「インプランテーションディップ」という言葉を知っている方は、妊活中や妊活経験者ママが多いかと思います。「インプランテーションディップ」とは、基礎体温と着床について、産婦人科ドクターの木下先生に教えてもらいました。
インプランテーションディップとは
インプランテーションディップとは、「Implantation(着床)」と「dip(下がる)」という英語の通り「着床のときに、基礎体温が一時的に下がる現象」をします。
排卵期に起こる体温陥落とは異なります。
インプランテーションディップは着床出血のように妊娠兆候といわれていますが、インプランテーションは医学的に証明されていることではありません。また、着床のときに、基礎体温が一時的に下がる現象がある妊婦さんもいるかもしれませんが、妊婦さんすべてが該当することではありません。
インプランテーションディップと基礎体温の関係?基礎体温とは?
インプランテーションディップは、着床のときに基礎体温が一時的に下がる現象のことをさすので、インプランテーションディップと基礎体温は関係がありますが、インプランテーションディップ自体は医学的に証明されていることではありません。
妊娠すると、妊娠中の排卵を抑えたり妊娠維持をするホルモン「プロゲステロン」が分泌されます。ほかにも体温を上げたり、乳腺を発達させたりします。プロゲステロンによって、基礎体温が下がらずに高温期が続きます。高温期が2週間以上続いていたら妊娠の可能性は高く、高温期が17日以上続いていたら妊娠しているでしょう。
妊娠成立しなければ、プロゲステロンの分泌量は減っていき、基礎体温が下がります。
インプランテーションディップはいつ起きる?
インプランテーションディップは「着床のときに基礎体温が一時的に下がる」とのことなので、基礎体温の体温陥落日から始まる高温期の途中に起こります。平均0.2℃下がるいわれているようです。
インプランテーションディップと着床出血は関係あるの?
インプランテーションディップと着床出血の関係は、医学的には証明されていません。
着床出血とは、受精卵が子宮内膜に着床したあと、少量出血することをいいます。妊娠2週ごろ排卵されて受精し、1週間ほどで受精卵が子宮内膜に着床します。着床すると、胎盤をつくるもととなる絨毛(じゅうもう)が形成開始され、hCGが分泌され始めます。絨毛(じゅうもう)が子宮内膜の粘膜に潜り込むとき、子宮内膜が傷ついて出血すると考えられています。妊婦さんすべてが着床出血するわけではなく、着床出血する人は数%でしょう。
妊娠2週…排卵→受精
妊娠3週…着床開始(受精後約6日で着床スタート、12日ごろ完了)
妊娠4週…次の月経予定日ごろ。妊娠2ヶ月~。着床完了によって妊娠成立。
妊娠6~7週…心拍確認で妊娠成立が確定。
【ひと目でわかる妊娠週数】
妊娠初期の妊娠週数
妊娠2ヶ月(妊娠4週~妊娠7週)
妊娠3ヶ月(妊娠8週~妊娠11週)
妊娠4ヶ月(妊娠12週~妊娠15週)
妊娠中期の妊娠週数
妊娠5ヶ月(妊娠16週~妊娠19週)
妊娠6ヶ月(妊娠20週~妊娠23週)
妊娠7ヶ月(妊娠24週~妊娠27週)
妊娠後期の妊娠週数
妊娠8ヶ月(妊娠28週~妊娠31週)
妊娠9ヶ月(妊娠32週~妊娠35週)
妊娠10ヶ月(妊娠36週~妊娠39週)
妊娠週数の数え方とは?妊娠成立とは?
妊娠週数の数え方は最終月経(生理)からスタートします。この日を「妊娠0 週0 日」として数えて、妊娠40週ごろに赤ちゃんは誕生します。また、妊娠週数の算出方法・基礎体温は、28日型の月経(生理)周期が基準になっています。妊娠月数はひと月を4週として数えます。
次の月経(生理)予定日ごろが妊娠4週になります。つまり、「生理が遅れているかも」と気づくのはだいたい妊娠5週ごろということです。
妊娠5週に、産婦人科で経腟プロープを使った超音波検査・経腟エコー検査をしても「胎嚢(たいのう)」とよばれる赤ちゃんが入っている袋しか見えません。妊娠6~7週ごろになり、心臓の鼓動=心拍が開始して、妊娠成立となります。