妊娠中は出産そのものも気になるけど、その後の入院生活、ママと赤ちゃんはどう過ごすのかも気になりますよね。そこで、先輩ママのお産入院生活に密着し、実際に出産した産院監修のもと、無痛分娩を経験したSさんのお産入院レポートを紹介します。
(取材協力&監修/みうらレディースクリニック。お産入院中のスケジュールや内容は病院や産院によって異なります)
「無痛分娩は産後がラク」は本当だった!入院中も快適♡
【Sさん(38歳)のお産DATA&STORY】●出産日:予定日の7日前
●分娩時間:4時間17分
●出生体重:3122g
●出産病院:個人の産婦人科
●入院日数:5泊6日
●分娩費用…約75万円
計画出産予定日前日:入院
腕に点滴、背中に硬膜外麻酔のための管を入れる。子宮口にバルーンを入れる処置もここで。
9時ごろ:陣痛促進剤を投与
前日にバルーンを入れたけど陣痛の気配なし…。陣痛促進剤を入れて様子を見ることに。
13時ごろ:人工破膜
先生による人工破膜の処置。その直後から陣痛がスタート。いよいよお産の始まり!?
14時ごろ:硬膜外麻酔を投与
初めての麻酔投与。麻酔が効くまでマタニティヨガの呼吸法で痛み逃し。15時過ぎに麻酔追加2回目で完全に痛みが消えた!このとき子宮口は7cm。
17時40分:出産!
痛みが消えてからはヒマだったけど(笑)、17時20分にいきみOKの指示が出て、無事に出産!
2歳半のやんちゃ盛りのお兄ちゃんがいるし、私も38歳のアラフォー。1人目のとき、骨産道が狭くてなかなかお産が進まず大変な思いをしたので、体力的なことを考えて2度目の出産は無痛分娩を選びました。
無痛分娩を経験して、産後の体がラクなことに驚いています。赤ちゃんのお世話は慣れている部分もあるけど、2年半ぶりの新生児のお世話は緊張の連続!でも、お産がラクだったので、入院生活は思っていた以上に快適でした。
【無痛分娩とは?】硬膜外麻酔という局所麻酔をかけながら出産する方法。無痛といっても痛みがゼロなわけではなく、人工的に陣痛を起こしてから麻酔を使います。陣痛を麻酔で管理する出産方法ですが、おなかが張る感覚はわかるので、「いきんで」出産できます。
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まったく痛くないの?分娩費用はどのくらい?〈無痛分娩〉で出産したママのリアル体験談
0日目(お産当日):ママは体をゆっくり休めよう!
分娩時間4時間17分で出産。「無痛分娩のおかげで体がすごく元気!」(Sさん)と言いつつも、お産当日は体を休めるのが最優先。
部屋でわが子と対面
お産直後はママの体をゆっくり休めるために、しばらくLDRで休息。その後、部屋に戻ってわが子との時間を過ごします。「さっき産んだばかりなのにあらためて娘を見ると、ちょっぴりお姉さんに成長している気が」(Sさん)
無理をしないで休む!
翌日からスタートする本格的な子育てに向けて、お産当日は体をゆっくり休めます。「お産当日は興奮状態にあると思いますが、しっかり睡眠をとって疲れをとることが大切。無理をしないでくださいね」(助産師)
産褥ショーツ、おしりふきなど、お産入院アイテムが産院から贈られます。「内容は産院によって違うので確認してください」(助産師)
1~2日目:ママになるための練習開始!
抱っこ、授乳、おむつ替えetc.待ったなしで始まる赤ちゃんのお世話。はじめてのことだらけで不安もあるけど、少しずつママになっていく練習の始まりです。
抱き方指導
首がすわらないふにゃふにゃの赤ちゃんを抱くのは至難のワザ。「赤ちゃんは子宮の中で体を丸めて過ごしてきたので、おくるみやバスタオルでくるんであげると安心します。これだとママも抱きやすくなります」(助産師)
授乳指導
母乳のあげ方や吸わせ方などを助産師がレクチャー。「乳房を持って乳首を赤ちゃんの口に持っていくようにします」(助産師)、「授乳クッションを使うと赤ちゃんの位置が合わせやすくて授乳しやすい!」(Sさん)。
Sさんの場合、授乳クッションは産院備えつけのものを使用しましたが、用意されていない産院もあるので事前確認を忘れずに。
おむつ替え指導
新生児のおむつ替えの回数は1日10回以上!とにかく慣れるしかありません。「 女の子はおまたのシワもおしりふきでふいて…っと」(Sさん)、「赤ちゃんは股関節がやわらかいので、足をグッと上に持ち上げないようにしてくださいね」(助産師)
紙おむつは産院で用意されているのが一般的。Sさんが出産した産院では「パンパース」を使用。
沐浴指導
沐浴室で沐浴指導を受けます。「沐浴は、授乳でおなかがいっぱいになった1時間後ぐらいに行うといいですね」(助産師)、「沐浴ははじめてじゃないけど、片手で支えて片手で洗うのってやっぱり大変!!!」(Sさん)
赤ちゃんの肌の乾燥を防ぐため保湿ケアは必須。耳そうじやへその緒のケアも沐浴後に行います。
3~4日目:ママにもリフレッシュが必要!
