妊娠中に起きやすいさまざまなトラブル。今回は「おりもの」についてのお話です。腟炎などのトラブルがある場合は、おりものの様子がサインになることも。何事も早期発見&治療が大事!ということで、妊娠中のおりものについての気になることを、産婦人科医の天神尚子先生に聞きました。
おりものの色や形状からわかるSOSサイン
妊娠中もおりものは出ますが、茶色の場合は出血の疑いがあったり、ふだんと異なる色・形状だったら感染症による腟炎などの可能性も。いずれにせよ、ほうっておくと流産の可能性や早産につながるおそれがあります。
記事を読む⇒⇒⇒
知っておきたい「切迫流産」と「流産」のこと。症状や原因を産婦人科医が解説!記事を読む⇒⇒⇒
早産を予防するためにできることは?早産で生まれた赤ちゃんはどうなる?【早産・切迫早産】の疑問に産婦人科医がお答え
カッテージチーズのようなポロポロした白いおりもの【カンジダ腟炎】
このようなおりものが見られるときはカンジダ腟炎の可能性が高いでしょう。これは妊娠中、最も多い腟の感染症で、外陰部にひどいかゆみが伴い、赤くなってやけるような感じが主な症状です。体の抵抗力が落ちたときに症状が出やすい病気で、おりものに悪臭はありません。
黄色や緑色のおりもの【トリコモナス腟炎】【淋病】
【トリコモナス腟炎】トリコモナスの原虫の感染によって発症し、いやなにおいがある黄緑色で泡状のおりものが出ます。性器に赤い炎症や強いかゆみを感じ、ほうっておくと流・早産の原因になることも。治療すれば2週間程度で治るので、早めに受診を。
【淋病】自覚症状はあまりなく、おりものの増加や、黄色いうみのようなおりものが出て、発見につながる場合があります。流・早産のほか、産道から赤ちゃんに感染し、結膜炎を起こすこともあるので注意が必要。
粘液状のドロッとした白いおりもの【クラミジア感染症】
最もポピュラーな性感染症で、自覚症状はあまりなく、漿(しょう)液状のおりものが増加します。不正出血を伴うこともあります。放置すると流・早産を起こしたり、出産時に産道で赤ちゃんが感染して、肺炎や結膜炎などを起こす場合が。健診の際に検査をするはずですが、妊娠中に病気に気づいたら早めに受診しましょう。
茶色のおりもの【不正出血の疑い】
茶色のおりものがあるときは、不正出血を起こす病気の可能性があります。どの病気か自己判断することはできないので、診療時間内に一度受診し、出血したときのおりものの状態を医師に詳しく伝えましょう。
おりものが変化したかも?と思ったら受診を
色が茶色いおりものは血が混ざった状態なので、一度受診を。妊娠に影響のしやすい腟炎や性感染症は、おりものの色や形状、においで発見できることが多いので、「おかしいな…」と思ったら、次の健診を待たずに早めに受診しましょう。
_______
記事を読む⇒⇒⇒
【産婦人科医監修】自分は大丈夫と侮るのは危険です。知っておくと安心な〈妊娠中の14のトラブル〉をチェック!記事を読む⇒⇒⇒
妊娠中のお腹の張りと痛み、出血の原因って?対処法も解説【産婦人科医監修】