検索
カテゴリー一覧
赤ちゃん・育児
MENU
Copyright (C) SHUFUNOTOMO Co., Ltd. All Rights Reserved.
はいはいが自由にできるようになり、ますます目が離せなくなる生後9ヶ月の赤ちゃん。さわったりなめたりなど「探索行動」も活発に。ここでは、生後9ヶ月の赤ちゃんの成長と発達のほか、1日の過ごし方やこの月齢ならではの疑問に専門家が詳しくお答えします。
この時期の赤ちゃんは、好奇心、探究心にあふれています。探索をするなかで、びっくりしたり、大喜びする気持ちは、表情にもあらわれます。
生後10ヶ月近くなると、下の歯2本、上の歯2本の計4本の歯が生える子が増えてきます。歯みがきはぜひ習慣にしましょう。
指先がいっそう器用になり、親指と人さし指の2本の指で、小さなものをつまむこともできるようになります。この動きが今後、道具を使うことにつながります。
下半身をコントロールする力がついてきて、地面にひざをついた四つばいだけでなく、足の裏だけをつけた「高ばい」をしたり、つかまり立ちをするようになります。
●ストローやコップで飲めるように
ストローやコップで飲める子が増えます。練習するなら少量で、大人が手を添えてあげましょう。1歳過ぎまでにできればいいので、あせることはありません。
●親指と人差し指でつまんでめくる
”2本の指でつまむ”という器用な動作ができるように。指先でつまんでページをめくる絵本は、赤ちゃんの好奇心を刺激します。
はいはいがますます上達し、あと追いしてトイレまでついてくる子もいます。ママは困ってしまいますが、赤ちゃんをひとりにするよりは安心と切りかえて、しばらくつきあってあげるといいですね。
つかまり立ちを始める子もいます。大人の足や低いテーブルにつかまって、グイッと体を持ち上げ、背骨を伸ばします。2本の足で全体重を支えるという、赤ちゃんにとって革命的な瞬間です。視線が高くなり、探究心はさらにかきたてられるでしょう。
指先はより器用になって、親指と人さし指の2本で物をつまめるようになります。これは、霊長類(ヒトとサル)だけに見られます。「道具を使う」という行動には欠かせない能力なのです。
運動量がふえ、下半身に筋肉がついてきて、体つきが引き締まってきます。下の前歯から生え始めた歯は、下2本、上2本に増えます。乳歯はむし歯になりやすいので、食後はガーゼでふいてあげるなど、歯みがきの習慣をつけましょう。まねっこが好きな時期なので、大人が歯をみがく姿を見せるのも効果的です。
音にも敏感になり、リズム感のある曲や楽しい曲に合わせて体をゆらす子も多く見られます。ママも一緒になって遊べば、赤ちゃんはさらに喜ぶでしょう。
「赤ちゃんが静かな時ほど要注意!」ということを、先輩ママから聞いたことはありませんか?この時期の赤ちゃんは好奇心でいっぱい。興味のあるものへ突進し、大人がどう思おうが気にすることなく、なめたり、ひっくり返したりするからです。
このような探索行動は、この時期の特徴です。成長するにつれ、おさまってくるでしょう。
心の発達は、遊びの変化にも結びついています。「ちょうだい」「どうぞ」「ありがとう」などのやりとり遊びや、「いないいないばぁ」などの記憶遊び、大人のまねっこなど、かかわり方のバリエーションも増えます。赤ちゃんはママ・パパが大好き。積極的に関わってあげましょう。
離乳食が1日3回食になるので、家族と同じ時間に食べるなど、規則正しいリズムを心がけることが大切です。しっかり食べられているなら、授乳の量や回数を減らしていきましょう。野菜スティックなどを用意してあげると、手づかみ食べの練習になります。
●離乳食は1日3回に
●カミカミして押しつぶせるバナナくらいの固さが目安
記事を読む⇒⇒⇒離乳食後期(9~11カ月・カミカミ期)の進め方・固さ・大きさ・量の目安と食材&おすすめレシピ
H・Nちゃんの場合
身長68.4cm 体重7965g(撮影日/生後9ヶ月16日目)
活発で、起きているときはずっと体を動かしています。子ども用のテントを購入したので、リビングに置きましたが、しばらく怖がって入れませんでした。今では、はいはいで出たり入ったり、楽しそうにしています。
運動量は多いはずですが、夜、寝かしつけようとしても、寝るのがもったいないといわんばかりの抵抗ぶり!ママは眠くて眠くてたまらないというのに、なぜ寝ない!?
