めんどくさいなんて思わない。私をそう決意させた愛犬のある事実｜元保護犬ジジのつれづれ日記#6

お散歩も苦手、おもちゃでも遊べない。そんなジジですが（詳しくは前の話）、唯一の人生（いや犬生）こだわりポイントがあります。それは、ご飯に全集中だということ。

実は、保護犬カフェから「この子はこれしか食べません」というフードを教えてもらい、購入したのですが、わが家に来てからそのフードを食べなくなったのです。

「え？なんで？」と少しショックでした。でも食べてくれないのは本当に困るので、いろんなフードを試してみたのですが、少しつまんでは残す。ということを繰り返していました。

でも、食事の支度がはじまると鼻を最大限に活用し、匂いを嗅ぎまくり、家族がご飯を食べ出すとソワソワ。食卓の下へ来て、子どもたちが食べものを落とすのを待っているのです。

落としたご飯を、普段は絶対に見せないダッシュで食らいつくジジ。

子どもたちがこぼしたお味噌汁に全力でダイブするジジ。

味の濃いものは犬にはご法度なので、必死で取り返そうとすると、「ギャン！」と鳴いて大抗議するジジ。

犬には与えてはいけないものもあるので、そこは細心の注意を払いながらのわが家の夕食。

そう、ジジは食べ物に執着があったのです。きっと、ケージの中での毎日は、食べることしか楽しみがなかったのでしょうね。

食べる楽しみを奪いたくなくて

人間の食べるものが欲しくて、ドッグフードを食べないジジ。これはもう手作りご飯しかないな…。

実は実家で飼っていた犬が（この子も飼い手がいなくなった子なので、ある意味保護犬ですね）ずっと手作りご飯だったので、手作りご飯は経験済み。

タンパク質を中心に、野菜をたっぷり入れてのご飯作りは、ある意味離乳食を思わせます。

一つの食材ばかりを食べさせてしまうと、アレルギーを引き起こすこともあるようなので、鶏肉・豚肉・鹿肉・羊肉・魚・豆腐を中心に色々と野菜を組み合わせて炊くだけの簡単ご飯。

このご飯が、とにかく大ヒットだったジジ。

「ご飯やで！」の言葉にちぎれんばかりに振られる尻尾。

朝夕のご飯を心待ちにし、自分のご飯茶碗の音がするといてもたってもいられず、小走りしてご飯台に向かうジジが、もう可愛くて愛おしくて。

お散歩も苦手だし、おもちゃで遊ぶこともできないし、ほかの犬は怖くて仕方ないジジだけど、ご飯を食べるときの眼はそれはそれはキラキラしています。

食べることは生きること

実はジジ、お迎えした当初お散歩ができなかったのには理由がありました。もちろんひとつはお外が怖いこと。

それともうひとつが、狭いケージに閉じ込められていたため、足の筋力が弱く、長時間歩くことができなかったのです。

けれど、タンパク質中心のご飯をはじめた頃から、徐々に歩く距離が長くなりました。もちろん、お散歩の練習をしたのも効果があったのでしょうが、私にはどうも食べることが関係しているように思えてなりません。

生きとし生けるものは全て、いつか亡くなります。3匹の犬を見送った経験から「食べる」ということがいかに命に直結しているかを実感して来ました。

最期を迎える数日前はみんな、食べることを拒否するのです。

きっと、食べることって生きることに直結しているのでしょうね。目をキラキラさせて、ご飯を待っているジジの心を思うと、めんどくさいかな？と思っていた手作りご飯を作ることも、全然へっちゃら。

ジジの人生（いや犬生）の楽しみを、一緒に見つけられたことは、私たち家族にとっても幸せなことでした。

ご飯に全てをかけているジジ、外に出たこともなかったのに、なんと初めての旅行に出かけます。しかも行き先は夏の五島列島！さて、どうなることやら…。
＿＿＿＿＿＿＿
次回は12月19日（月）更新予定です

<<<前のお話 おもちゃやボールにも無反応。遊び方を知らずに育ったジジが唯一興味を示したのは…？｜元保護犬ジジのつれづれ日記#5

最初から読む>>>「犬が欲しい！」「買いにいかへんで」わが家が保護犬をお迎えするに至った話｜元保護犬ジジのつれづれ日記#1