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2021.08.21

産後の悩み

帝王切開の“痛み”がつらいってホント!? いつまで術後の傷は痛む?【産婦人科医監修】


帝王切開による傷の痛みはいつまで続くの?

帝王切開の手術の傷が完全に回復するには個人差があり、6ヶ月~1年ほどかかります。傷の回復の過程は、炎症期、増殖期、成熟期の3期に分かれます。

帝王切開後は、8日前後の入院が必要です。通常の分娩であれば5日前後の入院ですが、手術の傷の回復のため、帝王切開の場合は入院期間が長くなります。産後1ヶ月に母子健診があるので、そこでも傷の回復経過を確認します。

炎症期~かさぶたができるまで~

一般的に、傷の痛みは術後3~4日目までがもっとも強いといわれます。この期間を患部の「炎症期」と呼ばれ、皮膚が再生して傷口が閉じていくのですが、この際に皮膚に痛みや腫れが生じることがあります。

増殖期~かさぶたがとれて痒くなるまで~

「増殖期」は術後2週間くらいまでのこと。新しい細胞が増殖して傷になった部分を埋めていく期間です。強い痛みはありませんが、軽い痛みや痒み、皮膚の赤みなどが見られることがあります。

成熟期~傷あとが目立たなくなるまで~

3週間を過ぎたら「成熟期」に入り、6ヶ月~1年を目安に回復に向かいます。細胞の活動が落ち着いて痛みや痒みは徐々になくなり、傷あとも白く目立たなくなっていきます。ただ、まれに傷口に何らかの異常が起こった場合は、赤く盛り上がって目立つように残ってしまうこともあります。

帝王切開による痛みの原因は2つ

帝王切開後の痛みの原因には、2つあります。ひとつは開腹手術による傷あとの痛みで、もうひとつが子宮収縮による痛みです。

開腹手術による傷あとの痛み

帝王切開の手術は、麻酔をして、下腹部の皮膚、皮膚の下にある脂肪組織、筋膜、腹膜を切開し、子宮にたどりつきます。おなかを切開してから5分前後で、赤ちゃんが子宮から取り出されます。胎盤もとり出したら、切開部を縫合します。麻酔をかけてから1時間くらいで手術が終了します。

手術中は麻酔が効いているので痛みはありませんが、麻酔が切れたら痛みだします。

子宮収縮による痛み

赤ちゃんを取り出したあとの子宮収縮による痛みを「後陣痛(こうじんつう)」と呼びます。胎盤を出したあとに起こり、その後も子宮が元の大きさに戻るために繰り返し収縮します。帝王切開の場合は、陣痛を待たずに手術を行うことが多いので、後陣痛の痛みをより強く感じる傾向があります。また、開腹手術による傷が子宮にあるために痛みも強くなります。時間経過とともにだんだん弱くなりますが、産後しばらくは授乳のたびに感じることもあります。これは赤ちゃんが乳首を吸う刺激で、脳から分泌されるオキシトシンというホルモンが子宮の収縮を促すからです。

帝王切開による痛みがひどい!どんな対策があるの?

痛み止めの処方について

後陣痛は、子宮が元の大きさに戻ろうとしているときに起こる痛みですが、眠れないほど痛いときは医師に相談を。子宮の戻り具合に問題がなければ、内服薬の鎮痛剤が処方されます。

開腹手術後の傷の痛みには、いくつかの鎮痛方法があります。硬膜外麻酔(※1)で帝王切開をした場合は、術中に使用したカテーテルに鎮痛薬を投与して痛みをコントロールします(術後疼痛除去・じゅつごとうつうじょきょ)。痛みは徐々に治まりますが、痛いときは我慢せず、医師やスタッフに伝えましょう。カテーテルをはずしたあとは、内服薬、注射薬、座薬の痛み止めなどが処方されます。どれも母乳に影響しない薬剤が処方されます。手術の傷あと、後陣痛ともに日が経つにつれ落ち着いてきます。帝王切開の入院は8日前後。入院最終日の診察で異常がなければ退院できます。

※1硬膜外麻酔:背骨の中にある脊髄周辺にカテーテルを入れ、手術時には麻酔薬、術後にはこのカテーテルを通じて鎮痛薬を注入して、痛みを和らげます。

テーピングについて

傷は力がかかることで悪化します。傷あとをきれいに治すため、抜糸が終わったら傷あとを医療用テープで保護し、乾燥や摩擦から守りましょう。しかし、医療用テープにかぶれてしまう人もいるので、使うときは医師に相談してください。

次ページ > 帝王切開後の生活はどんな感じ・・・?

構成・取材・文/白木紀子 校正/主婦の友社 『いちばんよくわかる妊娠・出産』の内容をウェブ掲載のため再編集しています。※情報は掲載時のものです

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【監修】 小川 隆吉 小川クリニック院長

日本医科大学卒。都立築地産院産婦人科医長として勤務する傍ら、日本医科大学産婦人科講師を兼任。1995年小川クリニックを開設。医学博士、日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医。妊婦さんの疑問や悩みに真摯に応えてくれる、気さくで頼りになるドクターです。

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