この記事は「斜頭症(しゃとうしょう)」ついてまとめたものです。「斜頭症」とは、向きぐせによる赤ちゃんの頭の変形のことです。頭の形がいびつだと、「ずっとこのままなの?」と心配になってしまうママもいるかもしれません。赤ちゃんの向きぐせによる頭の変形について、小児科の先生に教えてもらいました。
斜頭症とは
向きぐせによる頭の変形のこと
「斜頭症」という言葉はママたちにとっては聞き慣れないものかもしれませんが、わかりやすくいうと、「向きぐせなどによって、頭の形が変形すること」です。
生まれたばかりの赤ちゃんは、一定の方向ばかり向いている、いわゆる「向きぐせ」があることも多いもの。
おなかの中にいるときからずっと同じほうを向いている子もいて、生後2ヶ月ぐらいまでは、およそ7~8割の赤ちゃんに向きぐせがあると言われています。
ずっと同じ方向を向いているために、頭の下になっている部分が平らになるなど、頭の形がいびつになることがありますが、赤ちゃんには珍しいことではありません。
同じように、ずっと仰向けに寝ているせいで後頭部がペッタンコになったり、後頭部だけ帯状に髪が薄くなったりすることもよくあること。
向きぐせによるものなら心配ありません
いわゆる向きぐせによるものなら、生後2ヶ月も過ぎるとさかんに頭をくるくると動かすようになり、変形が進むことはありません。
頭全体の大きさもまだ大きくなり、髪の毛の量が増えたり、伸びたりすることで、多少の変形は気にならなくなることがほとんどです。
向きぐせ以外で斜頭症になる原因は?
首の筋肉にしこりができて起こることもある
単なる向きぐせではなく、首の筋肉が生まれつき短いために、短いほうの筋肉に首が引っ張られ、頭がつねに同じ方向に傾いていることがあります。
これを「筋性斜傾」と言い、生後間もなく片方の耳の横にしこりができることでわかります。
片方の耳の横にしこりができ、しこりがあるほうに頭が傾きます。
筋性斜傾は乳児健診で見つけることができ、特別な治療をしなくても、多くは成長するにつれ自然に治っていきます。
ただし、2~3才ぐらいになっても治らない場合は、手術などの治療が必要になることもあります。気になる場合は、乳児健診などで相談してみましょう。
斜頭症は予防できる?
起きている時間が長くなれば変わってきます
向きぐせを予防することは難しいでしょう。向きぐせによって頭の形が多少いびつになったとしても、成長とともに変わっていくことが多いため、あまり神経質になることはありません。
ただ、赤ちゃんによっては、いつも下になる部分の皮膚が汗などでむれ、湿疹ができたり、ただれたりすることがあります。
その場合は、枕やタオルを使って反対側を向かせるなどの工夫をしてみましょう。市販のドーナツ枕などもありますが、タオルをくるくると巻いたものでも代用できます。
斜頭症の治療法は?
ヘルメットで矯正する方法も
医療用のヘルメットなどで矯正する方法もありますが、いわゆる向きぐせであれば、そこまでしなくてもいいでしょう。
向きにくい方向に音の出るおもちゃを置く、向きにくい方から話しかけるようにする、添い寝をするときには向きにくい方にママが寝るなど、日常生活でできる工夫をしてもいいですが、あまり心配しすぎず、おおらかな気持ちで見守っていけるといいですね。
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