陣痛はおなかの赤ちゃんを押し出すために、子宮が収縮して起こる痛み。子宮口が開き、お産が進むごとに陣痛は強く、継続時間も長くなっていきます。ただ、中には陣痛が弱く、なかなかお産が進まないケースも。
この記事では、そんな時に自分自身でできることのほか、医療的な処置について解説します。
「微弱陣痛」になったら体力回復&体を動かして
強い陣痛がどんどんやってくるのも大変ですが、実は体力を消耗するのは、お産が長引いた場合。「微弱陣痛」といって、子宮収縮が弱まり、子宮口もなかなか開かない状態です。
微弱とはいっても、子宮口が開くのに有効な強さがないというだけで、決して痛みがないわけではありません。陣痛を再び強くしてゴールに向かうには、まず体力。エネルギーを補給し、体を休ませて、体力を回復させることが大切です。
そして赤ちゃんがスムーズに下がってくるためには、ベッドの上でじっとしているよりも動いたほうがベター。横になっているよりも、気が紛れます。
また、気持ちの面から陣痛が強くならないことも。「いい陣痛がくれば赤ちゃんに会える!」と、ポジティブにとらえるようにしましょう。気持ちが陣痛に対して前向きになった時に、お産がぐっと進むこともあります。
陣痛を促すために…こんなことにトライ!
陣痛が弱くなってしまった時、自分自身でもできることはいろいろあります。お産を進めるためにぜひトライしてみて。
1 立つ・歩く
重力で赤ちゃんがおりてくるように、体を起こすことが大事。病院の廊下を歩いたり、しっかり手すりをつかんで階段を上り下りしたり、腰を回すのも有効。
2 しゃがむ
ゆっくりと立ったりしゃがんだりを繰り返すスクワットは、赤ちゃんがおりてきやすく、良い陣痛を呼び込みます。何かにつかまってトライを。両足を開くことで股関節が開きやすくなる効果も。
3 エネルギー補給
水分補給とともに、ゼリー飲料やバナナ、おにぎり、ヨーグルトなど消化が良く、のどごしのいいものを食べてエネルギーを補給して。食欲がなければ一口だけでもOKです。
4 体をあたためる
体をあたためると血行がよくなり、体のこわばりがほぐれてリラックスしてお産が進みます。特に足を冷やすと体全体の冷えにつながるので、ソックスをはく、足浴をするなどしてあたためて。
5 眠る
寝ることは体力回復の近道。数分ずつのこま切れ睡眠でも体力は回復していきます。ウトウトしたら、そのまま眠ってしまってOKです。
陣痛促進剤を使ってお産を進めることも
体力や気持ちの問題だけではなく、お産が進まないケースもあります。初産で30時間、経産婦で15時間以上かかるようなケースを「遷延(せんえん)分娩」といい、こうした場合は陣痛促進剤を使う場合も。
陣痛促進剤を使う時には、必ず分娩監視装置で子宮収縮の様子と胎児の元気さを観察しながら、点滴の量も非常にこまかくコントロールして陣痛促進します。安心して受けられる措置ですが、医師は必ずなぜ陣痛促進をするのか説明しますから、それをしっかり聞いて、必要性をよく理解して受けるようにしましょう。
遷延分娩になると、人工的に破水を起こすこともあります。また、ママの体力が落ちて酸素が赤ちゃんに届かなくなったり、破水後時間が経った場合には感染症を起こしやすいなど危険性があるために、最終的に帝王切開になることも。
先輩ママの「微弱陣痛だったお産」体験談
3日がかりのお産。陣痛が遠のいていくのを経験!
子宮口3cm開大で入院。その後も陣痛間隔は7~10分と短くならず、その状態が延々と続きました。入院から20時間後には破水もしたのに、陣痛は遠のいてしまい、なかなか進まず…。最終的には陣痛促進剤を使い、陣痛スタートから3日がかりで出産!切迫早産で薬も飲んでいたのに予想外でした。(M・Sさん)
陣痛がきたものの、いったん帰宅。22時間の陣痛でした
お産直前の体調はとてもよく、家事に散歩にと元気に過ごしました。陣痛が始まって一度病院に行ったものの、陣痛が弱く子宮口も開いてこなかったので、いったん帰宅。陣痛が5分間隔になって再入院したら子宮口は4cm、その後も進み方は遅かったけど、陣痛スタートから約22時間で無事出産しました。長かった~!(M・Aさん)
眠っていたら陣痛が遠のいて、助産師さんに起こされた!
陣痛スタートが明け方3時で、寝不足のまま入院。子宮口が5~6mくらいのころ、陣痛も弱くなり、5分間隔だったのが6~7分間隔に遠のき、間欠期には吸い込まれるようにウトウト…。助産師さんに「どんどん遠のくから起きて!」と言われ、おにぎりを一つ食べさせられたら、そのあとは進みました。(K・Sさん)
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