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2022.10.28

育児体験談・インタビュー

絶望の淵から希望へ…。発達がゆっくりな息子が教えてくれたこととは?【息子が発達障がいと診断されて #4】

整理収納アドバイザーの山田明日美です。中1の女の子と小3の男の子、2児の母です。

もし「お子さんに発達障がいがあります」といわれたら、あなたはどうしますか。私は、子どもが発達障がいであると診断されてから今まで、いろんな葛藤と出来事がありました。

5回にわたって、リアルな親の心境や当時の状況をつづります。4回目の今回は、サポートを受けながらの3年間の保育園生活についてお伝えします。

前の話⇒⇒⇒「普通」っていったい何?障がいを持っている子は普通じゃないの?【息子が発達障がいと診断されて#3】

不安いっぱいの中、保育園生活がスタート

8ヶ月通った療育施設を卒園し、年少児から加配枠(※)で保育園に入園した息子。

(※加配枠とは、保育園や幼稚園で通常の職員の配置基準に加えて保育士さんや幼稚園教諭を配置し、障がいを持つ子どもに対してフォローを行うこと。子どもが集団生活に馴染めるように日常生活のサポートをしたり、他の子どもとの関わりを援助したりします)

はじめの1週間は見知らぬ場所に戸惑って、登園時に泣きっぱなし。玄関口で先生に預け、クラスに連れて行かれる時も大泣きしていました。

そんな息子の姿を見ていると、私もつらい気持ちに。つられて涙してしまうこともありました。果たして息子は大丈夫なのか、他の子とうまくやっていけるのか…?不安と闘いながら、「頑張れ!」と祈るような気持ちで園生活がスタートしました。

が、そんな私の思いは、杞憂に終わります。最初は泣いていた息子もやがて慣れていき、登園を嫌がることはなくなっていきました。保育参観や誕生日会などを見学した際には、裸足で走り回り、砂山を作ったり、友達と追いかけっこをしたり…。園生活を大いに楽しんでいる姿を見ることができました。

自分の意思をうまく言葉にできない息子に対しては、「〇〇くん(息子)は、こういうことが言いたいんじゃない?」「いや、これじゃない?」と聞いてくれるお友達がいて、自然と助けてくれるような場面も。子どもたちの中では定型発達(発達障がいではない人)も加配枠も全く関係なく、集団生活がそのまま療育なのだと実感しました。

とはいえ、こんなふうに息子が自然となじむことができたのは、やはり保育園側のフォローがとても手厚かったからだと思います。クラス担任の先生と加配担当の先生は毎日、「今日はこんなことがあった」「今日はこんなことで泣いていました」など、息子の様子を事細かに話してくださいました。

小さな連絡帳にていねいな文字でいっぱい様子を書いてくださり、年数回の個人面談でもいろいろ相談することができて…。親にとっては本当に心強かったです。

息子の姿から感じたこと

秋には、保育園で初めての運動会がありました。園に通い始めた頃は、緊張し、頑なに「やだ~」といって触りもしなかった道具を、息子はすっかり使いこなすようになっていました。しかも、跳び箱からジャンプをしながら、空に向かって笑顔でピースまでしていたのです。
▲運動会での様子

1年前、息子が発達障がいだと診断された当初の私は絶望し、何が悪かったのか、どうすればよかったのかと自分を責め続けていました。「この子からお母さんと呼ばれる日が来るのだろうか」と力なく思っていました。

でも、親にできることは、待つこと。時間はかかっても、人の手を多く借りることになっても、きっとできるようになると、誰よりも信じること。

発達がゆっくりな息子がそう教えてくれた気がして、私は息子の雄姿を見ながら、帽子の下で嗚咽していました。「ありがとう…ありがとう」と繰り返しながら。

できないことにやきもきしたり、失敗しないようにと先回りして手を貸したりするのではなく、ただ見守って一緒に歩いていけばいい。そう思えた運動会でした。

小学校入学に向けて色々な準備が始まる

そんなふうにたくさんのお友達と先生方にお世話になりながら、息子はあっという間に年長児に。翌年の小学校入学に向けて、保育園の後に週1時間ひらがななどの個別学習を受けたり、月に2回の言語療法を受けたり、入学予定の小学校の見学にも行くなど、1年をかけて着々と準備をしていきました。

その中で悩んだのが、入学後、「通級」に入れるのか、「支援級」に入れるのかということ。

●通級(通級指導教室)
→比較的障がいの軽い子どもが、通常の学級に在籍しながら、その子の特性に合った指導を受けるため、特別に設置した教室に週に何時間か通うもの。

●支援級(特別支援学級)
→障がいのある子ども用に、特別に設置した少人数の学級のこと。

このどちらを選ぶかは、学校ではなく親が決めることになります。通級の場合は、子ども本人に必要な学習・生活支援を少人数で受けられるメリットがあるものの、毎週決まった時間にクラスを離れることで周囲の目が気になり、通級に通うことがストレスになることもあるようです。

一方の支援級は、生徒の人数が少ないのできめ細かなサポートが期待できますが、通常学級の子ども達との交流が少ないのがデメリットです。

どちらにすべきか、ちょうど迷っていた頃に、発達検査がありました。息子は、この3年ですごく伸びたのは誰の目にも明らか。検査で次々に投げかけられる質問にも、ぽろぽろと涙を流しながらも、何とか最後まで検査を受けることはできました。

ただし結果は、知的発達と密接に関わりのある「図形の模写能力」が低く、年齢平均より下の数値とのこと。実際には変わらないものがあることも、事実として突き付けられましたが、悩んだ末、通級での入学をお願いすることにしました。

通常学級の子ども達と日々コミュニケーションしていくことは、保育園と同じようにクラスメイトがお手本になり、良い刺激になるのではないかと思ったからです。入学後、慣れてくる6月から週1回1時間の通級を始めることにしました。

お世話になった保育園とのお別れ

さて、いよいよ保育園生活も終了。卒園式を迎えます。笑顔の子、緊張している子の中で、息子はただ1人泣いていました。

息子にとってこの3年はどうだっただろうかと思いをはせると、私も涙が止まりませんでした。横を向いたら、夫も真っ赤な顔をして泣いていました。振り返れば、夫婦で実にいろいろなことを話したなと思います。

実はこの年の園長は、入園前にお世話になった療育先の施設長をされていた方。私が一番つらかった時期にあれこれ相談させていただいた恩人で、加配枠での保育園入園を進めてくれたのもこの先生でした。

それだけに、最後の挨拶に伺ったとき、「ママ、本当によく頑張ったね」とハグされて涙腺が決壊。ずっと見てくださっていたことが有難くて子どものように泣く私に「ママ、泣きすぎだから!」と先生は笑って送り出してくれました。

うちの子は「普通」じゃないんだ。でも「普通」ってなんなんだろう?と思いながら、私の中の今までの価値観が緩やかに変わった3年間でした。

では、小学校に入学してどうだったのか、息子の今は?この続きは次回にお伝えします。

次の話⇒⇒⇒生まれてきてくれてありがとう。変わらない思いとこれからの”宿題【息子が発達障がいと診断されて #5】

文/山田明日美

<整理収納アドバイザー。女の子と男の子の2児の母。自身の体験をもとに子育てや片付けに関するアイデアを中心に執筆中。>

Baby-mo〈ベビモ〉編集部

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