馴染みあるキャラクターを使うことで、楽しく取り組める
1時間ほど見学していて感じたのは、生徒たちがとにかく楽しそう!ということ。
すでに知っているストーリーとキャラクターをアレンジするには、創造力が求められます。でも、自分が思う通りに考えて好きにつくっていいなんて、子どもにとっては楽しすぎる授業!
学校での学びの一環ではありますが、「やらされている」「やらなければならない」と思っている生徒はひとりもいないように見えました。
①でキャラクターの性格を新しく考える部分では、シンデレラに登場するプリンス・チャーミングを例に出して先生がデモンストレーション。

「プリンスはどんな性格?」「キャラクター像を新しくつくり変えるとしたら、どんな言葉で表せると思う?」と生徒に問いかけ、意見を引き出しながら、プリンスの性格を整理していきます。
一通り出そろったら、今度はペアワークに移行。さまざまな童話やおとぎ話に出てくるキャラクターから好きなものを選び、一般的な性格と新しい性格を考えていました。

その後、先生はプリンス・チャーミングの新しい性格を描写していくデモンストレーションを実施。
ここでは形容詞を使うほか、メタファーや比喩を効果的に使うやり方も織り交ぜて説明しています。


黄緑色で囲っている表現が、描写的な部分(形容詞やメタファー、比喩)です。
簡単な描写はもっと下の学年でも行いますが(例えば海の水について描写するなら、キラキラ輝く海水、生ぬるい海水など)、さすがYear6はさらに詳しく、表現もバリエーションも豊か。
その後、ペアで出し合った性格を表す言葉を使って各自でライティング。先生がテーブルを回りながら、表現の工夫や文章の構成についてアドバイスしていました。

作文をただ書くだけなら、きっと生徒はつまらなく感じるはず。馴染みのある物語、そしてキャラクターの視点や設定を変える。それだけで、ライティングの楽しさはきっと何倍にも増します。
日本では「作文が苦手」と感じる子どもも多そうですが、「楽しい」と思えたらもっと積極的に取り組めそうですよね。
授業の最後は発表タイム。生徒たちは目を輝かせ、時にはユーモアあふれる表現に笑いながら、クラスメイトの作品に聞き入っていました。
童話やおとぎ話を使ったライティングは他にもさまざまな手法があるそうです。
例えばお話の続きを想像してストーリーを付け足したり、主人公とは別の視点で物語を書いたり、お話の設定や時代、舞台を変えて新しいお話をつくったり、キャラクターにインタビューしたり……。どの手法も、アイデアや創造力を重視するやり方です。
息子が通う別のYear6のクラスでは、粘土で空想の生き物を作り、その生き物を主人公にした物語作りに挑戦しているそうです。なんて楽しそうな授業!
息子の英語力はまだ高くなく、日常英会話にもまだ苦労している状態。文法や英単語なんて、なおさらです。
それでも、「ライティングが一番楽しい!」と楽しそうに授業の報告をしてくれています。それはきっと、誰にも制限されることなく自分のアイデアを形にしてアウトプットできるから。
スペルが間違っているとか、文法がおかしいとか、そんなことはどうでもいい。正しい文章を書くことは二の次です。子どもの創造力を自由に発揮できる機会を与えてくれるこの学校に、ただただ感謝するばかりです。
次回のレポートでは、ニュージーランドの小学校の1日のスケジュールを紹介します。
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