助産師&先輩ママ直伝!いきみ逃しのコツを大紹介!
陣痛の波を乗り越え、いきみたい感覚が出てきたら、ゴールまでもう少し。つらいけれど、ここが踏ん張りどころです。横になる、肛門を押す、声を出す、息をゆっくり吐くなどで体の力を抜くことに集中し、いきみをうまく逃しましょう。
こぶしやテニスボールで肛門を押す
肛門まわりを押すと圧迫感が分散され、いきみ感が抑えられます。こぶしやテニスボールを使うと、力が一点に集中しやすく効果的。ママがラクな姿勢で、旦那さんや助産師さん、付き添いの家族に押してもらったり、おしりの下にボールを置いて、あぐらをかくのもおすすめです。
先輩ママの体験談夫にテニスボールで思いっ切り肛門を押してもらいました。テニスボールがなかったらお産を乗り切れなかったと思うほど、私にとっては大活躍アイテムでした。(茨城県 A・Kさん28歳、Sちゃん1歳2ヶ月)
息を長~く吐く
息を止めて痛みをがまんすると、おなかの赤ちゃんに酸素が届かなくなってしまいます。痛いときは、「吸う」よりも「吐く」ことに意識を集中すれば、深くゆっくりした呼吸が自然とできるように。息を細く、長く吐くことで体の力が抜けるので、気持ちも落ち着きます。
先輩ママの体験談
ママが息を止めると赤ちゃんが苦しくなると聞いていたので、子宮の中に酸素を届けるイメージで、ゆっくり深く長く呼吸することを意識しました。(埼玉県 カリメロさん30歳、Kくん1歳1ヶ月)
四つん這いの姿勢になる
いきみたくなるのは、赤ちゃんの頭がどんどん下がってきているから。耐えられない痛みがきたら、四つんばいになって頭と肩を下げておしりを少し高く上げると、赤ちゃんの重みが子宮口にかからず、いきみ感が少しやわらぎます。手足をつくことで、腰への負担も軽くなりますよ。
先輩ママの体験談陣痛が痛いときはいろいろな体勢になって気を紛らわしていたけど、いきみたくなってからは助産院のたたみの上でずっと四つんばいになって、ただひたすら耐えていました。(東京都 Aさん29歳、Aちゃん5ヶ月)
生まれてくるイメージをもつ
「かたいつぼみが次第にやわらかくふくらんでいく。花びらが1枚1枚外側に開いていく」…というようなイメージをもってみてください。赤ちゃんが生まれてくるイメージを頭の中に描くことも、いきみ逃しに有効な手段のひとつ。イメージすることで自然と体も心もリラックスします。
先輩ママの体験談子宮口が開いて赤ちゃんが出ることと蓮の花が開くイメージを重ねるという話を母親学級で聞いていたので、お産当日に実践してみました。イメージすることで肩の力が抜けたから不思議。(東京都 Mさん30歳、Yくん1歳)
がまんせずに声を出す
痛みをこらえて、グッとがまんする必要はありません。痛みが強いときは「痛い!」と、思い切り叫んだほうが◎。声を出すことで体の力が自然と抜け、いきみを逃しやすくなります。ただし、あまり大声で叫び続けると、あとでのどが痛くなることも…。
先輩ママの体験談アロマをたいたりしたけど効果はなく、ほかの部屋でがんばっているママたちの叫び合い(?)が聞こえてきたので、私もそれに交じって叫びまくって乗り切った!(北海道 A・Nさん29歳、Kくん1歳)
赤ちゃんもがんばっていることを意識する
お産は、ママひとりが痛みに耐えているように思いがちですが、赤ちゃんも外の世界に出ようとがんばっています。いきみを逃すたびに、「赤ちゃんに会える瞬間が近づいているんだ!」とポジティブに考えると、余計な力が抜けるはず。胎児名を呼んで対話するのもおすすめです。
先輩ママの体験談
助産師さん、看護師さん、お医者さんを信じて、みなさんの言葉や励ましをよく聞きながら、赤ちゃんも私といっしょにがんばっていることをイメージしました。(愛知県 R・Fさん27歳、Eくん1歳2ヶ月)
そのほかこんな体験談もありました!
お産の流れと同じように、いきみ逃しの方法も人によって千差万別。先輩ママの中には、こんな方法でいきみ逃しをしている人も!
●座禅を組んでお産に集中した。(東京都 A・Tさん33歳、Hくん1歳1ヶ月)
●いきみたいとか痛いとかいろいろ考えがちだけど、何も考えないようにするのがいちばんだと思います。(三重県 Rさん24歳、Hくん1歳2ヶ月)
●助産師さんや周りにいきみたい気持ちをがまんせずに言う。気持ちを伝えて励ましてもらうと「あともう少し!」ってがんばれるから。(三重県 K・Nさん28歳、Rちゃん10ヶ月)
●無事に出産したらあれもこれも食べるぞーって食べたいもののことを考えていました。(広島県 Sさん30歳、Hくん6ヶ月)
●ずっといきんで助産師さんに怒られました。それからはいきみ逃しの呼吸法(息を少し吸って長~く吐く)をまじめに実践。(神奈川県 Yさん25歳、Yくん1歳)
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いきみ逃しにはたくさんの方法がありますが、一番大切なのは「自分がラクになれること」。旦那さんや助産師さんのサポートを受けながら、自分にピッタリ合う方法を探してみてくださいね。
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1978年より聖路加国際病院にて看護婦を務める。94年より聖路加看護大学看護学部及び大学院看護学研究科にて教授となり、2004年より同学部長、研究科長を歴任。10年より聖路加産科クリニックにて助産師、副院長として活躍。18年より現職。
公益社団法人 日本助産師会所属の助産師。2010年より聖路加産科クリニックにて助産師を務め、2018年年より現職。お母さんが笑顔で育児ができるよう、きめ細やかなサポートに定評がある。