子どもは圧倒的に「鉄」が不足している！鉄を効率よく摂取できる「4つの食材」とは？

成長期に欠かせない栄養素のひとつである「鉄」。ところが鉄は吸収率が低く、食事からとってもすぐに消費されてしまうため、毎日コツコツとり続けなければ「貧血」の原因になってしまうといいます。

効率よく鉄をとるためには、食材選びも重要。細川モモさんが監修する書籍『成功する子は食べ物が9割 最強レシピ』から詳しくご紹介します。

1週間に1回の焼き肉ではダメ！

「うちの子、鉄が足りないかも」と思ったら、今からでも遅くないので、鉄を「毎日」食卓へ。

子どもの鉄は成長に消費されるだけでなく、汗や尿からも、体外へ出ていきます。「週末に焼き肉を食べたから大丈夫」という人もいるのですが、鉄はとる→出る→とる→出ると消費が速いので、毎日、コンスタントにとらないと供給が追いつきません。

鉄には、植物性の非ヘム鉄（青菜・海藻・大豆製品など）と、動物性のヘム鉄（赤身の肉・魚など）がありますが、ヘム鉄は非ヘム鉄より約5倍も吸収率が高いうえ、血液をつくるために必要なたんぱく質と、造血作用のあるビタミンB12も同時にとれます。

成長期には、鉄の含有量・吸収率ともに優秀な食材（赤身魚の刺し身、牛こまぎれ肉、豚赤身肉、あさり）で、鉄をガツンと供給しましょう。そして、高野豆腐や、ほうれんそう、小松菜、のり、ごまなども常備して、鉄をさらにプラス。コツコツと鉄貯金を、毎日続けることの効果は大きいです。

女性は慢性的に鉄を不足させやすい

体内の鉄は、血液中の「ヘモグロビン」と、肝臓にストックされる「貯蔵鉄（フェリチン）」という、異なる形で存在します。

貧血かどうかはヘモグロビンの値で判断されますが、私たちの体はヘモグロビンが減ると、「貯蔵鉄（フェリチン）」から補う仕組みになっています。フェリチンは「銀行口座」、ヘモグロビンは「お財布の紙幣」にたとえられますね。

貯蔵鉄が枯渇すると、ヘモグロビンは正常値でも、貧血の症状が出る「隠れ貧血」の可能性が高いので、フェリチン不足をまねかないためにもコツコツ貯金は大切です。

月経が正常にあるお母さんと思春期の女の子は、「常に鉄が足りない」と自覚してください。鉄は総合スタミナ剤ですから、男性より女性のほうが疲れやすく、メンタルの浮き沈みがあるのは、鉄を貯蔵できないことも一因なのです。

実際に貧血のお母さんは体力がなく、子育て満足度や幸福度が下がってしまうことがわかっています。お母さんの鉄補充もマストです！

おすすめ食材で作る「鉄強化アップ」レシピ

赤身魚の刺し身で「まぐろのまぜまぜ丼」

〈材料〉大人2人分＋子ども2人分
まぐろ刺し身（ぶつ切り）･･･250g
きゅうり･･･2本
オクラ･･･1袋
あたたかいごはん･･･700g（2合分）
しょうゆ･･･大さじ1
ごま油･･･大さじ1/2
のり（全形）･･･1/2枚

〈作り方〉
1 きゅうりは縦に4等分し、5mm厚さに切る。オクラは塩ゆでし、5mm厚さに切る。まぐろは1cm角に切る。
2 器にごはんを盛り、①をのせる。しょうゆ、ごま油をかけ、のりをちぎって散らす。混ぜながら食べる。

POINT
まぐろは、赤身のほうが鉄・たんぱく質が豊富（トロはDHAやビタミン類が多い）。ごま油やのりの風味をプラスし、しょうゆを控えることで塩分をカット。

牛こまぎれ肉で「フライパン肉豆腐」

〈材料〉大人2人分＋子ども2人分
牛こまぎれ肉･･･200g
木綿豆腐･･･1丁（300g）
キャベツ･･･1/6個（200g）
ねぎ･･･1本

A
しょうゆ･･･大さじ3
酒、砂糖･･･各大さじ2
おろししょうが･･･少々
水･･･1/4カップ

〈作り方〉
1 キャベツはざく切りにする。ねぎは斜め薄切りにする。牛肉は大きければ一口大に切る。
2 フライパンにAを入れ、混ぜて砂糖を溶かす。中心に豆腐をおき、周りに野菜、牛肉、野菜の順に重ねる（肉をはさんで蒸し煮にすることでしっとりする）。
3 中火にかけ、煮立ったらふたをして少し火を弱め、5分煮る。

POINT
野菜を入れることで、彩りも栄養バランスもよい肉豆腐に！しいたけ、えのきだけ、白菜なども合います。豆腐からは、大豆の良質なたんぱく質も補えます。

豚赤身肉で「かぼちゃと高野豆腐と豚肉の煮物」

〈材料〉大人2人分＋子ども2人分
豚もも薄切り肉･･･250ｇ
かぼちゃ･･･350ｇ
高野豆腐（煮汁でもどす角切りタイプ）･･･12個

A
しょうゆ、酒、砂糖･･･各大さじ1.5
水･･･1.5カップ

〈作り方〉
1 かぼちゃはラップで包んで電子レンジ（600W）に皮を下にして入れ、4～5分加熱し、小さめの一口大に切る。豚肉は一口大に切る。
2 直径22㎝くらいのフライパン（または鍋）にA、かぼちゃ、高野豆腐を入れ、上に豚肉を重ならないように並べる。中火にかけて煮立ったら、全体にキッチンペーパーをのせてふたをし、少し火を弱めてコトコトと3～4分煮る。
3 そのまま少しおいて味を含ませ、器に盛り、残った煮汁を煮詰めて豚肉にかける。

POINT
かぼちゃは強い抗酸化作用で免疫力アップに貢献。高野豆腐は非ヘム鉄ながら、鉄をがっつりとれる数少ない食材。豚肉とこれらを合わせれば、最強！

あさりで「欲ばりボンゴレ」

〈材料〉大人2人分＋子ども2人分
あさり（殻つき）･･･200ｇ
スパゲッティ･･･320ｇ
トマト･･･1個
玉ねぎ･･･1/2個
パプリカ（黄）･･･1個
おろしにんにく･･･少々
オリーブ油･･･大さじ1
塩、こしょう･･･各適量

〈作り方〉
作り方
1 あさりは海水くらいの塩水に30分以上ひたし、砂出しをする。
2 スパゲッティは塩を加えたたっぷりの湯で、表示時間より1分短めにゆでる（ゆで汁はとっておく）。
3 トマトはざく切りに、玉ねぎ、パプリカは千切りにする。
4 フライパンにオリーブ油、にんにく、玉ねぎを入れ、中火にかけていため、パプリカを加えてしんなり
するまでいためる。
5 トマトとあさりを加え、ふたをして、あさりの口があいたらスパゲッティを合わせる。ゆで汁とこしょうで味をととのえる。

POINT
色が濃く、ビタミン豊富なトマト＆パプリカは、活性酸素を除去する抗酸化成分が多い！ビタミンＣは鉄の吸収率を高め、皮膚や骨を強くする働きも。

子どもに必要な栄養がたっぷり！『成功する子は食べ物が9割 最強レシピ』

『成功する子は食べ物が9割 最強レシピ』1,430円（主婦の友社）

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