職場でのモラハラの特徴とは?事例もあわせて確認!
職場におけるモラハラは、夫婦や恋人間でのモラハラとは少し異なり、苦痛を与える言葉や態度などを直接向けられるほか、メール・文書などを用いたり、まわりの人を巻き込んだものが見られるのも特徴です。
業務の進行や、良好な人間関係の構築などを妨げて労働環境を悪化させ、最終的には退職へと追い詰めるケースも少なくありません。ここからは職場でのモラハラの特徴について、具体的な例を挙げながらいくつか紹介していきます。
【ケース①】暴言や態度による精神的攻撃
発言や態度などによるモラハラです。例としては「バカ」や「クズ」などの暴言を直接相手に言ったり、わざと本人に聞こえるように悪口を言ったり、人を侮辱するような動作や行為をすることを指します。
自分が発言するときにだけ必要以上にため息をついたり、仕事上での失敗を執拗に責めたりするケースもみられます。
【ケース②】無視や仲間外れによる孤立
仲間から孤立するように仕向ける行為です。挨拶や発言などが日常的に無視されていたり、社内イベントや社内旅行、飲み会などに自分だけ誘われなかったりするほか、会議の時間や場所など、業務に必要な情報をもらえずに自分だけ遅れてしまうなど、業務に支障が出てしまうケースも多いようです。
表立って行われないことが多いため、なかなか目立ちにくく、周囲の人が気付かないことも少なくありません。
【ケース③】必要以上のプライベートへの干渉や侮辱
業務の範囲を超え、必要以上にプライベートを干渉したり、侮辱するのもモラハラにあたります。この場合、被害者側に悪気がなく、本人は無自覚であることが多いのが特徴。
具体的な例としては、休日や就業時間外に勝手に予定を入れられたり、自宅に強引に押し掛けたりするなどのケースがみられます。
また、趣味や嗜好のことを持ち出してバカにするなどの侮辱行為も該当します。
【ケース④】仕事を振らない、または押し付けるなど業務の妨害
仕事をまったく振らなかったり、逆に過剰な量の仕事を押し付けたりするなどで、仕事の妨害をする行為です。わざと仕事の資料を渡さなかったり、間違った指示を出したりするケースもあるようです。
さらに悪質になると、仕事を妨害して失敗させ、会社に必要がない人間だと思わせた上で、退職を迫るというケースもみられます。
【ケース⑤】周囲を巻き込んだ攻撃や侮辱
大声で叱責したり、他の人がいる前で侮辱する行為です。飲み会などの席で自分だけがいつもいじられたり、笑い者にされたりするという事例もあります。
このようなモラハラをする加害者は、自分を正当化したいために、周囲を巻き込んで相手を攻撃することが多い傾向です。
これが日常化してしまうと周囲がその光景に慣れてしまい、ますますエスカレートしていく可能性があるため注意が必要です。ケースによっては「侮辱罪」が認められ、損害賠償請求できることもあります。
女性に対して行われるモラハラの特徴
モラハラは男女問わず行われるものではありますが、女性へのモラハラに関しては特徴や背景について、男性に対するものとは少し異なる点があります。
近年、女性の社会進出が顕著になり、徐々に風潮が変わってきましたが、日本では男尊女卑の考えがいまだに根強く残っていたり、まだまだ男性が優位の会社も多くあります。そのため、男性の中には出世したり成果を出す女性に対して、嫉妬心からモラハラなどのハラスメントに発展してしまう人もいます。
また、産休や育休の取得に際して退職を促されたり、休暇を取らせてもらえなかったり、育休から復帰したあと、仕事を任されなくなったりするなどの「マタハラ」(マタニティハラスメント)に悩む人も多く存在します。女性ならではの問題であるこのようなケースでは、加害者は男性だけというわけでなく、同じ女性であることも少なくありません。