生後5~6ヶ月になると、いよいよ離乳食がスタートします。「離乳食ってなんだか大変そう……」「思ったより進まない」そんな不安も、上手な食べさせ方のコツや注意点をおさえておけば大丈夫。ここでは、離乳食を始めるために必要なものや、月齢別にまとめた離乳食の食べさせ方の基本などを紹介します。あれこれ試行錯誤していくうちに、あっという間に過ぎてしまう離乳食期。ママやパパも、親子で楽しい離乳食の思い出をつくりましょう!
離乳食を始めるために必要なものは?
離乳食は短期間とはいえ、専用の調理道具があると便利です。ほかにも、快適に食事が進むように必要なものも。大切に使えば、幼児期まで長く食事をサポートしてくれるものもありますよ。
食器
ベビー用の食器は離乳食の量に適したサイズで、食卓で安定する、すくいやすい形になっています。電子レンジで加熱できるものが便利です。
離乳食スプーン
離乳食スタートのころは、スプーンの皿が小さくて平たいものだと、赤ちゃんが唇で食材を取り込みやすいです。
量を食べるようになってきたら、少しくぼみのあるデザインが食べやすくなります。自分で持つには、短くて太めのグリップが◎。
調理器具
家にある道具で間に合えば特に購入しなくても大丈夫ですが、スタートのころは少なくとも、裏ごし器(万能こし器)とすり鉢があると安心です。
こし網(裏ごし)、おろし板、ジュースしぼり、すり鉢、すりこ木などがそろう離乳食調理セットもあります。
冷凍保存用の容器
おかゆなどの主食や、煮込みうどん、具だくさんスープなどを1食分ずつ冷凍したいときに。重ねやすい形で、冷凍&電子レンジOKのものを選ぶと◎。
エプロン・スタイ
ポケットつきのプラスチック製やビニール製のエプロンは、食べこぼしをキャッチしてくれて、水洗いも簡単。
椅子
最初はママのひざの上で食べたい子も多く、椅子が好きな子も苦手な子もいます。あせらずに食べる様子を見て購入しても遅くはありません。
離乳食の食べさせ方の基本を教えて
離乳食は月齢別に食べさせ方の基本があります。この基本をおさえることで、赤ちゃんも食べやすくなるので是非チェックを。
生後5ヶ月~6ヶ月の基本
・姿勢おすわりが安定しないと、食事椅子に座っても前のめりになってしまいます。最初は抱っこや、背もたれのあるベビーラックがおすすめ。
ママのひざの上なら赤ちゃんも安心なので、最初は抱っこを。そして、片手で体をしっかり支えます。赤ちゃんの上半身を少し後ろに傾けると姿勢にすると、飲み込みやすくなります。
・回数おっぱい・ミルク以外の味に慣れさせる離乳食デビューの時期です。授乳時間の1回を離乳食タイムにしましょう。
・スケジュール授乳時間の1回を離乳食タイムにしますが、授乳時間が一定でなければ、ママの都合の良い時間に。深夜や早朝は避けて、決めた時間を守れると◎。一ヶ月ほどたって2回食にするときは、離乳食の間隔は4時間以上あけましょう。
・量どの食材も1さじから適量まで増やします。10倍がゆは1さじから始めて、慣れたら大さじ2~3くらい。野菜・果物は1さじから15~20gまで。タンパク質源食品は、豆腐1さじから始め、25gまでが適量。肉・卵・乳製品はまだNGです。
・硬さざらつきのない、なめらかなポタージュ状か、プレーンヨーグルトくらいが理想的。慣れてきたら水分を減らし、ベタベタ状にしていきます。
・味付け塩分は赤ちゃんの内臓に大きな負担をかけてしまうため、生後5ヶ月~6ヶ月は味つけをしません。素材の味だけで調理しましょう。だしのうまみや、トマト、果物などの風味を利用してみて!
