赤ちゃんのおへそまわり。へその緒が取れた後も、まだ黒いかたまりがついている…。これは取った方がいいの?どうやって取ればいいの? そんなお母さんたちのギモンにお答えします!
おへその黒いかたまりは何?
生後間もない赤ちゃんは、お母さんとつながっていた「へその緒」がまだ残っています。
生後数日~数週間でへその緒は自然にとれますが、へその緒が取れたあとも新生児期の赤ちゃんのおへそはジクジクして出血しやすいもの。
きれいに乾くまでの1カ月くらいは、毎日消毒してあげましょう。
へその緒が取れた後も黒いかたまりが残るのは、「かさぶた」や「ゴミ」、「ホコリ」などが原因と考えられています。
徐々に乾いてきれいになっていきますので、お風呂上がりなどに毎日ケアをしてあげましょう。
生後4日目、入院中の赤ちゃんのおへそ。へその緒がまだ残っています。
へその緒が取れた後のおへそ(生後7日目)。まだあとが黒く残っていますが、これから徐々に乾いてきれいになっていきます。
いつからいつまで「おへその掃除」は必要?
生まれてから1カ月くらいまでのおへそは、まだ傷あとが残っています。バイ菌に感染しないよう、お風呂上がりには消毒を。きれいに乾いてからは、お風呂上がりに綿棒で軽く水分をふき取ってあげて。
用意するもの
綿棒、消毒液
おへそ掃除をするタイミング
お風呂上がり
おへそ掃除の方法
1 まず、お母さんの手(きき手と反対の手)で赤ちゃんの足のつけ根に置いて軽く押さえ、赤ちゃんが動かないように固定します。
2 利き手のほうも、赤ちゃんのもう片方の足のつけ根に置き、固定します。
3 きき手と反対の手でおへをそ上下に開き、消毒液を含ませた綿棒で見えている部分だけ汚れを取ります。
お風呂上がりならオイルは必要ありません!
オイルは基本的に汚れを落とす目的で使うものではありません。鼻や耳、おへその穴が乾燥して綿棒が入りにくいときに、潤滑油の代わりとして使います。そのためお風呂上がりの湿った状態のおへそなら、綿棒で軽く掃除してあげるだけで十分。
オイルを使うことがかえって汚れの原因になりますので、使った場合はきれいにふき取ってくださいね。
こんなときはどうしたらいい? Q&A
Q.へその緒が取れたあとが少し黒くなっています。これもきちんと取るべき?(T・Nさん&Rちゃん・生後8カ月)
A.腫れや痛みがないのなら問題ありません。自然に取れるのを待ちましょう
これはきっとおへその傷あとが治る過程のかさぶたのようなものだと思います。黒くなっている部分の下には、きれいな皮膚ができているところでしょう。お風呂上がりに綿棒で軽くこすってみてもいいですし、そのまま自然に取れるのを待ってもよいでしょう。
Q.お風呂上がりにベビーパウダーをはたいていたらおへそのまわりに黒ずみが。大丈夫でしょうか。(S・Kさん&Sくん・生後7カ月)
A.汚れの原因で多いのが入浴剤、ベビーパウダー、オイル。黒ずむなら使用は控えましょう赤ちゃんのおへその汚れの原因は入浴剤やベビーパウダー、オイルがほとんど。使うならお風呂上がりの清潔なお肌に限ります。オイルを使ってお手入れをしたら、最後はきれいにふき取る習慣を。基本的には使わなくてもいいものなので、汚れが気になるなら使用を控えて。
こんなときは病院へ!
生まれてから1〜2週間くらいまでは、おへそはまだジクジクした状態ですが、これが2週間も3週間も続くようなら一度病院でみてもらってください。出べそは腹筋がついてくれば改善していきますが、1才を過ぎても出たまま戻らない場合は病院へ。
知っておきたいおへその病気
へその緒がとれた後、しばらく経過してもおへそがきれいに乾かない場合はおへその病気かもしれません。おかしいな、と思ったら早めに病院へいきましょう。
臍炎(さいえん)・臍周囲炎(さいしゅういえん)・臍肉芽腫(さいにくがしゅ)
〈病気のサイン〉
・おへそがいつまでも乾かない
・おへそやその周辺が赤い
・おへそからウミが出る
・おへその中にしこりがある
・おへそが赤く盛り上がりジュクジュクしている
〈どんな病気?〉
おへそが乾かず赤くなり、赤ちゃんも不機嫌に「臍炎」は生後2~3週間後にへその緒が取れたとき、そこに黄色ブドウ球菌などの細菌が感染して炎症を起こした状態。それがおへその周りにまで広がったものが「臍周囲炎」です。
「臍肉芽腫」はへその緒が取れた後、おへその中に残ったピンク色のしこりのことで、臍帯組織の一部が残って増殖し、盛り上がったものです。臍肉芽腫自体は特に問題はないのですが、炎症を起こしやすいので注意が必要。炎症を起こすとおへその中が赤く盛り上がってジュクジュクしたり、出血したりします。
〈治療方法〉
炎症がひどい場合は小児科を受診ジュクジュクしているだけなら特に治療の必要はありませんが、炎症がひどい場合は小児科へ。抗菌薬の軟膏などを処方されることがあります。
「臍肉芽腫」は炎症が悪化したらなるべく早く病院へ。小さいものなら硝酸銀溶液で焼いて消毒すればふつうは1回できれいになります。大きなものは何度か繰り返して焼くほか、切除が必要になるケースもあります。
臍ヘルニア
〈病気のサイン〉・おへそがでっぱっている
・泣いたりいきんだりするとおへその部分が出っぱる
〈どんな病気?〉腹圧がかかるとおへその部分が飛び出す出産時、臍帯を切ると赤ちゃんのおなかにはへその緒が残りますが、これは生後2~3週間で自然に取れます。ふつうはこの間に、腹壁にあった臍帯の通り道(臍輪)がふさがります。
しかし、何らかの原因で臍輪がふさがらないことがあります。臍輪の中心部は腹壁の中でも最も薄く弱い部分。きちんと閉じていない状態で腹圧がかかると、腸が外に飛び出てしまいます。これが臍ヘルニアです。
赤ちゃんが泣いたり、うんちのときにいきんだりして腹圧がかかると、おへそが出っ張ります。その大きさはウズラの卵くらいからピンポン玉程度が多く、個人差があります。
日本人の4%に見られ、未熟児の場合、一般の新生児よりなりやすいともいわれています。
〈治療方法〉小さいものは自然に治ることも腹筋が発達してくると自然にヘルニア門が閉じて治ることが多く、1歳までに80%、2歳までには90%が目立たなくなります。そのため普通は特になにもせず、経過を見ます。最近では清潔な綿球などで圧迫する方法がとられることもありますが、医師の指導のもとで正しく行うようにしましょう。
1歳半を過ぎても飛び出す場合や、ヘルニアが大きく、おへその部分の皮膚がたるんでへこまないような場合には手術をすることも。手術が必要かどうかは医師に相談しましょう。