離乳食は3回食に。食欲旺盛で、保育園の給食も、いつも完食しているようです。
〈Hちゃんの24時間スケジュール〉
1:00 ねんね
6:00 ママ起床、離乳食作り
7:00 離乳食、パパママ朝食
9:00 保育園へ
10:00 お昼寝
11:00 離乳食
13:00 お昼寝
15:00 ミルク
16:00 保育園お迎え
17:00 帰宅、ママ離乳食準備
18:00 離乳食
19:00 お風呂
20:00 パパ帰宅
21:00 ねんね、パパママ夕食
22:00 ママ家事
24:00 パパママ就寝
〈離乳食メニュー〉
1回目:フレンチトースト、にんじんとほうれん草のサラダ
2回目:グリーンピースとしらすのマカロニ、バナナとさつまいもの羊羹風
3回目:けんちんうどん
新聞紙や雑誌を破くのは得意技。両手を器用に使って、ビリビリします。このまま口に入れてしまうこともあるので、ママは目が離せません。
食への関心が強いようで、食事中にいちばんいい笑顔が出ます。野菜スティックやパンを手づかみで食べることもじょうずで、保育士さんからほめられました。
机やソファだけでなく、壁や窓などの垂直な面でも、手をついてつかまり立ちができるようになりました。
少し前は、力がコントロールできずしりもちをついていましたが、今はおしりをゆっくり落として、座れるように。
「あちゃ、えちゃ、だ」と、まるで意味のあることをしゃべっているみたいに、お話しします。ママがこたえると、さらにおしゃべりで返してくれます。
「これ見て!」とママが指さすと、ママの指ではなく、さし示したものを見るようになりました。少し遠くも見えているみたい。
はいはい、つかまり立ちと行動半径が広がってくるので、家具の角にカバーをつけるなどの対策も必要になります。レース柄のかわいいコーナークッションは100円ショップで購入。
離乳食は1日3回、お昼寝は午前と午後の1回になるなど、生活リズムを整えやすくなります。夜ふかしの家庭は、早起きにシフトしましょう。
この時期の赤ちゃんは、言葉の理解がさらに深まってきます。読み聞かせを楽しむのもいいですね。きれいな色や単純な絵がかかれた絵本、いないいないばぁなどの遊べる絵本を読んであげて。心の中に、たくさんの言葉が積み重なっていくでしょう。
運動能力も発達して、外遊びや、外出の機会もふえます。いろいろな刺激を与えるため、外に連れ出すのは大切なこと。しかし、風邪などをうつされる機会が増えることも認識しておいて。流行期には人混みを避けるなどの予防策が必要です。
A. 危険なものはあらかじめ片づけておいて
リモコンをなめたり、ペットのごはんに手を突っ込んだり、ティッシュペーパーを最後まで引っぱり出したり・・・。ママやパパはダメ、汚い、危ない、としかり続けてしまいますね。
でも、この時期の赤ちゃんの探索行動は、今後の成長において、好奇心や意欲の源になります。「なんだろう」「不思議だな」という気持ちを育むために、危険なものはあらかじめ片づけ、ママ・パパの「ダメ」を減らしましょう。
A.離乳食の時に添えて興味を持たせて
生後9ヶ月だと、ストローや持ち手つきマグをいやがる赤ちゃんも多く、まだ哺乳びんから飲んでいても問題ありません。ただ、授乳の時間はきちんと決めて、一日中だらだら飲ませることは避けましょう。
ストローや持ち手つきマグに慣れさせたいなら、離乳食を食べるときにそばに置き、興味を持ったらいつでも飲めるようにしておくといいですね。
いやがる場合は無理じいすることはありません。習慣づけ、少しずつ練習することで、やがて飲めるようになるでしょう。
記事を読む⇒⇒⇒ストロー飲みはいつからできる?簡単な練習法とおすすめストローマグを紹介!【専門家監修】
A.直したりせず、自然に任せましょう
赤ちゃんは、最初は左右どちらの手も同じように使います。次第によく使う手が決まってきますが、きき手がはっきりするのは4歳頃といわれているので、今、左手をよく使っているからといって、左ききとは限りません。無理に右手に直させたりせず、自然に任せて使いたいほうの手を使わせてあげましょう。
●きき手はいつ決まる?
