さまざまな事情で中絶(人工妊娠中絶)を選択した女性たち。彼女たちに経験とその後について話してもらいました。中絶の経験が妊娠しにくい原因?ドクターの解説も参考にしてみてください。
アドバイス・執筆
レディクリニック名古屋伏見
月城沙美 院長

福井医科大学(現 福井大学)医学部を卒業後、名古屋市立大学病院で研修、名古屋市立大学医学部大学院を卒業、複数の医療機関で勤務。東京都内の婦人科や美容皮膚科でも経験を積み、2021年にレディクリニック名古屋伏見を開業。
看護師さんとの出会いで救われ、自分の進路にも影響した中絶手術
【四葉のクローバーさん30歳(現在は6歳のママ)】のケース

私が中絶手術をしたのは、18歳で高校3年生でした。
大学受験のために、1日のうちほとんどの時間、勉強をしていました。唯一の癒しだったのが、2つ年上の彼の存在。彼と同じ大学へ行くために必死に頑張っていたんです。そんな生活を送っていたある日、異常な眠気が続いて勉強に集中できないことに気がつきました。
「生理ももうすぐ始まるし、ちょっとだけ体のリズムが乱れているだけだろう」と軽く考えていましたが、徐々に食べ物の匂いに敏感になっていき、何かがおかしいと思い始めたんです。
すぐに妊娠検査薬を買って調べると、やはり陽性反応。大学へは行きたかったですが、彼とは結婚も考えていたので、妊娠のことを思い切って伝えてみました。そうすると、彼からは「中絶手術をしてほしい」との返答が。
てっきり「結婚をしよう」と言われることを期待していたので、とてもショックでした。
その後、学校にも行かず、受験勉強もせず、食事も食べずに、部屋にこもりきっている私を心配して母が話を聞いてきたんです。そこで初めて彼氏がいることや妊娠のこと、彼から言われた言葉がショックだったことも伝えました。
母から「妊娠のことはわかった。でも、避妊方法も知っていたし、いま妊娠をするリスクもわかっていたよね?人を好きになることは素晴らしいけれど、自分の体は自分でちゃんと大切にしないとだめだよ」と言われて目が覚めたように思います。
母と一緒に産婦人科へ行き、初めて超音波検査を受けると、どくどくと動く小さい赤ちゃんが見えました。「避妊方法は知っていたのにごめんね。体を大切にできなくてごめんね」と何度も頭の中で謝っていると、自然と涙が出てきてきました。
しかし、もう妊娠10週と診断され、初期中絶手術をやるには早めのほうがよいとの医師からの話で、手術日は数日後に決定してしまいました。彼と連絡がとれなくなってしまったこともあり、中絶同意書には、私の名前と母の名前のみ。同意書に彼の名前がないことが、とてもやるせない気持ちになりましたが、受け入れるしかありませんでした。
その後は、彼のことも大学のことも何も考えられずに、ついに手術日を迎え、気付いたら内診台の上に座っていました。
■ドクターコメント
中絶手術の同意ですが、基本的に相手の同意(既婚者の場合は別の男性との間の妊娠であっても夫の同意)が必ず必要となります。未成年の場合は、それに加えて保護者の同意も必要となります。
ただし、相手とどうしても連絡が取れない、相手が誰なのか分からないという場合など特別な事情がある場合、相手の同意は必要ありません。
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