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2021.08.21

病気・ケガ・救急

夜になると熱が出る原因は? 病気の判断基準と対処法【小児科医監修】

熱が出るのは夜だけ、朝になると平熱に戻る……、子供や赤ちゃんは、そんなふうに熱が上がり下がりすることがあります。この記事では病気かどうか判断する目安や、夜だけ熱が出る原因、対処法を取り上げました。

夜になると熱が出る! これは病気なの?

夜になると熱が上がるけれど、日中は平熱という場合、「これは病気なの? 病院へ行くべき?」と迷いますね。病気かどうか判断するポイントと、夜に熱が上がる原因として考えられるものをここではご紹介します。

病気ではない、と考えられるケース

・夜間の熱が37度4分以下

・ごきげんでよく遊ぶ

・食欲があり水分もとれている

・いつも通りに睡眠がとれている

夕方から夜にかけては、大人、子供問わず、体温が高くなりやすい傾向があります。体温には日内変動といわれるリズムがあり、早朝が最も低く、夕方に最も高くなりやすいのです。

食事をとったり動いたりといった活動も体温を上昇させます。夕食後や入浴後は熱が高くなりやすいタイミングといえるでしょう。

また、子供や赤ちゃんは体温調節機能が未熟です。そのため、外気温や室温、温かい布団の中で熱がこもるなど、環境の影響を受けて体温が上下することもあります。

これらの理由で熱が一時的に高くなっている場合は、病気ではありません。赤ちゃんや子供は大人より平熱が高いため、一般的に37度4分までは平熱とされています。ですから、37度台前半の熱で、様子もいつもと変わりなく元気という場合、ほぼ心配しなくても大丈夫です。

ただし、平熱には個人差があります。平熱が低めの赤ちゃんや子供の場合は、37度台前半が微熱であることも。元気なときに、朝昼夜の1日3回、体温を測り、赤ちゃんや子供の平熱を把握しておくことをお勧めします。

病気の可能性があるケース

・37度5分以上の熱

・機嫌が悪い

・食欲がない

・夜中に何度も目を覚ましてぐずる

赤ちゃんや子供の場合、一般的には、37度5分~37度9分までの熱を微熱、38度以上なら発熱と考えます。たとえ夜だけでも熱があるなら、不調があるサイン。特に38度以上の発熱なら何らかの病気の可能性が高くなります。

夜だけ熱が上がる理由のひとつとして考えられるのが、炎症を抑える働きをする副腎皮質ホルモンです。このホルモンは、朝から午前にかけて多く分泌され、夜にかけて減少していきます。そのため、体の中に炎症があると、副腎皮質ホルモンの分泌が少なくなる夕方以降に、熱が上がりやすくなります。

また、微熱程度でも、機嫌が悪い、食欲がないなど、いつもと違う様子が見られるなら、不調のサインの可能性が。子供や赤ちゃんの様子をよく観察したほうがいいでしょう。

夜になると熱が出るときの受診の目安は?

夜に37度5分以上の熱があった場合、翌日は平熱であっても、子供や赤ちゃんの様子をよく観察します。日中は元気で食欲もあり、水分もとれていてよく遊ぶなら、1日くらいは様子を見てもいいでしょう。

診療時間に受診

次のような場合は、朝に平熱に戻っていたとしても、診療時間内に病院を受診します。

・グズグズしていて機嫌が悪い

・食欲がない、水分がとれない

・咳や下痢、嘔吐、発疹など熱以外の症状がある

・何となくいつもと違う、おかしいと感じる

・夜になると熱が出る状態が2日以上続いている

夜中でも大至急、受診

夜に熱が出て、次のような様子が見られる場合は、朝まで待たずに、病院へ急ぎましょう。

・生後3カ月未満で熱を出した

・嘔吐をくり返している

・尿量が明らかに少ない

・呼吸が苦しそうで、小鼻がピクピクしている

・呼びかけに反応がなく、唇が紫色

・けいれんを起こした

夜になると熱が出るときに疑われる病気は?


熱の出方には病気ごとにパターンがあり、熱が上がり下がりしやすい病気もあります。その場合、日中は平熱や微熱なのに、夜になると熱が高くなることも。ここでは熱が上がり下がりしやすい病気を紹介するので、参考にしてください。

ウイルス感染症

ウイルスの感染によって、熱や鼻水、鼻づまり、咳、のどの痛みなどの症状が出ます。いわゆる「かぜ症候群」です。原因となるウイルスの種類は200種類以上におよぶといわれていて、そのなかには1日の中で熱が上がったり下がったりするパターンをとりやすいウイルスもあります。ただし、熱の出方は子供や赤ちゃんの体力によっても変わってきます。

腎盂(じんう)腎炎

腎盂は腎臓のなかで尿が集まるところです。そこから尿管、膀胱へと続く尿の通り道を尿路といい、そのどこかで炎症が起きる病気です。膀胱など尿路の下部で炎症がとどまっているうちは熱がないことが多いのですが、より上方に位置する腎盂に感染が及ぶと高熱が出ます。尿の回数が増える、排尿時に痛みがあるなどの症状もありますが、子供や赤ちゃんは症状をうまく伝えられないので、気づかれないうちに炎症が進むことがあります。

マイコプラズマ肺炎

マイコプラズマは細菌の一種で、呼吸器に感染し、風邪や気管支炎、肺炎の原因となります。特に肺炎を起こしやすい菌として知られていて、熱は微熱のこともありますが、39度以上の高熱になることもあり、上がったり下がったりするパターンをとることもあります。病状が進むにつれて、ゴホゴホとたんが絡んだような湿った咳になるのも特徴です。