きき手は大脳が決めています。無理に直そうとすると、吃音(きつおん)など、影響が出ることもあるようです。きき手は2歳頃にわかってきますが、3歳頃に変わることもあり、4歳頃にはっきりするといわれています。もし左ききとわかっても、その子の個性と思って受け入れて。左きき用のはさみや包丁もあります。
A.ママやパパがモグモグして見せるのも効果的
離乳食をかまずに丸飲みするのですね。生後9ヶ月では離乳食をあまりかまずに飲んでしまう赤ちゃんも多いので、あせることはありません。
じゃがいもなど歯ぐきでつぶしやすいものや、野菜をやわらかくゆでてこまかく刻んだものなどを食べさせ、様子を見ながら徐々に大きくするなどの工夫をしましょう。「モグモグしておいしいね」と、ママやパパが口を動かしながらかんで食べる様子を見せるのも効果的です。
A.消化できない食べ物が出ただけなので大丈夫
離乳食を始めると、うんちの形状や回数が変化する赤ちゃんは多いもの。離乳食で食べたものの一部が消化しきれずに、ほぼそのままの形でうんちにまじって出ることもあります。ママはびっくりするかもしれませんね。
下痢や便秘がなく、体重も増えているなら、必要な栄養はとれているので安心を。ただ、赤ちゃんは大人よりも消化する力が未熟です。消化しやすい食材を選び、やわらかく加熱するなど、調理法でも工夫をしてあげましょう。
A.今しかできないふれあいを楽しんで
まだ生後9ヶ月ではひとりで眠るのはむずかしいかもしれませんね。赤ちゃんは1歳を過ぎるころから卒乳をしたり、おしっこやうんちが出たら教えたり、ひとりで寝たりという練習を始め、乳児から幼児の生活へと移行していきます。
その頃になれば、自然にひとりで寝られるようになっていくはずです。添い寝や添い乳ができるのは、長い子育て期間のうち、わずかな時期だけ。もう少しの間、今しかできないわが子とのふれあいを楽しむのもいいものですよ。
A.水分がとれて眠れるなら翌朝でもOK
これくらいの月齢になると、熱をしょっちゅう出す子もいます。夜中でも受診するべきか悩んでしまいますね。
実は、本当に夜間の緊急受診が必要なのは、ごくわずかです。熱が高くても水分がとれてウトウトでも眠れるなら、朝まで待って通常の診療時間に受診しても、まず問題ありません。
夜中に出かけて疲れるよりも、家でゆっくり寝られるほうが赤ちゃんにも負担が少ないと考えましょう。ただ、下記のようなケースは、夜中でも受診が必要です。
●生後3ヶ月以内の初夏
●下痢や嘔吐が激しく、水分がとれない
●意識がぼんやりしている
●熱の上がり下がりが激しいなど、パターンが一定しない
●呼吸が苦しそう など
体温表や嘔吐・下痢の記録をつけておくと、受診時に参考になります。普段と明らかに違う泣き方、苦しそうに泣くときなども、重大な病気の可能性があるので即受診を。
A.おすわりができているなら心配しないで
おすわりやつかまり立ちはしても、はいはいをしないのですね。はいはいをするのは生後8〜9ヶ月頃からといわれています。ただし、発達には個人差があるので、おすわりやつかまり立ちをするならば、あまり心配しなくていいでしょう。
おすわりをあまりしない子や、四つばいをせず、ずりばいからそのまま立つ子など、発達のパターンは赤ちゃんによってさまざまです。また、はいはいが始まるためには、発達が進むだけでなく、「動きたい」という赤ちゃんの意欲がきっかけになります。おすわりで静かに遊ぶほうが好きなど、その子の好みもあるかもしれません。
どれもその子なりの成長の過程であるので、あせらずに、個性のひとつととらえてあげるといいですね。
パラシュート反射やはいはいの様子などを観察します(下記は一例)。
●パラシュート反射
体を持ち上げて、急に前に傾けたとき、両腕を前に出す反射が出るかどうか調べます。ひとり歩きの準備が整っているかを見る目的があります。
●はいはいの様子
ずりばいや高ばいでも、好きな方法でOK。
●つかまり立ちの様子
壁につかまらせて立てるかチェック。むずかしいので、まだできなくても心配いりません。
●手指の動き
積み木など小さいものを指先でつまめるか、末梢神経が働いているかを観察します。
_______
記事を読む⇒⇒⇒抱っこするまで泣き叫ぶ!ずりばいするのにはいはいしない!9ヶ月赤ちゃんの気がかりまるっと解決
記事を読む⇒⇒⇒赤ちゃん「何でもポイポイ投げる」の謎。やめさせるべき?注意の仕方は?【小児科専門医監修】
『はじめてママ&パパの育児』の内容をウェブ掲載のため再編集しています。※情報は掲載時のものです