離乳食中期(生後7~8ヶ月)の基本
・姿勢おすわりがしっかりできるようになったら、椅子に座るほうが、親子ともに落ち着いて食べられます。安定感のあるベビー椅子を選んであげて。
座った姿勢で、手がある程度自由に使えるようになりますが、ママが食べさせてあげるのがベスト。足の裏が床や椅子の補助板について踏ん張れるので、あごや舌に力を入れて食べられます。
・回数授乳2回を離乳食タイムにします。1回目と2回目の間隔は4時間以上あけましょう。
・スケジュール深夜や早朝は避けて、授乳時間を離乳食タイムに。ゴックン期の後半と同じで大丈夫です。1日に2回の離乳食は、間隔を4時間以上あけて、毎日決まった時間にあげられるといいですね。「空腹からしっかり食べる」という、よい循環ができます。
・量2食をきちんと食べるので、栄養バランスも意識して。主食(5倍がゆ)は子ども茶わん半分~八分目くらい。野菜・果物は20~30gくらい。タンパク質源食品は、それぞれ食材の目安量を守ります。
・タンパク質の目安量豆腐 40~45g(湯通しする)
魚 10~15g(白身魚)
肉 10~15g(鶏ささみ)
卵 卵黄1さじ~全卵1/3個(しっかり加熱する)
乳製品 プレーンヨーグルト 50~70g(無糖タイプを)
・硬さ親指と人さし指でつまむと、力を入れなくてもラクにつぶれるふわふわ状にします。モグモグ期前半は絹ごし豆腐、後半は木綿豆腐が目安。
・味付け素材やそのもののうまみやとろみを利用しましょう。味つけするとしても、塩なら1回の食事で0. 1g以下(指先にごく少量つく程度)を目安に。味があるかないかくらいのごく薄味にします。
離乳食後期(生後9~11ヶ月)の基本
・姿勢手づかみだけで食べたい子、スプーンを使いたがる子、さまざまですが、自分で食べたいという意欲が盛んに。ママはサポートしてあげましょう。
テーブルの高さは、無理なく手が届く高さに調節してください。足をしっかり踏ん張れるので、歯ぐきに力を入れてカミカミできます。椅子の下にビニールシートなどを敷いて汚されてもいい環境にしましょう。
・回数朝昼夕と1日3回の食事に慣らしましょう。できれば家族と一緒に食べると◎。
・スケジュール3回食になったら、大人と同じ食事時間に合わせていけるとママもラクですし、赤ちゃんも喜び、いろいろな食品の食べ方を学べます。慣れるまでは、3回のうち1回は軽めの量、半分くらいから始めても。離乳食タイムは間隔をなるべく4時間以上あけて。
・量よく食べる子はなるべく野菜を多めにしてあげて。主食(軟飯)は子ども茶わん八分目。野菜・果物30~40gの1/3以上は緑黄色野菜にできると◎。タンパク質源食品はそれぞれ食材の目安量を守ります。
・タンパク質の目安量豆腐 45g(湯通しする)
魚 15g
肉 15g(赤身を選ぶ)
卵 全卵1/2個(しっかり加熱する)
乳製品 プレーンヨーグルト 80g(無糖タイプを)
・硬さかたさの目安は、親指と薬指でつまみ、軽く力を入れるとつぶれるバナナ。木綿豆腐、やわらかく煮た薄切り・角切りのにんじん、大根なども手本に。
・味付け目安としては、1回の食事で0.1g(指先にごく少量つく程度)、しょうゆ・みそ各小さじ1/7、砂糖小さじ1くらいが限度です。大人には味があるかないかくらいの、ごく薄味にとどめて。
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離乳食を食べさせるときのコツ
離乳食を食べさせるのは試行錯誤の連続ですが、ちょっとしたコツでスムーズに進みます。
赤ちゃんが口を開けてからスプーンをいれる
生後5~6ヶ月の頃は、スプーンで下唇を優しくトントンとふれ、口を開けたらスプーンを水平に下唇にのせます。慣れてくると自分から口をあけてきますよ。
スプーンを引き抜いたあとに、「モグモグしてね」など、声をかけてあげましょう。
温度に気を付ける
離乳食の温度は熱すぎても冷たすぎてもNGです。離乳食ができた直後にあげてしまうと火傷の原因にも。
逆に冷たすぎるのは大人でも食べたくないもの。離乳食に慣れていない赤ちゃんは食べるのに時間がかかってしまうので途中で冷たくなってしまいがちです。そんな時は、電子レンジで少しチンすると、食欲が回復することも!
