胚移植後にしてはいけないこと
胚移植後の生活で気をつけるべきことが書かれているウェブ記事はたくさんありますが、見るとどれも示し合わせたのではないかと思われるほど、同じことが出ています。
患者さんからよく受ける質問を挙げてみましょう。
・安静は必要ですか?
・性交渉は大丈夫ですか?
・運動はNGですか?
・食べてはいけないものはありますか?
・おなかに力の入る仕事や立ちっぱなしの仕事は休んだほうがいいですか?
・入浴はOKですか?温泉に入っても大丈夫ですか?
・おなかを(カイロなどで)温めたほうがいいでしょうか?
・自動車や自転車の運転はしてもいいですか?
などなど。
もちろん、患者さんにしてみれば、時間とお金をかけて治療を受けた妊活の最終段階で、いろいろと不安になるのは当然です。とくに神経質なタイプの方は、こまかいことまで心配されますが、結論から言ってしまうと、大抵のことでは、着床やその後の妊娠継続に影響することはないだろうということです。
体外受精が始まった当時、採卵は腹腔鏡で行われ、入院が必須でした。その後も移植を含め、ずっとベッドで安静にしていました。しかし、80年代の後半から外来でできる経腟による採卵が広がり、移植後に安静にしても、普通に生活しても、妊娠率は変わらないというデータが続々と出てきて、いまの「安静は必要ない」という形に落ち着いています。
そもそも、自然の妊娠では、来るはずの生理が来なくて初めて「あれ?妊娠?」と思うケースも多く、排卵から着床前後の時期に、意識して行動を制限したりはしません。多くの人が何も気にせずにふだん通りの生活をつづけているはずです。人類はそうして子孫をつないできました。体外受精や顕微授精でも、着床すれば、その後の経過は自然妊娠と何も変わらないのです。
ただし、移植当日だけは、万一の感染を避ける意味で、浴槽への入浴はせず、シャワーにすることをお願いしています。移植当日にわざわざスイミングに行ったり、温泉に入る方は少ないと思いますが、これらも念のため控えておきましょう。
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