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「家庭での対策とともに、私たち大人が社会全体で子どもの成長の機会を取り戻していくことも考えないといけません。
学校や地域の集まりなどでも、密になることを禁止することは簡単。だけど、それでは今までの特殊な3年間と同じになってしまいます。
例えば『感染防止をしながら合唱コンクールをするにはどうしたらいい?』『運動会で玉入れをするとして、どうやったらディスタンスを取りながら楽しくできるかな?』など、親御さんと先生たちが連携を取りながら、子どもと一緒に考えてみるといいでしょう。子どものやわらかい頭で、きっといいアイデアが浮かぶと思います。
奈良県のある高校では、子どもたちが考えた結果、VRを駆使した文化祭を行ったそうです。VRで大仏様の頭の中を覗くイベントを開催して、コロナ禍だからこそできる文化祭の好例だと思います。
こんなふうに、何でも禁止にするのではなく、コロナ禍だからこそできることを子どもの声を聞きながら、一緒に新しい方法を考えていくことが何よりも大事だと思います。
コロナ禍になり、私たち大人も初めての経験で、子どもたちの心身の健康にまで気が回らないことはたくさんあったと思います。残念ながら子どもたちの成長の機会はずいぶんとそがれてしまったことは事実です。
その事を私たち大人はしっかりと意識をして、失われたものをカバーすることに少しずつ目を向けていきましょう。
子どもたちの持っている力はすごいですから、今から心がけていけば必ずリカバリーできるはずです」
前回のお話⇒⇒⇒「孤独感」が最も強い日本の子どもたち。子どものSOSサインを見逃さないためには?|尾木直樹さんインタビュー〈前編〉
〈PROFILE〉
尾木直樹●教育評論家。法政大学名誉教授、臨床教育研究所「虹」主宰。大学で教壇に立つかたわら、情報番組のコメンテーター、バラエティ番組出演など多方面で活躍。子どもの教育問題、いじめ・体罰問題などに関する著書多数。
取材・文/佐藤真紀 ※記事の内容は2022年11月時点のものです