しかし母も粘ります。「だいたいあなた、初産なんだから、まだまだお産に時間がかかるわよ。そんなに急いで病院に行ったって、まだ大丈夫です、なんて帰されてごらんなさいよ、二度手間になっちゃうし、あなたの体に負担がかかるわよ。それに、陣痛のピークってさ、そんなに大人しくいられないわよ。私なんて泣き叫んでいたわよ」
と、かたくなに「まだ大丈夫説」を押し通そうとするのです。
「そんなに高校野球が大事なの?」と聞くと、「違うわよ。絶対大丈夫だから言っているのよ」と母。でも私は覚えています。こうやって話している間にも、テレビから声援が聞こえたら、会話を中断して、画面に見入っていたことを。
そうこうしているうちに、痛みは10分間隔に。痛みが引いているときは、嘘みたいになんともないのですが、波が来たときにはとんでもない痛さ。身の置き所がなくなった私は、痛みが襲ってくるたびに、カーテンを握りしめて耐えるしかありませんでした。
もう、ここまでくると、試合が終わるまで病院には連れて行ってはもらえないでしょう。「確かにまだ絶叫するほどの痛みではないから、すぐに産まれることはないのかも…。でも、これは痛い。めちゃくちゃ痛いんだけど!もしかして、出産直前はもっともっと痛くなるってこと?私、耐えられないかもしれない…2人目は絶対に無痛分娩にしたい…」などと、頭の中で色々考えを巡らせる私でした。
ゲームセットで病院へ…続きを読む




