おかゆや野菜はスムーズに食べてくれたのに、「肉をなかなか食べてくれない」「どの肉から進めていいのか分からない」と悩んでいるママやパパは意外と多いはず。今回は、肉を使った離乳食の進め方を紹介します。赤ちゃんが食べやすいようにするための調理ポイントから、冷凍方法、注意事項などをまとめました。ぜひ参考にしてください。
離乳食で肉はいつから食べられるの?
肉は良質なたんぱく質の宝庫ですが、脂質も多く含まれます。離乳食初期(生後5~6ヶ月)の赤ちゃんの未熟な内蔵にとっては負担に。この時期はまだ肉は与えず、豆腐や白身魚に十分に慣れさせましょう。離乳食中期(生後7~8ヶ月)になったら、低脂肪でやわらかく、消化吸収のよい鶏ささ身肉が食べられるようになります。この時期から、赤ちゃんの成長に適した種類の肉を選び、食べやすく調理をして徐々に慣らしていきましょう。
離乳食で肉はどの順番で慣れさせていくべき?
肉を使った離乳食の進め方を、肉の種類とあわせて紹介します。調理のポイントも一緒におさえましょう!
離乳食中期(生後7~8ヶ月) 肉類デビューは鶏ささ身肉から
・鶏ささ身肉
脂質が少なく、消化吸収もいいので、肉類を初めて食べる赤ちゃんにぴったりです。水からゆでて火が通ったらとり出すと、肉がかたくならずしっとりと仕上がります。1回の目安量は10g。
調理のポイント1:白くてかたい筋をとり除く鶏ささ身は中央にある白い筋をとり除きます。筋の両脇に刃先で浅く切り込みを入れ、筋の先端を手で持って引っぱりながら、筋に刃をあててしごくように取り除きます。
調理のポイント2:ゆでてから手でほぐす鶏ささ身肉は熱湯でゆでて、肉の繊維に沿って手で裂くと、こまかくほぐせます。離乳食中期では、ある程度手でほぐしてから、さらに包丁でみじん切りにするか、すりつぶしてあげましょう。
調理のポイント3:そぎ切りにして電子レンジで加熱電子レンジで加熱するときは、そぎ切りにして繊維を断つと、ほぐしやすくなります。1本分にかたくり粉小さじ1/2をまぶし、水大さじ1を加え、ラップをかけて電子レンジ(500W)で40秒~1分加熱します。
離乳食後期(生後9~11ヶ月) 鶏ひき肉や牛赤身ひき肉もOKに
・鶏肉鶏ひき肉のほか、鶏胸肉、もも肉も食べられます。いずれも1回の目安量は15gです。もも肉は皮を除き、ひき肉は皮なしの胸肉やささ身のものを。
調理のポイント1:ひき肉は粉と水を加えて加熱するひき肉50gに水大さじ1、かたくり粉小さじ1/2を加え、よくまぜてラップをかけ、電子レンジ(500W)で40秒~1分加熱し、ほぐします。粉と水を加えることで、しっとりやわらかに。
調理のポイント2:ひき肉だんごはよくねって丸めるひき肉はだんご状に丸めてゆでたり、煮たりすると食べやすくなります。肉を手でよくねると粒がつぶれて均一なやわらかさになり、きれいに成形することができます。
調理のポイント3:胸肉もレンジ加熱を胸肉は薄切りにして、繊維を断ち、かたくり粉と水を加え、ラップをかけて電子レンジ(500W)で加熱を。ほぐしやすく、やわらかい食感になります。
調理のポイント4:もも肉は皮と脂肪をていねいに除くもも肉は皮をはぎとり、白い脂肪や筋をとり除き、肉の部分だけを離乳食に使いましょう。ささ身や胸肉に比べ、加熱してもやわらかい食感です。煮込み料理やソテー、いため物におすすめです。
・レバー鉄分が豊富で、この時期からぜひ食べさせたい食材。鶏、牛、豚のどれでもOKですが、鶏レバーがやわらかくて扱いがラクです。
・赤身ひき肉牛肉、豚肉ともに、赤身肉、赤身のひき肉が解禁! まずは牛肉に慣れてから、豚肉にトライするのがおすすめです。豚赤身ひき肉は、ハンバーグやミートボールなどの定番料理のほか、スープの風味アップやチャーハンなどにも活躍するお役立ち食材。
離乳食完了期(1歳~1歳6ヶ月) 牛肉に慣れたら豚赤身薄切り肉もスタート!
・赤身薄切り肉離乳食後期から食べさせることができますが、牛赤身薄切り肉→豚赤身薄切り肉の順で食べさせるのがルール。豚赤身肉はビタミンB1が豊富です。
薄切り肉は噛み切れないので、赤ちゃんが食べやすいように調理してから与えましょう。
調理のポイント1:牛肉も豚肉も赤身の部分を使う
薄切り肉では、赤身肉が離乳食向き。脂肪の多い肉は胃腸に負担がかかるので、ひき肉同様に赤身肉を選びましょう。
調理のポイント2:薄切り肉はこまかく刻む薄切り肉を使う場合は、赤ちゃんはまだ奥歯がなく肉をかみ切れないので、こまかく刻みましょう。
調理のポイント3:ゆでるときは1枚ずつ熱湯へ薄切り肉をゆでるときは、たっぷり熱湯を沸かして1枚ずつ広げて入れ、さっと火を通してざるに上げます。一度にたくさん入れると、湯の温度が下がってしまうので、注意を。
調理のポイント4:ざるに広げてラップをかけるざるに広げた薄切り肉は、ラップをかけて冷ますと乾燥を防ぐことができます。かたくり粉をまぶしてゆでても、つるんとした食感に。あら熱がとれたら刻みます。
肉を使った離乳食中期のレシピが知りたい!
