まさに異世界！ジジ6歳、はじめてのお散歩はハラハラ＆ドキドキの連続で…｜元保護犬ジジのつれづれ日記#4

保護犬カフェでの運命の出会いから、わが家にやってきたジジ。3人の子育てよりも大変だったトイレトレーニングも見事達成（前の話）！

そして、犬を迎え入れたからには「お散歩」なるものを楽しみにしていた我が家の子どもたちなのですが…。

保護犬カフェのスタッフさんに言われた「外の世界を知らない」という言葉が引っ掛かり、とりあえず抱っこをして小さな庭に出てみることに。

腕にしっかりとジジを抱っこし「ジジ、お外やで〜」と話しかけてみたものの、ブルブルと震えるばかり。

通りを行き過ぎるバイクの音にビクッ！小鳥のさえずりに「ゔ〜っっっ」。少し地面に下ろしてみたら固まって動けず、見ているだけで切なくなるほどにガタガタと震え出す始末。

考えてみたら、小鳥がこの世に存在することも、土の感触も植物の匂いも。何にも知らないジジが外の世界を怖がるのは当たり前です。

私たちが、地図もなしに名前も知らない異国へ、いきなり放り込まれるのと一緒な訳です。しかも、自分を委ねているのは、かつて産んだ仔犬を取り上げられてきた（ジジは元ペットショップの繁殖犬）、信頼に値しない人間という生き物。

その命の重みと、人が商業という歯車の中で犯してしまっている罪の大きさに、私の気持ちもキュッと引き締まる思いがします。

そっか！リードすらしたことがなかったんや

はじめてのお外がそんな感じだったので、その日から毎日5分間、リードをつけて抱っこをし、ご近所をお散歩することにしました。

ところがこのリードを極端に嫌がるのです。つけようとしたら、隅っこに逃げたり、自分のベッドに逃げ込んだり。

それもそのはず、お散歩に行ったこともないのなら、リードなんてしたこともないのが当たり前。
ジジの中では「人間にされること＝嫌なこと」という図式が出来上がっていて、恐怖心しかないようです。

でも、リードをつけなきゃお外には出られない。これもルールだから、なんとか乗り越えてもらわなきゃ！
なんとか抱っこでリードをはめることに成功したのも束の間、地面に下ろしても歩こうとはしません。

 「ジジ！こっちやで！」と引っ張ろうとする子どもたち。でもきっと、それじゃあ歩かない。

そこで、私が数歩先に行って「ジジー！」と呼んでみる。ということをやってみました。
初めは怖がっていたジジですが、何度か呼んでいるうちに、恐る恐るその一歩を踏み出したではありませんか！

「ジジー！お散歩できたやーん！」と褒めると心なしかドヤ顔（笑）。

ゆっくりと数分間ご近所を歩いただけですが、ジジからすれば大冒険。心はきっとモンキー・D・ルフィだな。うん。

半年、一年と経つうちに、少しずつお散歩の距離が伸び…

外の世界が怖くて仕方なかったジジですが、少しずつ慣れてきた様子。

だったのですが、一度風の強い日にお散歩をしていると、ビニール袋がジジの元へ飛んできました。そんなもの見たこともないジジはビクッ！と驚いてしまい、そこからまた動けなくなってしまいました。

一難去って、また一難。その日は抱っこでお散歩。明日から「またお散歩を嫌がったらどうしよう？」と思いましたが、次の日は歩いてくれたので、ほっと胸を撫でおろしました。

でも、やっぱりお散歩は嫌いで、ショートカットして家に帰ろうとします（笑）。ジジにとっていちばん安心できる場所はビニール袋の飛んでこない家なんだろうな。

それでも、半年、一年と経つうちに少しずつ距離を伸ばせるようになり、今では「お散歩行こう」の言葉に尻尾まで振るようになりました。

今でもいちばん好きなことは、家にいることだけど、6年間ケージに閉じ込められっぱなしの犬が「お散歩行こう」というと尻尾を振るって実はすごいこと。
今では、旅行にも一緒に行けるほどに。上の写真は五島列島へ行った時のもの。はじめての馬にあからさまに顔を背けていますが（笑）。

トイレもお散歩も少しずつ克服できたジジでしたが、たったひとつ、今でも難しいことがあります。というか、今でも全くできないこと。それは一体なんでしょう？
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