「歩行器」の使いすぎは、発達に悪影響の可能性が
自分でできる以上のことをする弊害
赤ちゃんの発達を考えるとき、常に意識してほしいことがあります。それは「自分でできる以上のことを無理にさせてはいけない」ということです。
・いやがって泣いているのに寝返りのトレーニングをさせる
・おすわりできない赤ちゃんを、ソファに寄りかからせて座らせる
・つかまり立ちの時期に、長時間「立って歩く」ことをさせる
などをしたことはありませんか?
もちろん、遊びとして寝返りをサポートしたり、暮らしの中で少しの間だけ赤ちゃんをソファに寄りかからせたりすることはあるでしょう。それは全く問題のないことですが、日常的に長時間、赤ちゃんの発達以上のことをさせるのはよくありません。
歩行器は、まだ歩けない赤ちゃんが自分の足を床につけて移動することを手助けするものです。これを長時間行うと、骨の発達や足の形への影響がないとは言い切れません。
はいはいの機会が減ると、筋肉を鍛える機会が減ってしまう可能性も
歩行器を使い始める7~8ヶ月は、そろそろはいはいが始まる時期です。ずりばいからスタートして少しずつ早く前に進めるようになり、高ばいで高速はいはいをするようになってきます。
赤ちゃんははいはいをすることでおなかや背中、足の筋肉を鍛えています。ですから赤ちゃんには、はいはいをたくさんしてほしいもの。
この時期に歩行器に乗せられっぱなしだと、はいはいをする時間が減り、十分に筋肉を鍛える機会が減ってしまう可能性があります。
神経質に「歩行器は発達に悪影響がある!」と思い詰める必要はありません。赤ちゃんが楽しんでいる、大人がちょっとそばを離れたい、といったときに適切に使い、長時間使い過ぎないように注意しましょう。
転落事故に十分気をつけて
発達への影響とともに注意してほしいのは、事故です。
歩行器での移動には、ある程度のスペースが必要です。段差や障害物のない場所で使いましょう。勢いよく移動してものにぶつかったり、つんのめったりして、ケガをしないように注意してください。
最も気をつけたいのは転落です。
歩行器は基本的に1階で使い、2階以上の階段のある場所では使わないようにしたいもの。どうしても使う場合、階段には必ずゲートをつけてしっかり閉まっていることを確認してください。
赤ちゃんの「歩行器」のおすすめは?
歩行器にはいろいろなタイプがあります。デザイン性を重視したシンプルなもの、人気のキャラクターもの、テーブルの有り無しなどは、ママやパパの好みや家庭環境で選べばいいでしょう。
重視してほしいのは、座面の高さです。赤ちゃんを乗せたときに、足の長さが余る、足裏全体が床にべったりとつくものは避けたほうがいいです。
前述したように、歩行器はまだ歩けない赤ちゃんを擬似的に歩かせるものですから、足にあまり力がかからない、負担の少ないものを使いたいもの。赤ちゃんのつま先がつく程度の座面の高さのものを選びましょう。
赤ちゃんの体格に合わせて、座面の高さを調節できるタイプのものを選ぶといいでしょう。
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歩行器で移動するのが好きな赤ちゃんは、傍で見ていてもとても楽しそうですが、発達への影響を考えたり、事故の予防策をとるなど、注意も必要だということがわかりました。大人の目の届く範囲で、安全に使ってあげたいですね!
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