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2023.04.03

妊娠出産体験談・インタビュー

セクシュアリティの自覚。はじめての同性同士のセックス。Uの場合『虹色の未来』#5


交際がスタートしてからまもなく、私たちは体の関係を結びました。場所は私の部屋です。一緒にお酒を飲んでいい感じに酔っ払ったとき、すごくいい匂いがして、思い切って私からキスをしました。

彼女は女の子と付き合った経験があり、自然に私に体を預けてくれました。そっと受け止め抱きしめて、私は彼女に聞きました。

「……さわってもいい?」

「うん、さわって……」

相手の嫌がることは何ひとつしてはいけない。ちゃんと断って相手の気持ちを確かめながら、彼女の領域にそっと触れていきました。

女の人に触れるのは初めてだったけど、『トランジットガールズ』で観ていたし、男性とする行為と似たものだという認識はありました。

彼女が気持ちよくなってくれたらいいな、と思いながら首筋に唇を這わせました。柔らかくてしなやかな体、どこをさわってもスベスベしていて、肌と肌がくっついてしまいそう。華奢な骨、抱きしめたら折れてしまいそうに細い腰。なんとも言えない香りがする、サラサラの長い髪。ガラス細工のような彼女。

何ひとつ壊したり傷つけたりしないよう、そっと服を一枚一枚脱がせて、その綺麗な体に夢中になりました。

服を全部脱がしてしまうと、そこからは彼女がうまくリードしてくれました。女性と付き合った経験がある彼女はとても上手で、私は幸せの絶頂でした。

1年間同棲し、素敵な時間を過ごしたのですが、だんだん2人の時間がすれ違うようになって、関係がギクシャクしてきたんです。彼女は夜勤のある仕事をしていて、就職したばかりの私自身も早く仕事を覚えて一人前になろうと必死に頑張っていた。

小さなケンカが増えていきました。そして、決め手になったのは私が営業の接待で深夜にクタクタで帰宅したとき、ベッドからこんな言葉が聞こえてきたんです。

「遅いね。飲みにいくのも仕事なんだね……」

前ならきっと「うん、営業って大変なんだよね」って甘えるか、「寂しかったね、遅くなってごめんね」って優しくできたのに、この時は疲れ切っていて心に余裕がありませんでした。そして些細なことで言い合いが増え、結局お互いに思いやりが持てなくなり、別れてしまいました。

別れてしまったけど、彼女と真剣に向き合いお付き合いしたことで、やっぱり自分は女の人が好きなんだと改めて認識できました。今幸せに過ごしているといいな……。感謝しています。

彼女と別れてから夜を持て余して2丁目に遊びに行くようになりました。2丁目には自分と同じセクシュアリティの人がたくさんいて、彼女はできなかったけど、たくさんの出会いがありました。あちこちのイベントに顔を出したり、遊びに行く仲間が増えました。

ある日、仕事帰りに友人と新宿で歩いていたところ、声をかけられました。

「Uちゃん!偶然!」

「おー、久しぶり!元気?」

友達のそばには背の高い無愛想な女の子が突っ立っていました。胸をそらして私をじっと見ていたので、この生意気な女、誰だろうと思いました。友達が嬉しそうに彼女を指差しました。

「可愛いでしよ。この子、れいちゃんっていうの。あたしの彼女」

まさかの運命の出会い。そうです。れいちゃんは最初、友達の彼女だったんです……。

▶▶▶続きを読む▶▶▶同性カップル最後の恋。パートナーシップのメリット・デメリット。REYANの告白『虹色の未来』#6

エルビアンTVプロフィール

日本で一番チャンネル登録者数が多いレズビアンカップルのU(左)とREYAN(右)の2人組YouTuber。テレビやイベントなど多数出演。YouTubeTwitterInstagramで女の子カップルの日常を紹介中。

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【文】 藤原 亜姫

2008年ケータイ小説史上、空前のアクセス数を誇った『インザクローゼット blog中毒』(河出書房新社)で作家デビュー。他著書には『夜が明けたら 蒼井そら』、『東京整形白書』などがある。人間の弱みや闇を独自の視点で痛快な物語に変える作家。

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