赤ちゃんの「好き」を糸口に食の世界を広げよう
ーーー月齢が進むにつれて、好き嫌いがでてきたり、食べ物で遊んでしまったり、ママにとっては困った行動も増えてきます。自分で食べようとしない、という悩みもよく聞かれます。
「苦手な食材が多い、お皿の中をぐちゃぐちゃにしてしまう、テレビを消すと泣いてしまってごはんどころじゃない・・・。
いろんな『困った!』がありますよね。でも、ママが『はいごはんですよ。絶対完食して!お願いだから!』って必死になりすぎると、かえって逆効果なことも。
食べることが楽しくなるような、思わず手を伸ばしたくなるようなしかけができるといいですよね」
ーーーあまこさんのおうちでは、スーパーでいっしょに野菜を選んだり、キッチンで作っているところを見せたり、食卓以外での「食体験」を意識しているそう。今では、兄弟2人ともお手伝いが大好き!
「ディップにつけて食べるとか、テーブルに出してからケチャップでお顔を描くとか、そんな小さな演出でも子どものテンションは上がります。
好きな色や形で興味をひくのもおすすめです。あと、本当に食べることに気持ちが向かないときは、『ひと口でも食べてくれればOK!』と、親も気持ちを切り替えちゃう。
どうしても食事イスにすわらないときには、遊んでいる横から「ほら、ごはんだよー」と食べさせちゃうこともありますよ。
そうすると、本人も空腹だったことに気づいて、ごはんモードになったりして。“食べないっ子”は、どんな形であっても食べたという事実が大切なんだと思うんです。それが子どもの自信にもつながる。
できないこと、苦手なことに目を向けるより、できたこと、好きなことを見てたくさんほめる。大丈夫、今はできなくても、いつかはできるようになる!」
あまこようこ
●料理研究家、フードコーディネーター。雑誌や書籍、テレビ、広告などで、作りやすく、目にも舌にもおいしいレシピを提案中。長男のそうりくんとの日々を、食の工夫を中心につづったエッセイ
『食べないっ子も、いただきます! うちのやさしいかいじゅうごはんレシピ』(東洋館出版社)も好評。