SNSの総フォロワー数120万人!子育てに悩むママ達に寄り添ったアドバイスが大人気のカリスマ保育士・てぃ先生と、1歳女の子のママでもあるタレント・菊地亜美さんが『Baby-mo』誌上で対談。娘さんがイヤイヤ期に入り、とまどいを感じている菊地さんにてぃ先生がアドバイスします。
自我をもって自分を主張するのがイヤイヤ期の特徴
菊地 娘はもうすぐ2才です。完全にじゃないんですけど、イヤイヤ期に片足入ったぐらいなんですよ、いま。
てぃ先生 なるほど。
菊地 今日も、いっしょにタクシーできたんですが「座ってね」って言っても、言葉の意味はわかってるのに絶対座らなかったりとか。家でも、「おむつはいて」って言うと、おむつを持ってきて、これ見よがしに「はかないよ~」みたいに振ってみせて、はかずに去ったり(笑)。
てぃ先生 はい(笑)。
菊地 いまはまだ「何、そんなこともできるようになったんだ、いっちょ前だな」ってかわいく思うんです。でも、これが、ごはん食べたくない、おふろ入りたくない!って始まったらどうしようと思って!
てぃ先生 イヤイヤ期って、基本的に、自我をもって自分を主張したいという姿勢があるのと、「親に負けたくない」という思いもあるんですよ。
菊地 へぇ~。そうなんですか。
てぃ先生 だから、よくあるのが、スーパーで子どもが「このお菓子がほしい」とごねて、親が「買わないよ」って言うと、「うわーん、ほしいほしい!」みたいになるケース。親が根負けしてお菓子を買うと、家に着いたとたん、玄関にそのお菓子を投げ置いたまま、まったく興味を示さずに家の中に入っていったりします。これって、そのお菓子がほしいんじゃなくて、「お菓子買わないよ」と言った親に勝ちたいだけ。つまり、親の言いなりになりたくないだけなんです。
菊地 なるほど。親がお菓子を買ってくれた時点がゴールみたいな。
てぃ先生 そうです。だから、先ほどの「タクシーの座席に座ってね」というのも、娘さんにとっては、ママに言われた時点で「座らないことが勝ち」になってるんです。
菊地 えっ、どうしたらいいの~?(泣)
てぃ先生 なので、イヤイヤ期のベーシックな対応としては、何事も本人に選択させて、「親が決めたことじゃなく、自分で決めたようにする」というのが大事です。たとえば、タクシーの座席に立った状態から降りてほしいなら、「じゃあ、右足から降りるのと、左足から降りるのと、どっちにする?」と聞いたら、選んでくれたりします。
菊地 なるほどー!
てぃ先生 おむつもはきたくないと言うなら、違う絵柄を2種類並べて、「こっちの絵柄と、こっちの絵柄のおむつ、どっちからはきたい?」と聞くとか。なんでもいいから二択をつくると、けっこう話を聞いてくれますね。
菊地 もう、すぐやりたい(笑)。
「自分を認めてほしい」という子どもの気持ちを満たすには
▲(菊地さん)トップス 24,200円、スカート 40,700円/ともにミドラ(アルディム) ピアス 13,200円、ネックレス 14,300円、右手リング 13,200円/すべてジュエッテ
てぃ先生 また、子どもがわざと「はかないよ~」とやったりするのは、自分を認めてほしい気持ちが強いからです。お忙しいお父さんお母さんの場合だと、子どもと関わる時間が短くなってしまうのは、しょうがないこととしてあると思うんです。すると子どもって、「かまってほしい!」ってなるんですよ。よくある状況だと、たとえば、親はキッチンで料理の真っ最中で、手が離せないときに、お子さんが積み木をもう一個積み上げて、「見て見て~」となった。すると、大人はたぶん、料理の手を止めずに、その場から、「わぁ、すごいねー」って声をかけるんだと思うんです。
菊地 ああ、やっちゃいます。はい。
てぃ先生 でも、それが悪いことや危ないことだったらどうでしょう。たとえば、子どもがいすの上にのぼって、立とうとしたら、いましていることの手を止めてすぐにそっちへ行き、「いけないよね」ってお話しすると思うんです。つまり、子どもとしては、自分がご機嫌で遊んでいるよりも、ちょっとよくないことをしたほうが、大人にかまってもらえると潜在的にわかっているからやるんです。
菊地 えー!そういうことだったんですね!!まさに思い当たることがあります。うち、寝るときだけおしゃぶりを使ってるんですね。最近、日中に娘がそれを私のところに「ほら~」みたいに持ってくるんですよ。「ダメだよ、それ寝るときだよ」と飛んでいくんですけど、それも、娘は寝るときにしか使っちゃいけないとわかってて、それを持ってくれば、私が「ダメだよ、待て待て~」ってきてくれると思ってるということですよね?
てぃ先生 そうです。
菊地 そうだったのかぁ(笑)。いままで、「ダメって言ってるのに、なんで何回もやるんだろう?」と思ってましたけど、いまのお話を聞いて、「え、そんなかわいいことを思ってたの?」ってすごく子どもの気持ちになれました。そういうふうに思ってるのなら、やり方を変えてみようとも思いました。
てぃ先生 よかったです。