2019年から『虹色の朝陽』のタイトルで、YouTubeチャンネルやインスタグラム、Voicyから、発達障害のある息子・朝陽くんの子育てについて発信している中尾きみかさん。コミュニティ上でフォロワーやリスナーとの交流を活発に行い、同じ悩みを持つママから絶大な支持を得ています。
前編では、子どもの障害をなかなか受け入れることができなかった日々のことなどについてお話を伺いました。後編は、朝陽くんが成長したからこその悩み、逆にうれしかった出来事など、現在の朝陽くんのことを中心にインタビュー。
友達のおうちへ遊びに行く日が来るとは思ってもみなかった!
――小学2年生になった朝陽くん。現在の状況について教えてください。
「朝陽はこれまでは友達に興味がなくて、ひとり遊びをすることが多かったのですが、最近は友達を家に連れてくることが。関心がなかったのか、覚える気がなかったのか、お友達のお名前が答えられなかったくらいだったので、すごく成長を感じますし、よかったなと思います。
2年生になるとさらにハードルが上がり、お友達の家に朝陽が遊びに行くようになりました!
でも本当に約束をしたのか、何時に遊びに行っていいのかもわからなくて、私が戸惑うこともあります。朝陽は記憶力が曖昧なところがあるので、ちょっと間違えてしまうんですよね。
例えば、公民館で待ち合わせだったのに、直接おうちに行ってしまったり…。本当に心配なのですが、エアタグを朝陽のバッグにつけて、ちゃんとお友達の家まで行けたかを確認しています。
心配なこともありますが、まさかお友達の家に遊びに行ける日が来るなんて思ってもいなかったので、世界が広がっていくし、すごいなと思います」
――うれしい成長ですね!その一方で、成長したからこその新たな悩みなどはあるのではないですか?
「今気になっているのは、自分に自信がないところです。
小学1年生のころは、ただただ楽しく学校に通っていたのですが、特性を持っているがゆえに注意されることが多いんです。できないことや理解されないことが多い分、注意されることが増えているようです。先生に注意されるたびに『できない…』となってしまって。
『宿題のプリント一緒にやるよ』と声をかけると、『あ、それ俺のできないやつや』と言ってみたり、『学校で九九ができたんでしょ?聞かせて』とお願いしても、『失敗するもん』と否定から入るんですよね。親としては、自信がない部分に自信をつけてあげたいなとは思いますね」
「朝陽の好きなキャラクターを取り入れて学習することも」
――そのことに対して何かフォローはされているのですか?
「基本的には『朝陽ならできるよ!』などと声掛けをしています。また、先生方もお忙しいしご負担になるかもしれませんが、『もし注意するときは、ひとつでもいいから朝陽のよかったところを褒めてもらえると、朝陽もうれしいと思います』と連絡帳で伝えたりもしています。
先生に直接言いづらいことは、スクールカウンセラーを利用して相談もしています」
ペットを飼って「朝陽は面倒見がよい」という新たな魅力を発見!
――中尾さんから見て、朝陽くんのいいところを10個挙げるとしたら、どんなことでしょう?
「一番は明るいところ、二番は素直なところです。あとは、まじめで約束を守るところ。私が何かルールを破ろうとしたら、それはダメだよって教えてくれます(笑)。
年下の子にやさしいのもいいところだと思います。末っ子なので下の子がいないから、保育園のとき、わざわざ赤ちゃんクラスに行ってお世話をしていたこともありました。
――朝陽くんは面倒見がよいタイプなのですね!
「赤ちゃんを産んでと言われたこともあるのですが、もうその予定はないので、最近ペット(チワワ)を飼い始めたんです。クリニックの先生にも、『動物に触れると心が落ち着くから飼える環境なら飼うのがいいかもしれません』と言われて。
ゲームばかりしていた朝陽が、お水や食事などのお世話をするようになりました。面倒見がいいと気づけたのも新たな発見でしたね。
学校でも生き物係をしているようで、動物や生き物にやさしいのは私としてもうれしいです。…今で朝陽のいいところ何個挙がりましたか?(笑)
――6個挙がっています!(笑)
「あとは、兄弟仲良くしてくれるところ、よく笑うところ、トラブルはありますが、友達にやさしいところ。モノを大切にする気持ちも強いです。
作ってきたけん玉のひもが絡まってしまったので、もう捨てていいんじゃない?と言ったら、こうしたら使えるかも…と直して、うれしそうにしていました。ただ、家にモノが溜まっていってしまうので、悪い点とも言えるかもしれませんが(笑)」
――朝陽くんにはステキな魅力がたくさんありますね!お兄ちゃんたちはどうですか?
「長男はまじめでやさしく、努力家でがんばり屋さん。次男は好奇心旺盛で物怖じしないところがいいと思っています。3兄弟で唯一私に手紙やプレゼントをくれるのも次男です。
3人のいいところばかり話すとすごく立派な兄弟に聞こえますが、日々バトルの毎日でため息が多いのが現実です(笑)」
「3人それぞれにいいところがあります」