会陰切開の痛みはどれくらい？傷の治り具合は？など、気になることはたくさん。そこで、実際に会陰切開をした9人の先輩ママの体験談を紹介。会陰切開するかどうかはお産当日まで分からないので、そのときに備えて心の準備をしておきましょう。産婦人科医による会陰切開後の過ごし方のポイントもチェック！
毎日マッサージをしたけど会陰切開に！でも…（えりさん・初産2998g）
妊娠中は病院で指導を受け、37週に入ってから毎日お風呂あがりに会陰マッサージをしていました。
やり方は、会陰にベビーオイルを塗り、Uの字になじませてからくるくるマッサージ、という流れ。そのおかげか、会陰切開はしたものの、切ったのは2㎝程度で、看護師さんにも「あまり切らずにすんだね」と言われました！
陣痛の痛みのほうが強く、会陰切開に気づかなかった！
実際のところは、いつ切開したのか記憶にありません。出産に立ち会っていた夫ははさみで切るのを見ていたらしいけど、私はそれよりも赤ちゃんが出てくる痛みのほうが強くて、いつの間にか会陰切開が終わっていた感じ（笑）。その後、傷口を縫うときに皮膚がひっぱられる感覚があり、「終わったんだな」と実感。
産後、会陰部の痛みは2週間くらい続いたと思います。出産当日は傷口がジンジンしていて、産後2～7日くらいは縫合した糸がひきつれ、つっぱるような感覚。その後、1～2週間はヒリヒリする感じで、1ヶ月くらいすると違和感がなくなりました。
痛みがある間はトイレに行くのがとてもつらく、ふんばると傷口が裂けるんじゃないかと不安で…。産後1ヶ月半を過ぎ、産前と同じ感覚に戻ったときにはホッとしました。
お産の進みが早く会陰切開が間に合わなくて裂けた！（サキさん・初産3018g）
初産なので生まれるまで時間がかかると思っていたけど、陣痛が始まってから5時間くらいのスピード出産！
病院の陣痛室でも、先に入っていた妊婦さんより子宮口の開きが早かったようで、看護師さんから「みんなを抜かして一番になってるわよ」と言われたくらい。進みが早すぎて会陰切開が間に合わなかったのかな。
会陰が裂けたことは全然わからず、そのときは痛みも感じませんでした。無我夢中で「出てくる、もう出てくる～！」という気持ちで頭がいっぱい。
おしりまで裂けた傷が完治するまでに約3ヶ月…
本当に痛みを感じたのはその後で、縫合がやけに長いなと思ったら、おしりまで裂けていると言われました。
出産当日はあまりにも痛くて円座クッションがないと座れないし、点滴スタンドにすがりつくようにして移動。病院で「シャワーのとき温めると治りが早い」と言われたけれど、1週間くらいはこわくてさわれず、温められませんでした。
排尿後、ぺーパーでふくのもこわくて、おそるおそる…という状態。その後、だんだん痛みは治まってきたものの、産後1ヶ月たっても座ると少し痛みがあり、自宅用にも円座クッションを購入しました。通常の感覚に戻るまで2～3ヶ月かかり、苦労しました！
麻酔をしたのに切開した瞬間、痛くて絶叫！（亜矢さん・初産3200g）
出産前、病院で会陰切開について説明を受け、「赤ちゃんとママの容体が心配なときは切開する」と言われていました。会陰マッサージもすすめられましたが、何だかこわくてうまくできず、数回で挫折。オイルをしみこませたコットンを会陰に当て、そのまま寝るというオイルパックをしていました。
そして出産当日、局所麻酔をして会陰切開。麻酔をしているから平気だと思っていたのに、切られた瞬間にものすごい痛みを感じ、思わず「やめてください！」と叫んでしまいました。赤ちゃんが3200gと大きく会陰を5㎝切ったらしいので、傷の大きさが関係していたのかもしれません。
円座クッションがないと痛くて座れない！
その後、麻酔が切れた途端に痛みが始まりました。どんな体勢でも痛くてたまらず、痛み止めを飲んだけれど夜はほとんど眠れずにぐったり。出産後の数日は歩くこともままならず、円座がないと座れなくて授乳が大変でした。
それから1週間、退院するころに歩けるようにはなりましたが、荷物を持ったり、くしゃみをしたりするとひきつれ感が気になる状態。産後1ヶ月くらいは骨盤ベルトをつけていないとチクチクするような痛みが続きました。完全に違和感がなくなったのは2ヶ月ほどたってからです。
会陰切開よりも陣痛よりも腟壁血腫の痛みがキツい！（みささん・初産2771g）
赤ちゃんが出てくる最後のいきみと同時に会陰切開したので、力が入りすぎていて痛みはよくわかりませんでした。それよりも、産後に腟壁血腫（産道の血管が傷ついてできた血腫）で緊急手術をしたあとが痛くて。出産よりも断然痛かったです。
術後の痛みはかなりのもので、１週間は激痛で歩けない、座れない状態。そんな中で授乳するのが本当につらく、「痛い、痛い」と一日中言っていました。
緊急手術を行い、産後3ヶ月たっても痛みが消えない…
