「考える脳」や「おりこうさん脳」といわれる大脳皮質は、1歳ごろから18歳ごろまで育つ脳。子供の育脳や脳育てを考えたときに、まず最初に気になる部分なのではないでしょうか。発達脳科学者の成田奈緒子先生監修『はじめてママ&パパのしつけと育脳』から、「おりこうさん脳」の育て方についてご紹介します。
「からだの脳」育てを最優先に、楽しみながら「おりこうさん脳」を刺激
人間の脳の大部分を占める「大脳皮質」。これこそが「おりこうさん脳」の中枢です。
●「大脳皮質」とは?●100億以上もの神経細胞が、いくつかの層になって配列されています。場所によって機能が違い、運動野、感覚野、視覚野、聴覚野、それ以外の連合野に分かれています。人間の思考の中枢を担っているのが「大脳皮質」、考える脳です。
「脳育て」というと、大脳が活発に働くことをイメージしますが、この部分の働きが活発になるのは小学校入学以降です。0~6歳の段階では、「からだの脳」をしっかり育てることが最優先。
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「おりこうさん脳」を刺激する行動とは?
「からだの脳」をしっかり育てていくことを優先して、楽しみながらゆっくりと「おりこうさん脳」に刺激を与えていきましょう。
といっても、お勉強的にインプットしていく学習はまだ早すぎます。幼児期の「おりこうさん脳」育ては、親子の遊びや楽しみの中にあるのです。
●おしゃべりをする●体をくっつけてじゃれつく●砂場で泥だんごを作る●ごっこ遊びをする●ママと洗濯物をたたむ●「これはパパのおちゃわん、これはママのおはし」と分類しながら配膳のお手伝いをする●「ありがとう」とほめられる…など。
そんな繰り返しの中で、考えたり、表現したり、気づいたりしながら、子供の「おりこうさん脳」は育っていくのです。
「おりこうさん脳育て」の順番とやりがちNG集
「おりこうさん脳」は、1歳ごろから18歳ごろまで育つ脳。その年齢に合わせた育て方があり、順番を守ることがとても大切です。
①0ヶ月~:言葉育て
言葉は、人間だけが持つ高度な脳の働きです。赤ちゃん期から大人がたっぷり話しかけることで刺激を与え、言葉に関する神経回路をつないでおきましょう。
②2歳ごろ~:手先育て
手先を巧みに動かす能力は、脳の発達と連動しています。クレヨンで絵をかいたり、ハサミを使ったり、ビーズにひもを通すなどの遊びや、お料理や洗濯物をたたむお手伝いもおすすめ。
③5歳ごろ~:知能育て
数や文字を意識して教える必要はありませんが、「大きいお肉はパパのね」「クッキー3個ずつお皿にのせて」など、数や量の感覚を生活の中で育てていきましょう。
「おりこうさん脳」育てでついやりがちなNGポイントも知っておきましょう。
NG:睡眠時間を削って習い事やお教室をかけ持ち▼
「からだの脳」の育ちを邪魔してしまいます。習い事をさせるとしても、親子ともに楽しんでできる範囲で。
NG:知育おもちゃやワークを長時間座ってやらせる▼
楽しむ程度ならOK!でも、幼児期の「おりこうさん脳」育ては、デスクワークより体験型のほうが効果大。
NG:できないとママがイライラしてしかる▼
「おりこうさん脳」は、恐怖や不安が強いと育ちにくくなります。あくまで楽しく、笑いながらできる範囲で。
「おりこうさん脳」が育つ理想的な日常生活
このマンガの男の子ハルくんのように、「楽しい!」「おもしろい!」と思いながら、おしゃべりしたり、お手伝いしたり、ブロック遊びをしているうちに、自然に脳が育っていく…それが幼児期の「おりこうさん脳」育ての理想です。
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