頼ることは「迷惑」じゃない
――産後うつを乗り越えて、変わったことはありますか?
赤ちゃんのことはかわいいし、育児も楽しいのに、体と心が思う通りに動かない。そうなると、どうしても「自分が弱いせいだ」と責めてしまうんですよね。私も、「40代でひとり授かれただけでも幸せなのに、もしできたらもうひとりなんて望んだからバチがあったんだ」と思っていました。今思えば、「誰がバチなんて当てるんだ」って話ですけれど(笑)。
でも、入院するまで私が追い詰められたことで、夫の意識も大きく変わりました。それは結果的に、その後の子育てや夫婦関係においてもプラスだったと思います。当時の夫も私の様子を見て「疲れているな」「大変そうだな」と感じてはいて、自分にできることはしていたつもりだったと思います。でも、治療が必要な状態だとは思ってもみなかったのでしょう。
「助けて」と言葉にしないかぎり、伝わらないことがあるんだと、私自身も痛感しました。

乳児院でお食い初めをしました。
――退院後、頼ることへの抵抗感は薄れましたか?
私たちは「他人に迷惑をかけてはいけない」という教育を受けてきましたけれど、子育てに関してはそんなことないんですよね。「手を差し伸べたい」と思ってくれている人は、必ずいる。
「助けて」と声を上げたとき、ママ友や彼女がつないでくれた医療チームのみなさんが私に「SOSを出してくれてありがとう」と言ってくれたんです。「私たちはひとりで抱え込んで苦しんでいる人を助けたい。でも声を上げてくれないと、気づけないから」って。その言葉は今でもすごく心に残っています。
――助けを求めることは、決して迷惑をかけることではない、と。
そうですね。子どもたちもいろいろな大人と関わることで、大人を信頼できる子どもに育つと思うんです。してもらった経験は、やがて自分ができることで返していこうというふうに循環していくものでもありますね。
心身のバランスを崩す前に、周囲に頼ることができたらいちばん。また、もし今、産後うつかもしれないと不安のなかにいる人も、「産後うつは絶対に治る、一過性のものだ」ということを強く伝えたいです。

面会のときは、夫婦で娘をたくさん抱っこしました。
次のページ>> 妊活、出産、子育ては思い通りにならないことだらけ!でも、