中耳炎

鼓膜の内側にある「中耳」に炎症が起こる病気です。耳から病原菌が入るわけではなく、かぜのときに、病原菌が鼻やのどの奥から耳管という管を通って中耳に入ることによって発症します。耳を痛がる、耳を触ろうとすると嫌がる、耳だれが出るなどの症状が見られることもあります。赤ちゃんの場合、機嫌が悪くなり、しきりに耳を触るしぐさが見られることも。

夜になると熱が出るときの対処法

熱は病原菌を撃退するために出ているもの。ですから、むやみに下げる必要はありません。赤ちゃんや子供が病原菌としっかり闘えるように、ホームケアでは体力を温存することに努めます。

そのために心がけたいのは、「安静」「水分補給」「快適な環境づくり」の3つ。次からさらに詳しく説明します。

夜、熱があるときの過ごし方

温度と湿度を調節してよく眠れる環境に

体力の温存や回復のために、夜はしっかり睡眠をとることが重要です。熱があるとそのつらさで、子供や赤ちゃんがぐずりがちになることもありますが、少しでも快適に眠れるように、環境を整えましょう。

室温は大人が快適と感じる温度で大丈夫。目安となる温度は、夏なら25~28度、秋から冬は23~25度です。気をつけたいのは寝かせる場所。エアコンの風が子供や赤ちゃんに直接当たらない場所にしましょう。

空気が乾燥している時期は、加湿も心がけます。湿度のめやすは40~60%。加湿器をかけたり、室内に洗濯物やぬれタオルを干したりするといいでしょう。

熱の上がり下がりに合わせて布団を調節する

熱の上がり下がりに合わせて、布団の枚数を調節しましょう。

熱が上がるときは、寒気が強くなります。子供や赤ちゃんにはふるえたり、手足が冷たくなったりする様子が見られるかもしれません。このときは、布団や上がけを1枚足すなどして、あたたかくするといいでしょう。

熱が上がり切ったら、今度は熱がこもりやすくなります。子供や赤ちゃんの顔が赤くほてっている、汗ばんでいるなどの様子が見られたら、布団やかけものの枚数を減らします。

水分補給の準備をしておく

熱が出ると、汗や呼吸によって皮膚と呼気の両方から水分が奪われます。脱水症を予防するために、枕元に水分補給の準備を整えておくと安心です。

ただし、寝ているときに起こして、水分を補給する必要はありません。夜に目を覚ましたりぐずったりすることがあれば、少量を口に含ませたり、会話ができるなら勧めてみたりするといいでしょう。飲みたがるなら、飲みたいだけ飲ませてあげましょう。

飲ませるものは、湯冷ましや麦茶などが最適です。赤ちゃんの場合、母乳やミルクがいつもどおり飲めているなら、それだけで大丈夫です。

気持ちよさそうなら冷却シートを

子供や赤ちゃんが気持ちよさそうであれば、おでこに貼る市販の冷却シートを使うといいでしょう。心地いいと感じることで、寝つきがよくなるかもしれません。

ただし、冷却シートは皮膚の表面温度を4度ほど下げるだけで、熱を下げる効果まではありません。そもそも、熱は必要があって出ているものなので、むやみに下げるればいいというものでもありません。ですから、夜中にはがれたとしても、つけ直さなくて大丈夫。また、子供や赤ちゃんがいやがる場合も、無理強いする必要はありません。

平熱に下がっているときの過ごし方

朝には平熱に戻っていたとしても、体内には病原菌がまだひそんでいる可能性があります。また夜に熱を出したことで、体力も消耗しているでしょう。

ですから、たとえ子供や赤ちゃんが元気に見えたとしても、いつもより安静にして過ごしましょう。

様子をよく観察

子供や赤ちゃんの症状は急変することが多いもの。夜に熱があった場合、元気そうにしていても、症状がぶり返したり、他の症状が出てきたりする可能性もあります。ですから、日中も不調のサインが出ないかどうか、よく観察しましょう。

興奮させない遊びがベター

日中はなるべく安静にして過ごします。外出はできるだけひかえて、部屋の中で絵本を読んだり、おもちゃで遊んだり、DVDを見たり。なるべく興奮させないように気をつけましょう。

食べ物は消化のいいものを

熱が出たときは、胃腸の働きも低下しています。そんなときに肉や油っぽいものなど消化に時間がかかるものを食べると、便がゆるくなるなどの症状をまねいてしまう可能性も。

夜に熱があったときは、おかゆやうどん、果物など消化のいいメニューにするといいでしょう。また、こまめに水分をとることも心がけてください。

長風呂はさける
お風呂に入ることは、体力を消耗します。夜に熱を出した場合、翌日のお風呂はひかえて、ぬるま湯でしぼったタオルで体をふく程度にしておくと安心です。

どうしてもお風呂に入れたい場合は、さっと短時間ですませるか、暑い季節ならシャワーで汗を流しましょう。寒い時期は、お風呂場や脱衣所をあたためておくなどして、体を冷やさないように気をつけてください。

【監修】 渋谷 紀子 総合母子保健センター愛育クリニック

東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院、山王病院、NTT東日本関東病院などの勤務を経て、現職。専門は小児アレルギー。私生活では四女の母でもある、やさしくパワフルなドクターです。

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