鶏ささ身と野菜の煮込みうどん
〈材料〉
鶏ささ身肉・・・10g(1/5本)
にんじん・・・15g(2.5cm角1個)
小松菜・・・5g(大1枚)
ゆでうどん・・・35g(1/6玉)
だし・・・1/2カップ
〈作り方〉
1 ささ身は沸騰した湯に入れ、再び沸いたら火を止めて5分おき、とり出してみじん切りにする。
2 にんじんは皮をむいてやわらかくゆで、みじん切りにする。小松菜、うどんはみじん切りにする。
3 鍋にだしを弱火で熱し、2を加えて5分ほど煮る。器に盛り、1をのせる。
肉を使った離乳食後期のレシピが知りたい!
豚ひき肉と豆腐のとろみ煮
〈材料〉
豚赤身ひき肉・・・5g(小さじ1)
にんじん・・・20g(2cm角2個)
絹ごし豆腐・・・25g(3cm角1個)
だし・・・適量
水どきかたくり粉・・・少々
〈材料〉
1 にんじんは皮をむいてあらみじん切りにする。豆腐は1cm角に切る。
2 鍋ににんじん、ひたひたのだしを入れて中火でやわらかく煮る。
3 2にひき肉を加えてほぐしながら煮て、豆腐を加えてひと煮し、水どきかたくり粉でとろみをつける。
肉を使った離乳食完了期のレシピが知りたい!
ベビー牛丼
〈材料〉
牛赤身薄切り肉・・・15g
玉ねぎ・・・30g(中1/5個)
だし・・・1/2カップ
軟飯・・・90g(こども茶わん軽く1杯)
〈作り方〉
1 玉ねぎは薄切りにする。牛肉はこまかく刻む。
2 鍋に玉ねぎ、だしを入れて中火で熱し、煮立ったら弱火にし、玉ねぎがやわらかくなるまで煮る。
3 2に牛肉を加え、煮立ったらアクを除き、1分ほど煮る。
4 器に軟飯を盛り、3をかける。
肉を使った離乳食は冷凍してもいいの?
肉類を冷凍しても大丈夫です。それぞれの種類にあった冷凍方法を紹介します。
・鶏ささ身肉鶏ささ身肉1本分(約50g)を加熱調理して、1回分ずつ小分けするのが効率的です。電子レンジで解凍・加熱するときは水分が蒸発してパサつきやすいので、水分を足すのがポイント。
・鶏肉ひき肉はそぼろ状やボール状に調理して冷凍しておくと、料理に使いやすいです。胸肉はゆでるか電子レンジで加熱してほぐし、もも肉は蒸し焼きなどにして冷凍しましょう。
・牛肉・豚肉ひき肉は、鶏ひき肉同様にそぼろ状やボール状に冷凍しましょう。薄切り肉はゆでて刻んで、食べやすく加熱調理を。フリーザーバッグに入れて冷凍し、料理に合わせて好みの分量ずつ取り出すのが便利です。
肉を使った離乳食に関する注意事項が知りたい
肉の種類によって注意事項も様々。選び方と合わせて紹介します。
・鶏ささ身肉加熱するとパサつきやすいので、とろみづけをして食べやすくしてから与えましょう。
〈選び方〉
厚みがあり、ピンク色でツヤのあるもの。ドリップ(肉汁)が出ていないものを選びましょう。
・鶏肉ひき肉は、脂肪の少ない皮なしの胸肉やささ身のものを与えましょう。もも肉を与える時は、皮をはぎとって白い脂肪や筋をとり除くことが大事。肉の部分だけを離乳食に使いましょう。
〈選び方〉
もも肉・胸肉も鶏ささ身と同様に厚みがあり、締まってハリのあるものを。また、ドリップ(肉汁)が出ていないものを選びましょう。
・牛肉・豚肉脂肪の多い肉は胃腸に負担がかかるので、赤身肉を選びましょう。
薄切り肉を使う場合は、赤ちゃんはまだ奥歯がなく肉をかみ切れないので、こまかく刻みましょう。牛豚を混ぜた合いびき肉は、脂肪が多い部分を避けて離乳食完了期からスタートを。
〈選び方〉
牛豚ひき肉、牛豚薄切り肉、いずれも脂肪の少ない「赤身」が基本です。また、鮮度がいいものを選ぶのが大前提。
肉を使った離乳食に関する先輩ママの体験談が聞きたい
肉を使った離乳食に関する、先輩ママの体験談を紹介します。味付けなどぜひ参考にしてみて!
赤ちゃんが好きなレシピ
「1歳を過ぎてから、こども用のルウで。苦手な肉も野菜も、カレーだと食べてくれるんです」(1歳3ヶ月女の子のママ)
「鶏ひき肉を和風だしで味つけし、ご飯とまぜてそぼろ風に食べさせていました。」(1歳男の子のママ)
「トマトとパスタとまぜてミートソース風にしたり、じゃがいもとにんじんとまぜて肉じゃが風にしたり、肉単体ではあげずに何かとまぜてあげています。まぜることで食欲アップに!」(生後8ヶ月女の子のママ)
大人メニューから取り分けができるレシピ
「パパが好きな肉じゃがはひき肉バージョンに。だしで煮て取り分けたあと、大人はこってり味つけ!」(生後9ヶ月女の子のママ)
「鶏ひき肉を丸めただけの鶏だんごと、家にある野菜をいろいろ入れたみそ汁は、取り分けがラク。赤ちゃんには刻んだうどんも入れてあげます。」(1歳1ヶ月男の子のママ)