そろそろ疲れが出てくるころ。毎日お世話をがんばっているママに、ちょっぴりぜいたくなサービスや食事でパワーチャージ!
豪華な食事
赤ちゃんのお世話をしているとおなかがペコペコに。「お産入院生活でいちばんの楽しみは、食事!出産した産院の食事は評判どおりおいしくて感動しました!母乳をあげるとおなかがすくから毎回完食です」(Sさん)
エステのサービス
「入院前からすごく楽しみでした」というエステのサービス。産後の疲れた体を癒やしてくれる至福のひとときです。「がんばったごほうびって感じで、とっても幸せな気分!」(Sさん)
赤ちゃんは入院中にこんな検査&処置を受けます
ママが部屋で休んでいる間、赤ちゃんはいろいろな検査や処置をがんばっています。
【聴力検査】赤ちゃんの耳の聞こえをチェックするために行う新生児聴覚スクリーニング検査。機械を使い、寝ている赤ちゃんの脳波を調べて診断。
【黄疸チェック】おでこと胸元に測定器を当てて数値をチェック。血液中のビリルビンという物質が腎臓からきちんと排出されているかを確認します。
【体重測定】入院中は毎日体重をはかり、赤ちゃんの状態をチェックします。体重をはかることで、ママの母乳の量を把握することができます。
【ビタミンK2シロップの服用】ビタミンK不足による出血症予防でビタミンK2シロップを飲みます。合計3回のうち2回は入院中に、残り1回は1ヶ月健診のときに。
【小児科医による診察】小児科の医師による診察を実施。赤ちゃんの体調や発育に問題がないかを診察します。
体のトラブルや心配事は抱え込まずに相談して!いきんだときに分娩台のレバーを持つ手に力が入り、腕が筋肉痛に。抱っこがツライ…、産後は足がむくんでパンパンになり、持参した着圧ソックスが手放せませんでした(涙)など、快適なお産入院を過ごしていたSさんにもトラブルが。「産後はさまざまなトラブルが起こることもあります。何かあれば医師や助産師に相談してくださいね」(医師)
\先輩ママのお産入院中のトラブルエピソード/●退院日が近づくにつれて顔や足がむくみ始め、退院日に血圧が急上昇して総合病院に緊急転院!ふだんからむくみやすいとか高血圧ぎみではなかったので、いきなりの症状にビックリ!(Y・Iさん)
●退院前日に胸に違和感が。母乳の知識や仕組みを知らなかったのでガマンしていたら退院日に両胸が岩のようになり、病院を出る直前に初めて母乳マッサージを受けました。なんでこんなになるまで放置されていたのかと、産院に不信感を抱きながら退院しました…。(R・Kさん)
●いきんだタイミングで腟壁が切れて大量出血。傷は縫合してことなきを得たけど、入院中は貧血でふらふら~。授乳中もふらふら~。点滴をして鉄剤を飲んで、初めての貧血を体験。(K・Sさん)
●会陰切開の傷が痛くて座るのもひと苦労。トイレも毎回ドキドキしていました。乾いたトイレットペーパーが傷口にくっついたらイヤだな~と思って、トイレ後は清浄綿でふきふき。(K・Mさん)
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「麻酔をしたのに痛くて絶叫!」「お産が早すぎて裂けるなんて…」【先輩ママの〈会陰切開〉体験談】
退院日前日~退院日:新しい生活のスタート!
あっという間のお産入院生活。ママと赤ちゃんは医師の最終チェックを受けて、問題がなければ退院できます。
先生の回診
退院前に医師による回診があります。子宮の戻りぐあい、悪露のチェックなど、問題がなければ退院できます。「早く家に帰りたいような、まだまだ入院していたいような…。複雑な気持ちです(笑)」(Sさん)
退院指導
助産師による退院指導。出生届の出し方や、母子健康手帳の使い方などのレクチャーを受けます。「わからないことや不安なことがあれば、いつでも電話してくださいね」(助産師)、「わかりました!」(Sさん)
退院
お世話になった医師や助産師に見送られながら退院です。赤ちゃんも純白のセレモニードレスを着ておめかし。「短い入院期間でしたが濃い時間を過ごせました。家族4人の生活を楽しみたいと思います!」(Sさん)
助産師がお答え!お産入院Q&A
Q.ママと赤ちゃんの入院着は用意したほうがいいの?
当院の場合は、出産前はピンク、産後はグレーのパジャマを用意しています。赤ちゃんも専用の肌着があります。産院によっては私物を持参してくださいというところもあるので、出産準備をするときに産院に確認しておくのがいいですね。
Q.入院中、ママと赤ちゃんはずっと同じ部屋で過ごすの?
最近では「母子同室」の産院が多いです。ただ、ママが食事やシャワーのときなどは、赤ちゃんを新生児室に預けることができます。もちろん、休息したいから預かって、という理由でもOK。新生児室では助産師が赤ちゃんを見守っているので安心して。
Q.入院中にちゃんと母乳が出るか心配です…
最初から母乳が出る人、退院日直前になってようやく出始める人など、母乳の出ぐあいには個人差があります。入院中は助産師が母乳マッサージを行い、おっぱいの様子を観察してアドバイスをするので、心配しなくてもいいですよ。
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