おなかが空っぽになる前にあげる
おなかがすきすぎていると、赤ちゃんは不慣れな離乳食ではもどかしく、飲みなれたおっぱいやミルクを求めます。空腹になりすぎないうちに食べさせましょう。
調理を工夫する
・生後5ヶ月~6ヶ月裏ごし器の目を通すと、かたまりや繊維が除けてなめらかになります。離乳食スタート時には必須!材料をすり鉢に入れ、すりこ木でかたまりをよくつぶしながら、なめらかにしても◎。
・生後7ヶ月~8ヶ月野菜はやわらかくゆで、2mm角くらいに刻みましょう。葉野菜は縦横に刻んで繊維を断ち切って。鶏ささ身や魚はこまかくすりつぶします。
食べにくさを解消したい時は、水どきかたくり粉でとろみをつけたり、バナナやヨーグルトなどのとろみ食材を使用してもいいでしょう。市販のベビーフードでも対応できます。
・生後9ヶ月~11ヶ月やわらかくゆでたにんじん、豆腐などは7mm~1cm角のコロコロ状が食べられるように。大きい角切りにするのがおすすめ。やわらかい白身魚などは、すりつぶさずフォークでざっくりほぐせばOK!
離乳食を食べさせるときの注意点
ボツリヌス菌が混入していることがある「はちみつ」、のどに詰まらせる危険性のある「もち」、塩分が多くかみにくい「かまぼこ」などはNGです。糖分・油脂が多いお菓子もあげないで!また、「刺し身」「生卵」など、生食もダメです。
また、離乳食を始めると心配になるのが「食物アレルギー」。下痢や嘔吐など消化器系の症状、じんましんなど皮膚症状、ゼーゼーする呼吸器系の症状などがあり、複数起こる場合も。重症だと、アナフィラキシーショックを引き起こす危険性もあります。
乳幼児期の3大アレルゲンは、「卵」「牛乳・乳製品」「小麦」。さらに、1歳では「魚卵」「魚類」、2~3歳では「そば」「魚卵」をプラスして5大アレルゲンといいます。そのほかの食品でも、乳幼児期にはアレルギー反応を引き起こす場合が。その原因はタンパク質。卵、乳製品、魚肉ばかりではなく米や果物など、ほとんどの食品に含まれるので、意外な食品がアレルゲンになる可能性もあります。
アレルゲンになる可能性がある食品として、表示が義務づけられている特定原材料は下記の7品目。表示をよく見て選びましょう。特定原材料に準ずる20品目も合わせて確認してみて。もしもアレルギー症状の疑いがある場合は、自己診断をせずに病院で受診を。
特定原材料7品目
卵
卵白に含まれる「オボムコイド」が、アレルギーを引き起こす主な原因になります。
乳製品
生の牛乳はもちろんのこと、調整乳、乳製品も表示することが義務づけられています。
小麦
パンやパスタなどの摂取がふえているため、アレルギーも増加傾向にあります。
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そば
ほんの少しのそば粉でも、激しいアレルギー反応を引き起こす場合があり、要注意。
ピーナッツ(落花生)
そばと同じく、激しいアレルギー症状を引き起こす場合があるので、注意が必要です。
えび
呼吸器症状を含めた、激しいアレルギー反応を引き起こす場合もあります。
かに
重症だと、激しいアレルギー症状が出ます。ふれるだけで、じんましんが出る場合も。
特定原材料に準ずる20品目
あわび、いか、いくら、鮭、さば、牛肉、豚肉、鶏肉、大豆、くるみ、オレンジ、キウイフルーツ、もも、りんご、バナナ、まつたけ、山いも、ゼラチン、カシューナッツ、ごま