不妊治療

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)です。卵巣刺激によるOHSS(卵巣過剰刺激症候群)のリスクが心配…【教えて!ドクター】

多嚢胞性卵巣症候群

限られた時間で後悔しない治療を進めるためには、まず自分たちの置かれている状況をよく知ることが大切です。体のことはもちろん、治療内容をきちんと理解するために、山下レディースクリニックの院長・山下正紀先生に質問。

今回は、体外受精の卵巣刺激について教えてもらいました。

関連記事→多嚢胞性卵巣症候群の特徴を逆手にとって、早めのステップアップで妊娠【100人の妊活・不妊治療記#015】

【質問】PCOSの診断をされています。アンタゴニスト法なら大丈夫?

〈質問者データ〉
38歳/夫の年齢40代
妊活歴2年6ヵ月
既往歴:排卵障害

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)のため、強い卵巣刺激ができません。

【お答え】アンタゴニスト+点鼻薬トリガー法は、過剰な卵巣刺激によっておなかが腫れるOHSSを防ぐのに有効です

アンタゴニスト製剤のセトロタイドは、海外では1990年代から使われていましたが、国内で承認されたのは2006年。それまでは各クリニックが個人輸入で使用していました。当院では、国内承認からいち早く導入し、実績を重ねています。

アンタゴニスト法では、卵の最終成熟を促すときのトリガー(引き金)に、hCG製剤ではなく、アゴニスト点鼻薬を代用するという手が使えます。非常にたくさんの卵胞が育っている状態でhCGを用いると、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクが大きくなり、採卵をキャンセルしなくてはならないこともあります。

アンタゴニストを使っている周期にさらにアゴニスト点鼻薬を使うと聞くと、不思議に思われるかもしれません。この場合のアゴニストは、排卵を防ぐためではなく、hCGのかわりに卵の最終成熟のために用いるのです

ですから、強い卵巣刺激ではOHSSになりやすいPCOSの人には、アゴニスト法は向かず、アンタゴニスト法が適していると考えます。

関連記事→自分に合った卵巣刺激法はどれ?「PPOS法」や「アンタゴニスト法」など、知っておきたい6種類をチェック【医師監修】

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