下半身、特に全身の土台となるおしりを強化すると、妊娠中のトラブルを予防できます。今回は、妊娠中に大きくなったおなかに圧迫されることで起きる、腰痛と便秘に効果が期待できるトレーニングを紹介します。
※本連載の「おしり筋トレ」を行うのは、妊娠経過にトラブルがない場合に限ります。妊娠週数や体調に合わせて行うようにしてください。 また、かならずしも安産や体の不調改善をお約束するものではありませんので、ご了承ください。
おしり筋の仲間の筋肉「骨盤底筋群」の大切さ
今回は2種類のトレーニングを紹介しますが、そのどちらもおしり筋に加えて、骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)も鍛えることができます。
骨盤底筋群は骨盤の底、つまり、股の部分にある筋肉たちで、おしりや太ももの筋肉のような大きな筋肉の塊ではなく、細かい筋肉が複雑に合わさって構成されている「筋群」です。
この骨盤底筋群の働きは「内臓を下から支え上げる」こと。胃や腸、子宮といった内臓を支えて体の中の正しい位置で正常に働くようにサポートしてくれています。
この骨盤底筋群の筋力が弱いと、尿を我慢する力も弱まってしまうので、妊娠後期や産後に尿漏れが起こりやすくなってしまいます。
さらには、産後に子宮脱(しきゅうだつ)が起こってしまう可能性も。子宮脱とは、出産や加齢、肥満などが引き金になり、子宮が膣の外側に出てきてしまう疾患。これも、骨盤底筋群の筋力が弱いために内臓を支えることができず、どんどん下に下がってしまうために起こります
産後にそんなことが起きないためにも、これから紹介するトレーニング&ストレッチで産前から骨盤底筋群を鍛えておきましょう!