この記事では、新生児の下痢の見極め方や症状、対処法などについてまとめました。新生児期の赤ちゃんは、もともとうんちがゆるゆるで回数も多めです。いつも下痢のようなうんちですが、新生児にとってはそれがふつうの状態。では、本当の下痢になったらどう判断したらいいのでしょうか? そんな疑問にお答えします。
新生児の排便と下痢ってどんなもの?
新生児期は、回数や色など特有のうんちをすることが多い時期です。どんなうんちが普通なのかをまず知っておきましょう。
回数が多くて水っぽく、黄色や茶色、緑色なのが普通です
赤ちゃんのうんちの回数には個人差が大きいのですが、たいてい生まれてしばらくはおしっことともにうんちの回数も多く、授乳のたびにうんちをすることもよくあります。多い場合は、1日に10回程度うんちをする、という子も珍しくありません。
うんちの色や状態は、赤ちゃんによってまちまちです。色は、生後すぐのころに胎便と呼ばれる黒っぽいうんちが出ますが、その後は黄色や茶色がかったうんちになります。ときどき緑色っぽいうんちが出ることもありますが、これはうんちが酸性になって黄色い胆汁が酸化されたために緑色に変化したもので、心配いりません。
うんちの状態は、母乳やミルクだけを飲んでいる時期の赤ちゃんのうんちは、水分が多くベチャベチャとしていたりゆるめです。大量にするとおむつからはみ出して、洋服を汚してしまうこともあるでしょう。
ときには、白いツブツブが混じったうんちをすることもありますが、これは腸で吸収されなかった脂肪分やカルシウムが、そのまま出てきてしまったもの。生後2ケ月くらいまでの赤ちゃんによくあることです。
また、おむつのうんちが泡立ったような状態になっていることもありますが、うんちが空気と混じっただけなので、これも心配いりません。
一般に下痢とは、赤ちゃんが飲んだ母乳やミルクが、腸で十分に吸収されずに出てしまう状態をいいます。新生児はいつも水っぽいうんちをしていることが多いので、下痢かどうか見分けるのは難しいと思うかもしれません。でも、普段から赤ちゃんのうんちをよく見ていると、下痢をしたときもわかってくるものです。
新生児の下痢、見分け方はどうすれば?
下痢は、うんちが水っぽいとか回数が多い、などから判断しますが、新生児の場合は普段からうんちが水っぽく回数も多めです。そこで、下痢かどうか判断するときのポイントを知っておくことが大切です。
いつもと比べて、水分や回数が極端に多くなるのが下痢です
新生児が下痢かどうかを見極めるキーワードは、「いつもと比べて」です。いつものうんちと比べて、「より水分が多い」「回数が極端に増えた」「においが違う」などの点から、下痢かどうかを判断します。
新生児のうんちは、ゆるゆるで水分が多めなことが多いのですが、下痢をするとさらに水分が多く水のようになります。そのため、量がそれほど多くなくても、うんちをするたびにおむつから流れ出てしまうこともあります。
また、母乳やミルクだけ飲んでいるころのうんちは、普段から甘酸っぱいにおいがしますが、これは嫌なにおいではありません。下痢になると、うんちがツンと鼻につく酸っぱい刺激臭になり、明らかに普段とは変わります。
一番わかりやすいのは回数です。下痢になるとかなり多くなり、普段の倍近くになることもあります。もともとうんちの回数が多めな赤ちゃんの場合は、下痢になると1日20回以上もうんちをする場合もあります。
うんちの色は、赤ちゃんの体調や腸内環境によって変わるため、いつも同じというわけではありません。それでも、下痢が疑われてうんちの色も白っぽくなった場合は、ウイルス性腸炎が疑われるので早めに小児科を受診しましょう。
うんちの回数や状態、においや色などから下痢やほかの病気などを見極めるには、日ごろからおむつ替えのときに赤ちゃんのうんちをよく観察し、色や状態、においなどを覚えておくことが大切です。
また、便の回数が増えて拭く回数も増えるからという理由もありますが、病的な下痢便がついたおしりはいつもよりただれやすくなります。丁寧にきれいにしているつもりなのにおしりが急に真っ赤にただれてくるようなら下痢を疑いましょう。