妊娠中に新型コロナワクチンを接種したアメリカ在住の医師として、数々のメディアに取り上げられた内田 舞先生。実体験をもとに、妊娠中のワクチン接種の有効性や安全性、またその必要性について教えていただきました。
※この記事は2021年4月16日・23日に行われた、青木 愛さん(ヴィリーナジャパンCEO)とのインスタライブの内容をもとに、2021年9月にBabymo(ベビモ)編集部が最新情報を加筆し、まとめたものです。
妊娠34週/38週でモデルナ製ワクチンを接種。接種後の症状は想定内
青木 愛さん(以下略称略) 内田先生は第3子を妊娠中に2回、コロナワクチンを打っていらっしゃるとのこと。痛みなどはなかったのでしょうか?
内田 舞先生(以下略称略) 1回目が妊娠34週、2回目が妊娠38週のときでした。いずれもモデルナ製のワクチンです。
1回目は私が勤めている病院で。痛みもなく、打ったかどうかもわからず拍子抜けしたほど。その後も痛みや発熱があるのかなと思っていたらそうでもなく、そのまま1週間が経過しました。
ところが2回目の接種のとき、妊娠による倦怠感や恥骨関節の痛みもあったせいか、昼に接種してから、夜になって接種部位(腕)がすごく痛くなってしまって・・・。眠けも増すし、恥骨関節の痛みも増すしで、そのまま30時間眠り続けたんです。
でも、起きたら痛みも倦怠感もきれいさっぱりなくなってスッキリ。元気もりもりでした(笑)。
青木 インフルエンザワクチンを打ったあとと同じような症状が出るという人もいますけど、内田先生的には想定内の反応でしたか?
内田 想定内でしたね。接種部位に痛みはあったものの、圧迫しないように反対側の腕を下にして寝ればすみましたし、もし発熱したとしても解熱剤を飲めばよいと思っていたので。
眠けや関節の痛みはちょっとつらかったけれど、これ以上につらいことは、今までにありましたしね(笑)。
コロナワクチンが、妊娠や胎児に影響を与えるとは考えにくかった
青木 そう思える程度の痛みだったということなんですね。
妊婦さんはコーヒー1杯飲むのにも気をつかうし、生物も食べられないし、妊娠してナーバスになる女性が多いなかで、内田先生がコロナワクチンを打とうと思ったきっかけはあるのですか?
内田 いろいろ理由はあるのですが、大きく挙げて3つあります。
まず1つ目は、ワクチンの性質やメカニズムを考えたときに、妊娠そのものや胎児に影響を与えるとは考えにくかったこと。
次に、少数ではあるものの妊婦の治験結果が出ていて、安全であることがわかっていたためです。
(*このインタビューは4月のものですが、その後アメリカやイスラエルにおける接種後の妊婦の追跡研究によって妊娠中の接種の安全性を示されました)
そして最後に、ワクチンを接種しないことのリスクです。ワクチンがこわいから何もしないという選択をした場合、もしコロナに感染して重症化してしまったら・・・と考え、そのほうがリスクが高いと思ったからです。