、「投資した分は1年で必ず回収するから!」と、手書きの事業計画表(苦笑)を見せて、勢いで納得してもらいました。
幸い、新たに資格取得をした協会が発行しているコンテンツを使えば、すぐにでも片付け講座が開催できるので、あとは開業届を出すだけ。起業のスタートとしてはさほど難しくなかったと思います(とはいえ、開業そのものよりも、集客することがどれだけ大変かを入園後に思い知るのですが、それはまた後程…)。