生まれて間もない0〜3ヶ月の赤ちゃんにも、体を使った遊びって必要?どう接してあげるのが、赤ちゃんの発達に効果的なのでしょうか?発達脳科学者の成田奈緒子先生に教えてもらいました。
原始反射を利用して動きの土台をつくろう
生まれてすぐの赤ちゃんの脳は、配線工事の真っ最中。ものすごい勢いでシナプスがふえ、新しい神経回路がどんどんつくられています。
「シナプス」詳しく見る⇒⇒⇒育脳って何?脳育ての具体的な方法は?子どもの可能性を引き出すために親ができること【発達脳科学者監修】
この時期の赤ちゃんは無意識の動きを通して、運動にかかわる脳を発達させています。さまざまな動きを試しながら、動きを少しずつ洗練させていくのです。
特別「遊ぼう」と思わなくてもいい時期ですが、もし遊ぶなら「原始反射」を利用したものがおすすめです。
反射による行動は、動物にとって動きの基礎になるものなので、何度もくり返すことで動きの土台がつくられ、次のステップへと進めるのです。ごきげんのいい午前中などに試してみて。
「なんだろう」「気持ちいいなぁ」スキンシップ遊びで五感を刺激!
①「把握反射」で遊ぼう!【手をギューっとね】
赤ちゃんの手のひらに指をふれると、ギュッと手を握ってきます。これは原始反射の一つ、「把握反射」によるもの。
足の裏にも反射があるので、足の指もギュッ。そのあとはママの手でゆっくり開き、緊張を解いてあげましょう。
【育脳ポイント】●五感を刺激することを意識しましょう。
赤ちゃんにとって、五感で感じとる情報はとても新鮮。ママやパパの楽しそうな表情や言葉がけによる心地よい刺激は、赤ちゃんの心と体に働きかけ、脳を育てていきます。
「赤ちゃんの五感」詳しく見る⇒⇒⇒
抱っこ、授乳、ふれ合い…赤ちゃんの脳育てに「五感からの刺激」が大切な理由とは?【発達脳科学者アドバイス】
②「口こう唇しん探索反応」と「吸きゅう啜てつ反射」で遊ぼう!【ほっぺをつんつん】
「〇〇ちゃんのほっぺ、ふわふわだね」などと声かけしながら、ほっぺや口の周りをつんつん。原始反射で、指先を吸おうとするので「ママの指おいしいかな?」などとおしゃべりを。
【育脳ポイント】●楽しく言葉をかけながら
声のトーンは高めにし、最初に赤ちゃんの名前を呼びかけるのがコツ。目はまだぼんやりとしか見えませんが、耳はしっかり聞こえるので、ママの声を感じて楽しい気持ちになります。
③「歩行反射」でどんどん歩こう!【おっちらこ】
赤ちゃんの両脇を支えながら、足の裏が地面につくようにしてあげると、足を左右順番に前に出して歩くような動きをします。「おっちらこ〜」と声をかけながら、あんよを楽しく体験。
【育脳ポイント】●首がガクンとしないよう注意
寝ているときとは見える風景も違い、体のバランスも変わるので、赤ちゃんにはとても新鮮。脳への刺激となります。首が不安定な時期なので、脇と首はしっかり支えてあげて。
④音の鳴るおもちゃを追視!【ボールを見つめて】
赤や黄色の音の鳴るおもちゃを赤ちゃんの視野に入れ、上下左右にゆっくりと動かして追視遊びをしてみましょう。赤ちゃんの視野はまだとても狭いうえ、はっきりとは見えませんが、「なんだろう」と不思議そうです。
【育脳ポイント】●「これなんだ?」は視神経からの刺激
視力が未発達な赤ちゃんにとって、世界はうすぼんやりとしています。鮮やかな色のものを視界に入れることで、脳の視覚野が発達します。「〇〇ちゃん、ごきげんだね」と声をかけて。
【専門家コラム】体を動かす経験が脳への刺激となります
人はなぜ動くのでしょう。それは「動きたい」と思うからです。
ふと目に入った何かに興味を持ち(知的発達)「さわってみたい」と思います。首を動かし、手を伸ばして(運動能力の発達)ふれることができると「やった!」と喜んだり、「音が出た」と驚いたりします(知的発達)。すると今度は音が聞きたくて振ってみたり(運動能力の発達)。
そんなふうに、知的発達と運動能力の発達は、車の両輪のようにともに発達するのです。
もう一つ重要なのは、ともに遊ぶ人、自分ができるようになると喜んでくれる人の存在です。コミュニケーションの楽しさがあるからこそ、「もっとやりたい」という意欲が生まれるのです。
脳育てにつながる運動は、気楽に笑顔で、が大切です。(十文字学園女子大学人間生活学部幼児教育学科/鈴木康弘先生)
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