脳は、日中に活動することで「癒しホルモン」と呼ばれるセロトニンが分泌され、いきいき育っていくもの。では、そのセロトニンを分泌させるにはどうすればいいのでしょうか?発達脳科学者で小児科医の成田奈緒子先生に話を聞きました。
「セロトニン」が分泌されるといいことだらけ!
「セロトニン」という言葉を聞いたことがありますか?これは、脳の中で働く神経物質のひとつで「癒やしのホルモン」という異名があります。
セロトニンが働くことで不安やイライラが消え、集中力が増し、安定した心理状態がつくられるのです。
セロトニンはもともと「からだの脳」にその基地があり、誕生後に刺激を受けることで「おりこうさん脳」へも広がっていきます。生まれてから5年のうちに、セロトニンはおおよそのつながりができるといわれています。
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●呼吸や自律神経、睡眠のサイクルなどが整う●手足の動きがスムーズになる●怒りや悲しみなどの衝動をコントロールできる●多少の不安も「大丈夫」と思えるようになるなど、メリットは数えきれません。
セロトニンを分泌させる3大ポイント
●ストレスはNG!ストレスや不安を感じると、それを解消するためにセロトニンが使われてしまいます。できるだけ安心・安定して過ごしながら、〈セロトニン貯金〉をふやしていきましょう。
●朝は太陽の光を浴びて、夜は真っ暗な状態で寝る!日中は明るい陽射しを浴びることで分泌されるセロトニンですが、夜は真っ暗な中で深く眠ったほうが分泌量が増えるのです。電気をつけた部屋で寝かせるのはやめたいですね。セロトニンの分泌は、朝の5~7時がピーク。太陽の光を浴びることでたっぷり分泌されるので、太陽が昇る時間には目を覚ましていたいものです。
●たくさん遊んでしっかり食べる!セロトニンの活発な分泌には、筋肉の動き(運動)も欠かせません。体を動かして遊べばおなかもすきます。セロトニンを育てるタンパク質やビタミン類をしっかりとりましょう。
セロトニンの分泌が減ると親も子どももイライラ…
セロトニンの分泌が減ると、上の漫画のような状態になることも。そうならないために、子どもの【時期別】注意点をお伝えします。
ねんね~おすわり
夜しっかり寝て、朝早く起きるという睡眠リズムは、生後4ヶ月くらいからつくられ始めます。夜は部屋を暗くして寝かしつけ、朝は遅くとも7時に起こすようにしましょう。
たっち~とことこ
1歳前後になったら、日中は外で遊ばせましょう。日光をたっぷり浴びて体を動かし、おなかをすかせてごはんを食べる生活は、セロトニン育てにぴったり。夜もコテンと寝ますよ。
イヤイヤ期
2歳前後になると自己主張が激しくなりますが、セロトニン貯金を目減りさせないように、親子バトルは極力避けて。親が一歩引いて、「何がイヤなんだろう」と考えることも大事です。
十分な睡眠時間を確保しようとして朝寝坊の習慣がついてしまうと、セロトニンの分泌が減ってしまいます。繰り返しになりますが、セロトニンの分泌には「早寝早起き」がとても大切なのです。
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