自分でどんどん歩く2歳児は、見た目のうえでも赤ちゃん卒業です。そして、自己主張が激しくなる頃なので、わが子の成長を喜ぶと同時に、子どもとの接し方を考えさせられる時期でもあります。2歳代の脳育てのポイントを、小児科医で発達脳科学者の成田奈緒子先生が解説します。
「じぶんで!」の気持ちを受け止めて本当の「できた!」につなげていこう
2歳になると、歩く・走るという動作をマスターし、公園に行けば、すべり台でも、ブランコでも、砂場でも自由に遊べます。手指も発達し、積み木を高く積んだり、スプーンで器用に食べたり、洋服の着がえもできるようになります。
しかし、運動能力の向上は、「目が離せない」ということとイコールでもあります。アクセルはきくけどブレーキの弱い車のようなもので、パーッと走りだしたり、四六時中ちょろちょろ動いたり、ママはへとへとかも。
そして2歳代は「第一次反抗期」、いわゆる「イヤイヤ期」真っ最中!子どものかんしゃくや自己主張にウンザリすることも多いでしょう。
この時期、かんしゃくの原因の一つは、自分では「できるつもり」のことが「できない」こと。やりたい気持ちに実力が伴わないので腹が立つのです。ママは大変ですが、ここが自立へのファーストステップ。やりたい気持ちを応援すると覚悟しましょう。
まずは環境を整えます。たとえば、靴のかかとにはループをつけて引っぱりやすくし、左右がわかる目印をつけます。洗面所には踏み台を置き、タオルやハンドソープは子どもの手が届く位置に移動します。
手助けは、目立たないようにするのが必須。着がえのときには後ろに回り、そっとズボンを引き上げましょう。そうやって小さな「できた」が積み重なると、自分への信頼感が育ちます。それが幼稚園などの集団生活に足を踏み出す勇気に変わっていくのです。
脳育て①何でもまねして覚えます
子どもは言葉で学ぶよりも、見て覚えることのほうが圧倒的に多いのです。してほしいことは、親がやっている姿を何度も見せるのがいちばんです。
●ママvoice●洗濯物をたたむのを隣で見せていたら、タオルやハンカチをじょうずにたたむようになりました。(マイママ)
脳育て②着がえやお片づけを少しずつ教えて
きげんのいいときには「いっしょにやろう」とやり方を教えましょう。シャツの前後の見分け方、ボタンをとめる練習など、ゆったり時間をかけて、楽しみながら教えたいものです。
脳育て③イヤイヤには気長につきあおう
かんしゃくを起こしたら抱っこして落ち着かせながら、「〇〇したかったんだよね。くやしかったよね」と気持ちに寄り添ってあげたいものです。
脳育て④外に出てたくさんの体験を
知的な発達が目覚ましいこの時期は、走る電車、大きなバス、空を飛ぶ鳥などに目が釘づけになることも。気がすむまでつきあってあげる時間が、知的興味を育てます。
●ママvoice● 家族で博物館に行ったとき、2歳の息子は入り口の電車の模型の前から2時間動かなかった。つきあったパパ、えらい!(勇介ママ)
2歳は言葉が急成長!ぜひ実践を!2歳代の脳を育てる語りかけ
それまで心にため込んできた言葉があふれ出すのが2歳児です。単語だけでなく動詞や形容詞もふえ、2語文から3語文へと言葉が広がっていく時期です。わからない言葉をあれこれ質問してくるのもこの時期の特徴です。
語りかけのコツ①:体験と言葉を結びつける
「影」「光」「雲」「木もれ日」など、家の中では実感できないものを見せてあげて。「枯れ葉カサカサだね~」「これは影だよ」など、ママが言葉にして実際に触れたりして伝えましょう。
語りかけのコツ②:子どもの言葉をふくらませる
場面に応じて使う言葉は変わります。お手伝いをしてもらうと「テーブルをふく」「洗濯物をたたむ」「ゴミを集める」など、言葉の世界が広がりますから、おしゃべりしながら親子で家事を楽しみましょう。
語りかけのコツ③:絵本で語彙をふやす
絵本に出てくる言葉には、日常生活では出てこないものもあります。絵本でくり返された言葉を別の場面でママが使ったり、実物を見せたりすることでも、「これが〇〇なんだ!」と脳にインプットされていきます。
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