痛みは2週間たってもまったく消える気配がなく、また血腫ができているんじゃないかと思うほど。医療用の産褥いすを購入し、なんとか座れる状態でした。おまけに、会陰部を手術した影響で尿が出なくなってしまい、再び入院。24時間、導尿用のカテーテルを通し、尿を出してもらいました。
つらかったけれど、それを乗り切った産後1ヶ月ごろから少しずつ回復してきました。ヒリヒリ感はあるけれど、いすに座れるようになったので授乳がだいぶラクになり、車の運転も再開。
とはいえ、産後3ヶ月たっても痛みや違和感が残っており、お風呂やトイレはヒヤヒヤ状態。会陰切開をしたほうがあとがラクと聞いていましたが、思わぬ伏兵に足をすくわれた感じです。
出産前は恐怖でしかなかったのに、案外平気だった！（真帆さん・初産2598g）
もともと痛みに弱いタイプで出産は和痛分娩に。そのためか、いきんでもなかなか赤ちゃんが出てこなくて…。先生に「出てきにくそうなので、切りますね」と言われたときはショックだったけど、麻酔をしたのでその瞬間の痛みはなし。
翌日まで円座クッションを使い、3日目からは痛みもほぼ引いて、出産前はあんなに恐怖だったのがウソのよう。「案ずるより産むがやすし」でした。
必死の努力もむくわれず…切開に。抜糸も痛くて（鮎美さん・初産3060g）
よもぎ蒸しカイロで会陰をあたためたり、会陰マッサージをしたり。何がなんでも切開を避けようとしていたけど、いざ陣痛がくると早く出てきてほしくて「もう切っちゃって！」状態（笑）。
麻酔をしたので痛みはなく、お産前の恐怖はなんだったの？と拍子抜けしました。ただ、産後の抜糸が痛かったのは予想外。すごく痛くて本当に涙が出ました。
おしりのほうまで裂けてしまい、半年間はつらくて…（真理菜さん・1人目2762g）
上の子を出産したときは「できるだけ切らない」という産院の方針で会陰切開しなかったのですが、おしりのほうまで裂けてしまって…！その後、切れ痔のようになり、半年ほど苦しみました。
下の子のときは、切開より陣痛の痛みのほうがずっと強いことを知っていたので「別に切られてもいいや」と思っていました。でも、会陰切開せずポンッと生まれてくれて、1人目のときとちがって翌日からスタスタ歩けることにびっくりしました！
3人出産して「会陰切開あり・なし・裂傷」を経験！（直さん・1人目3490g）
1人目のときは子どもがなかなか出てこられずに会陰切開。縫った糸が化膿して、抜糸するまで違和感が続きました。2人目は、上の子を毎日抱っこしていたおかげで鍛えられたのか（笑）、とくに何もケアせず切開なし。
3人目は浅い裂傷だったので縫いませんでした。それぞれ状況が違うので一概には言えませんが、産後の体がラクだったのは、ダンゼン“切開なし”で出産した2人目！
2人目は会陰切開なし。産後がラクでびっくり！（伊織さん・1人目3350g）
長男のときは自然に裂けたというか“すれて”しまい、縫いました。その痛みで数日はトイレがつらくて…。次男のときは助産院でお灸をしたり、教えてもらった呼吸法の練習をしたり準備していました。2人目なのでいきむタイミングがよかったおかげか、切開せずにすみました。
会陰切開する・しないで産後の痛みがまったく違って、2人目のときはトイレもこわくない！こんなにラクなら3人目を産んでもいいかなと思ったほどです（笑）。
会陰切開したあとはどう過ごす？正しい過ごし方のポイント〈5〉
会陰切開をした、または自然に裂けてしまったとき、産後はどう過ごすのが正解なのでしょうか。会陰や体の回復を早めるための正しい過ごし方を、産婦人科医の木下智恵先生（成城木下病院）に教えてもらいました。
①タンパク質が重要。食事をしっかりとる！
傷の治りを遅らせるもののひとつに、「低タンパク」があります。産後は大豆製品や魚など、良質なタンパク質をたっぷりとるとよいでしょう。ビタミン類も皮膚を回復させ、強くする効果が。
②お産入院中は安静に過ごす！
会陰切開後は入院中がいちばん痛いので、なるべく横になり、アクティブに動かないこと。傷を縫合した糸で痛みを感じる場合は、溶けない糸を使用している場合でも、退院するときに抜糸してもらうとラクになります。
③感染しないよう清潔をキープ！
産後はシャワーで清潔に。会陰切開の傷で感染することはまれですが、万が一、感染すると傷がはがれて皮膚がくっつかなくなります。産後1ヶ月健診までセックスしないというのも、感染予防のため。
④円座クッションなどを活用。なるべく刺激しない！
切った場所によって、座ったときに傷を圧迫し、痛みを感じることが。傷はなるべくそっとしておくのがいいので、円座クッションなどを使って直接会陰を刺激しない工夫を。
⑤がまんするだけ損。痛いときは薬に頼って！
痛みをがまんして眠れないほうが傷の回復にはよくありません。授乳中でも飲める薬があるので、痛みがあるときは遠慮なく、ドクターや助産師さんに伝えてください。
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