「地域の人々の居場所になりたい」という強い想い
―――もっとこのような場が広がっていけばいいなと思うのですが、それは難しいことなのでしょうか?
「いろんな場所でやってくれませんか?とか、同じような形でやりたいと思っています、という見学の人もいらっしゃいますが、なかなか広がっていかないんですよね。
というのも、福祉事業は障害、子ども、高齢者という縦割りなんです。それをうちの場合は横とか斜めとかにつなげているわけですが、そこがなかなか思うように進まないと聞きます」
―――自治体によっての違いや制度上の問題が多いのでしょうか?
「『小金井市は理解がありますね』とよく言われますが、制度上の問題というよりも、理解してもらえるように行政に働きかける気持ちが大事なように思います。
『外に対して開放して何か事故があったらどうするんだ、という反対の声が大きくて断念しました』という話も耳にしますが、それはどちらかと言うと制度ではなくて、人の気持ちの問題かなと」
―――何かあったらって考えだすと、きりがないですしね。
「どこのどんな場面にでも何かあるんですよ。それがうちのような高齢者と子どもたちの組み合わせに、さらに障害をもつ人もいるとなると、どうしてみんな“何かある”ってなってしまうんでしょうね。そうでなくても何かあるのにね」
―――ここはとてもゆったりしていて、みんながそれぞれ自分のペースで過ごしていて、何かあったら…とは程遠いように感じます。居心地がよくて、親戚の家にいるみたいです。
「大学生や高校生になった子たちが小学生の時に遊んでくれていた赤ちゃんが、小学生になって、今、その小学生が小さな子たちの面倒を見てくれています。
高校生がここに来て「うわぁ懐かしい」とか、子どもたちに「大きくなったね!」と声をかけたりしているんですね。一丁前で笑っちゃいますが、なんとも幸せな気持ちになります。
何でも10年以上やってみるもんだな…と、最近しみじみ感じています」
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地域の方々と繋がることで生まれるものとは?SNS時代の子育て、今だからこそ大切にしたいことはコレ!〈PROFILE〉森田眞希
●NPO法人「
地域の寄り合い所 また明日」代表理事。総合施設長、コーディネーター、保育士。
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