出産で何がこわいって、「鼻からスイカ!」「トラックで腰を踏みつけられる感じ!」などと表現される「壮絶な痛み」ではないでしょうか。ベテラン産婦人科医 天神尚子先生に、痛みと恐怖の乗り越え方を教えてもらいました。
〈お悩み〉献血の痛みで倒れたことが。痛みに弱すぎるので出産が心配です
編集部(以下編):献血の注射で倒れたなんて、本当に痛みに弱いお方。お産はさぞ心配ですよね。
天神(以下天):献血の針って太いし、いきなりブスッて刺すからけっこう痛いのよ~。でも、お産は大丈夫よ!
編:どうしてですか?献血より痛くないはずは、ないですよね!?
天:お産はいきなり痛みがMAXになるわけじゃないでしょ?生理痛のような陣痛が10分間隔で始まって、そこから徐々に痛みが強くなっていって、本当に痛いのは中盤から子宮口全開のとき。段階を踏んで痛くなっていくから、ショックで倒れちゃうなんてことはないのよ。
編:なるほど。初めは生理痛のちょっと痛い版からですよね、陣痛って。でもやっぱり、一番痛いときに耐えられるか不安です。痛みに弱いのでなおさら・・・。
天:多くの妊婦さんは「痛みに耐えられるか心配」っていうんだけど、ウン十年お産をみてきて、痛みに耐えられないという理由で途中で帝王切開になったのはたった1人だけよ。他のトラブルで帝王切開になった人はいるけれど。
編:99%以上の人は、痛みに耐えられるってことですね。でも、しつこいようですけど、陣痛は未知の痛さなんで・・・。こわいです。
天:そういう人はね、母親学級や両親学級に参加して、お産の流れをしっかりと頭に入れておくといいわ。「今、赤ちゃんが下りてきているからココが痛いんだな」とか、「痛みの間隔が短くなってきたからもうすぐ会えるんだな」って理由がわかれば、パニックにもならないでしょう?
編:たしかに。ただ「痛いんだろうな」っておびえるより、少しずつ痛みが強くなってくることと、痛みの理由がわかると落ち着いていられる気がします。あーでも、やっぱりスパッと覚悟は決まらないものかも。こわいですよね~。
天:あまりにも自信がないときは、無痛分娩を選択するという手もあるし、普通分娩でも、産院によっては分娩の途中でも希望すれば麻酔を入れてくれるところもあるわ。バースプランを話すときに相談してみるといいわよ。
編:心強い情報をありがとうございます!
天:とにかく、お産は備えあれば憂いなしなの。妊娠中にお産の流れをしっかりと頭に入れておくこと!産院の母親学級や両親学級ではそういう知識をしっかり教えてくれるから、ぜひ参加してくださいね。
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「ほら見てみて」って言われて下見たら、もう出てるーーーー!!!【私の出産体験記】