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2022.12.17

SDGs

親になって再認識!〈子どもへの性教育〉の大切さとは?|性教育YouTuberシオリーヌさんインタビュー#1

助産師としての立場から、性の話をわかりやすく発信している“性教育YouTuber”のシオリーヌさん。なんと、YouTubeのチャンネル登録数は17万人以上!また、小さな子どもやその親世代に向け、書籍発行や講演活動などにも精力的です。

そんなシオリーヌさんに、性教育やジェンダーについてお聞きする企画がスタート。第1回目の今回は〈シオリーヌってどんな人?〉。性教育を発信するようになったきっかけや、自身が母親になって感じていることを伺いました。

子どもが好き!教師になるのが夢だった高校時代

昔から子どもが大好きで、高校時代は教師になりたかったんです。だから大学は教育学部に進学したかったのですが、父親から反対され、教師への道は諦めざるを得ませんでした。

教育学部を諦めたそんな高校3年の夏、尊敬する先生から借りた書籍を読んで、産婦人科の仕事について初めて具体的に知りました。

興味を持って調べていくうちに、「産婦人科で働きたい!新しい命が誕生する場所でいろんな家族を見てみたい」という思いが芽生え、そのために“助産師”という仕事に就こうと決心しました。

その後、受験を経て、無事に県立大学の看護科に入学。

ちなみに、大学時代も教師への憧れは消えず、その気持ちからか、塾講師のアルバイトを大学卒業までの4年間続けました。そして、「やっぱり自分は人に何かを教える仕事が好き」だと感じました。

助産師になって“性教育”に興味を持ち始めた

大学卒業後は念願通り、助産師の道へ。総合病院で3年ほど働きました。

当時、たくさんのお母さんたちとお話しする機会がありましたが、「避妊のことを人に習ったのは初めてです」「不妊治療と高齢出産がこんなにも大変だったとは…。もっと若いときに知っていれば」などという言葉を頻繁に聞きました。

助産師がもっと早い段階で皆さんと体や妊娠、性のことをお話しできるチャンスがあったらいいのに、と強く思うようになりました。

できることなら、第二次性徴前の子どもに正しい情報をお伝えして、それをその後の人生に活かしてほしい、ライフプランを立てるときの参考にしてほしいとも。

でも、実際に子どもたちに会う機会は皆無。そこでたどり着いたのが、「じゃあ、自分から会いに行こう!」という考えでした。自ら子どもたちに“会いに行って”性教育を伝えようと。

そう決心してからは案の定、ガンガン突き進むタイプの私は行動が早かったですね。

民間の思春期保健相談師の資格を取得して、助産師会の性教育を提供しているグループに入れてもらいイベントで講演をしたりし、さまざまな学校に出向いて出前授業も行わせていただいたりしました。

ただ、私が出前授業で担当できる時間は60分〜長くても90分程度なので、限られた時間の中では性教育の必要な情報はなかなか伝えきれなくて。

出前授業で生徒たちに「質問はある?」と聞いても、その場で挙手をしてくれる子はなかなかいないのが現実。でも、個別で話してみると、性教育についてもっと深く知りたいという意欲を持ってくれている生徒もいました。

子どもたちが手を挙げられないのは、子どもたちが性教育のことを話しづらい環境に問題があるのだと思います。

そこで、YouTubeという手段を選ぶことにしました。YouTubeなら子どもたちに気軽に観てもらえるし、知りたいことを深堀してもらえると思ったんです。

“助産師”としてできることを確信! 

その後、総合病院を退職し、精神科病院に転職しました。

私自身も家庭環境に悩んだり、高校時代は毎日のように渋谷のセンター街で遊び呆けていたりした思春期を過ごした経験があるので、世の中にはさまざまな事情がある子どもたちがいることは知っていました。

そんな思春期の子どもたちの心のケアを学びたかったのと、安心して頼ってもらえる大人になるための姿勢を身につけたいと思ったことが理由です。YouTubeを始めたのはこの頃でした。

私が配属された思春期病棟は女子専門でしたが、本当にいろいろな子がいました。発達障害やうつ病、自傷行為がやめられない、不登校、摂食障害、性被害を受けた、家庭での問題行動など。

そこで、かつては産婦人科で助産師として働いていたという話しをしたら、こっそり相談してくれる子が現れたんです。それこそ、性や妊娠に関する相談内容が多かったですね。

そのとき、「助産師だからこそ、できることがあるんだ!」という思いが確かなものになっていきました。そして、精神科での性教育プログラムを始めました。

性教育プログラムは私が立ち上げをお願いしました。入職半年の新人に柔軟にチャレンジさせてくれた環境に感謝しています。

そこで2年半ほど働き、その後、本格的に性教育発信をするように。そして、“性教育YouTuber”という肩書きのもと、現在のYouTube配信スタイルになっていきました。

“性教育”は子どもを守るための手立て

そんな私も今年、一児の母親になりました。まだ4ヶ月の赤ちゃんですが、「子どもの体も人生も全て、子どものもの。私たち親のものではない」と日々感じています。

親は子どもが可愛いからこそ、悲しい経験をしてほしくない、傷ついてほしくないという思いで、いろいろな制限をかけたり、口出ししたくなってしまう場面も。

でも、最終的にどうするかを決断するのは子ども自身であることを、私たち親は忘れてはいけないと思います。

親がすべきは、子どもにさまざまな選択肢や、これを選ぶとこうなるというリスクを伝えることだと考えています。性教育がまさにそれに該当すると思っていて。

親が子どもに性教育をすることで、子ども自身が自分の体や心を守れるようになりますから。ひいては、自分だけではなく、大切な人の体や心も。

そう考えたら、“性教育”は子どもを守るための手立てで、親が子どもに与えられる愛情の形のひとつなんじゃないかな、と思います。
〈PROFILE〉
シオリーヌ大貫詩織。助産師兼性教育YouTuber。1991年、神奈川県生まれ。神奈川県立保健福祉大学看護学科卒業。総合病院産婦人科、精神科児童思春期病棟にて勤務ののち、現在は学校での性教育に関する講演や性の知識を学べるイベントの講師を務める。著書に『CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識』(イースト・プレス)『こどもジェンダー』(ワニブックス)、『やらねばならぬと思いつつ〜超初級 性教育サポートBOOK〜』(ハガツサ ブックス)。新著は『産んでくれなんて頼んでないし』(イースト・プレス)、『食べるの怖いな』(ハガツサ ブックス)。
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記事を読む⇒⇒⇒〈40歳、4人目妊娠しました〉こんな機会は滅多にないかも・・・おうち性教育の始めどき!【第6話】
記事を読む⇒⇒⇒「赤ちゃんはどうやってできるの?」と聞かれたらどう答える?子どもの性教育を考えよう

取材・文/濱田恵理 ※記事の内容は2022年11月時点のものです

Baby-mo〈ベビモ〉編集部

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