体外受精をへて43歳で男の子のママになった、フリーアナウンサーの大久保涼香さん。ハードな仕事をしながら通院していた当時を振り返って、苦労したことについて教えていただきました。
さらに、治療がうまくいかず落ち込んだときのメンタルの上げ方も伺いました。アナウンサーだからこその方法!ぜひ参考にしてくださいね。
前の記事を読む>> 40代妊活「迷っている暇なんてない!」結婚後すぐに不妊治療クリニックへ|フリーアナウンサー・大久保涼香さん妊活記/前編
不規則な仕事に合わせて、注射の時間を綿密計画
よく、妊娠しやすい体づくりの基本は、規則正しい生活だと言われますよね。
でも、私はアナウンサーという仕事柄、超がつくほどの不規則生活。テレビ通販番組のキャスターをしていて、深夜1時の生放送なんてこともしょっちゅうです。
ただ、体外受精のための自己注射や点鼻薬は時間が厳密に決まっていて、遅れたり忘れたりすると採卵や移植にも影響してしまいます。
生放送中は注射を打つことはできないので、仕事の予定とにらめっこしながら、先生と看護師さんと、何時に自己注射をするか、点鼻薬は何時にするかといった綿密なスケジュールを立てました。
注射などの時間管理は、働きながらの妊活で苦労をした点ですね。
一方で、一般企業に勤めている方に比べたら、仕事自体のスケジュールは融通がききやすい面でもあります。通院が入りそうな日はあらかじめ仕事を入れないように調整することもできました。
私が通っていたクリニックは、Wi-Fi・コンセント完備で、待ち時間にパソコンを開いてカタカタと仕事をしている女性の姿もたくさん。みんな仕事を頑張りながら、あちこち調整をしながら、クリニックに来ている。
通院のたびに毎回、「ここにいるみんなが無事に妊娠できますように」と祈るような気持ちが自然と湧き上がってきたことを思い出します。
周りのかたとお話こそしないけれど、「私たちは一人じゃなくて、頑張っている仲間がたくさんいる」。そう思うことが、心の支えにもなってくれていたように思います。

東京の新大久保にある「夫婦木神社」のお守り。クリニックの診察券と一緒に持ち歩いたり、検査結果を聞くときは握りしめたりしていました。
二度目の採卵で凍結胚ができた!
採卵できた3個がすべて発育停止してしまい、アラフォー妊活の厳しさを感じることになった初めての採卵。二度目の採卵周期は、一度目の経験から治療の流れもわかるし、自己注射にも慣れたし、スケジュール調整もスムーズにできましたね。
人間の適応力って、すごいものです。注射嫌いだったはずの私でも、ためらいなく自己注射をおなかにブスッ!と刺せるようになりました。
二度目の採卵では、2個の卵胞を採取することができました。ただ、排卵誘発剤を使っても、やはり採卵個数は少ない…!それでも、この2個のうち1個の受精卵が順調に胚盤胞まで育ち、凍結することができました。
そして、このたった一つの凍結胚が、無事に着床して、私たちのもとに生まれてくる男の子に。息子は早いものでもう1歳の誕生日を迎え、すくすくと育っています。
42歳からという遅いスタートにもかかわらず、不妊治療を始めてから1年たたずに妊娠できたことは、奇跡のような幸運でした。

クリニックで陽性結果が出た後、記念に妊娠検査薬を使いました。
ポジティブな言葉でメンタルを上向きに
不妊治療では、治療のステップごとにいろいろな節目があります。たとえば採卵日、移植日、妊娠判定日…。
治療中、無意識のうちにしていたのが、こうした予定をポジテイブな日々の言葉に変換することです。
「卵子が採れる日」
「着床する日」
「妊娠がわかる日」
「心拍が聞こえる日」
こんなふうに、あたかよい結果になることが決まっているような言葉を使う。すると、「きっとそうなる!」って、気持ちもちょっと明るくなる気がします。
アナウンサーという職業柄もあってか、私は言葉の力はとても大きいと感じています。「言霊」ともいうように、ポジティブな言葉はポジティブな未来を引き寄せてくれると信じているんです。
反対に、妊活中は夫にも愚痴や不安を怖くて言葉にできませんでした。ネガティブな言葉を発したら、それが現実になってしまいそうで…。
幸い、夫はとても協力的で、私の希望を尊重してくれる人です。治療開始の時期もクリニック選びも、ほとんどすべて私の独断で決めましたが(笑)、それに対して文句や不満を言うことなく寄り添ってくれました。
いまでも、「あのときあなたが動いてくれたから、この子がいるんだよね」としみじみ話してくれることもあります。とにかく明るい未来を信じて行動してきたよかった、と改めて思います。

出産した病院で生まれたばかり息子と記念撮影♪
続きを読む>> ずっと不安だった不妊治療。でも「40代だから」頑張れたのかもしれません|フリーアナウンサー・大久保涼香さん妊活記/後編

プロフィール●大久保涼香(おおくぼ・さやか)さん
1980年4月、埼玉県出身。大学卒業後、会社員を経て、2006年より岩手めんこいテレビ報道部アナウンサー、11年よりWOWOW契約キャスターを務める。現在は、フリーのアナウンサーとして、テレビやラジオを中心に活躍中(ライムライト所属)。2022年3月に結婚、23年9月に長男を出産。@sayaka_okubo
取材・文/浦上藍子
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